今日はこどもの日!地域別・初節句におすすめの神社お寺はここ!
2024.05.05
今日はこどもの日、端午の節句ってなあに?
ゴールデンウイークラストの国民の祝日は、5月5日の「子どもの日」ですね。
「端午の節句」や「菖蒲の節句」などとも呼ばれていて、男の子のお祭りとしても知られています。こいのぼりや五月人形を飾ったり、ちまきや柏餅を食べたりしますが、それらの習慣はいつ頃はじまったものなのでしょうか。また、どんな意味があるのでしょうか。
今回は、そんなこどもの日のはじまりや豆知識、お子さんが生まれて初めて迎える「初節句」や参拝におすすめの神社などをご紹介します。
知ってますか?端午の節句の由来と歴史とは
現在は「こどもの日」でおなじみの「端午の節句」。元々は中国の五節句の一つで、邪気が強くなると言われる節句の日に、神様にお供えをしたり、魔除けの効果があると言われる菖蒲湯に入ったりして、無病息災を願う祭りでした。日本でも歴史は古く、奈良時代頃には
既に子どもの成長を祝う行事として貴族に広がっていたようです。
1月7日の人日(じんじつ)の節句、
3月3日の上巳(じょうし)の節句、
5月5日の端午(たんご)の節句、
7月7日の七夕(たなばた)の節句、
9月9日の重陽(ちょうよう)の節句があるよ!
桃の節句(3月3日)、
菖蒲の節句(5月5日)、
笹竹の節句(7月7日)、
菊の節句(9月9日)とも呼ばれていますね。
鎌倉時代になると武家社会となり、「しょうぶ」が「尚武(武を大切にすること)」につながることや菖蒲の葉が剣の形をしていることから、一家の跡継ぎとなる男子の無事の成長を願うお祭りになりました。
さらに江戸時代頃になると、旗本や大名たちが武士の姿で江戸城を訪れ、お祝いを奉じるようになります。また、男の子が生まれると、玄関先に幟や馬印を立てて祝うようになり、次第にこいのぼりという形で庶民にも広がっていき、現代のような形になってきたと言われています。
明治期になると、五節句の廃止が行われ、武家色の強い端午の節句も一時的に衰退していきます。しかし、習慣として深く根付いていた端午の節句は、人々に受け継がれていきました。
やがて昭和23年に祝日法が制定されると、5月5日は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として、男の子のみではなくすべての子ども成長と幸福を祈る「こどもの日」となりました。
端午の節句はなんで5月5日なの?
端午とは「端=はじめ」の「午=うま」の日のことで、午(ご)が五に通じることから、元々は毎月5日のことを示していました。
やがて、月も日も5が重なる5月の5日を端午と呼ぶようになり、5月5日が端午の節句となったそうです。
女の子のお祝いは「上巳の節句」
男の子のおまつりである端午の節句に対して、女の子のおまつりと言えば「ひな祭り」。別名を「上巳の節句」または「桃の節句」といい、中国の五節句に由来する節句の1つです。元々は新しい年の無病息災を願う日でしたが、やがて女の子の健やかな成長と幸福を祈るお祭りとなりました。
なお、ひな祭りについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください♡
▷▷巡縁コラム「桃の節句、徹底解説!ひな祭りのイベントがあるスポットもご紹介!」◁◁
端午の節句は何するの?伝統行事とは
端午の節句といえば、こいのぼりや五月人形を飾ったり、菖蒲湯に入ったり柏餅を食べたりという風習があります。最近では当たり前のように行われていますが、それぞれどんな意味があるのでしょうか。
五月人形
五月人形とは、男の子が元気に育ってくれることを祈って飾る人形のこと。江戸時代に男子の誕生を祝って武家が兜や鎧を飾ったことに由来していて、子どもに降りかかる厄災を代わりに受けてくれる「身代わり人形」の役割があると言われています。
いくつか種類があり、兜や鎧が一体となった鎧飾りや、大切な頭を守る兜飾り、金太郎や鍾馗(しょうき)・神武天皇などを象った人形飾りなどがあります。それぞれに意味があるので、ご家庭の事情や好みに合わせて選んでみてください。
神武天皇は苦難に打ち勝ち、日本を創設した初代天皇です。 日本サッカー代表のユニホームで有名な八咫烏(ヤタガラス)は、 神武天皇を勝利へ導いたんだよ!
こいのぼり
家の中に飾る五月人形に対して、外に飾るものといえばこいのぼりです。元々武家では、男の子が生まれると幟(のぼり)を立てて祝うという風習がありました。
それが江戸時代中期になると、庶民の間にも広がっていきます。金太郎や武者の絵を描いた幟に加え、特に町人たちに好まれたのが鯉を描いた幟でした。これは中国の、鯉は滝を登ると竜になるという「登竜門」の伝説になぞらえたもので、男の子の立身出世を願って飾られていました。
元々は黒一色だったこいのぼりでしたが、次第に赤い緋鯉が加わり、黒が父・赤が子どもを表すように。さらに戦後になると青い鯉が加わり、黒が父・赤が母・そして青が子どもに。さらに子どもが増えるたびに様々な色なこいのぼりが飾られるようになり、現代のようなカラフルなこいのぼりとなっていきます。
こいのぼりの飾りにも意味があり、立てた棒に飾る矢車は悪いものを射る弓矢、一番上になびかせる五色の吹き流しは五行説に基づいたもので同じく魔除けの効果があります。
菖蒲
端午の節句は別名「菖蒲の節句」と呼ばれています。菖蒲はショウブ科の多年生草本で、シュッとした葉に、白や紫の花を咲かせます。葉や茎に強い香りを持つことから中国では魔除けに効果があると言われていて、家の軒下に吊るしたり、菖蒲湯に浸かったりすることで、無病息災を願っていました。
菖蒲には血行促進や疲労回復効果もあると言われており、肩こりや冷え性など体の不調改善にも効果があるそうです。
柏餅
中国の端午の節句には、神様にちまきをお供えするのが一般的でした。現在も関西では、5月5日には、ちまきを食べる風習が残っています。
一方、関東では柏餅がよく食べられていますが、この文化は日本独特のものだそうです。柏は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから家が途絶えない縁起物とされていて、子どもの成長を願う端午の節句に柏の葉を使った餅を食べて、子孫繁栄を願うようになりました。
端午の節句に関する豆知識
男の子が生まれて端午の節句のお祝いをする時、「これってどうしたらいいの?」と迷うことがありますよね。よくある疑問を、豆知識としてご紹介します。
五月人形(鎧兜)は誰が買うもの?
男の子の無病息災や立身出世を願う五月人形。元々は、母方の親が用意する家が多かったようです。古来、娘は結婚すると、嫁ぎ先の家の人となり、生家に帰ることはほとんどありませんでした。そこで孫が生まれた際、娘や孫に会う口実として、孫のための飾りを母方の両親が用意するというのが習慣だったそうです。
しかし近年では、両家の話し合いによって決めることが多くなっている様子。また、地方によっても異なっており、西日本では古来のしきたりを重視して母方が用意するケースがほとんどですが、東日本では女の子の場合は母方が、男の子の場合は父方が、と分けている家庭も多いようです。また、地域や家庭によっては、家庭内に飾る五月人形は母方が、外に飾るこいのぼりは父方が用意する、という場合も。地域や家庭によって習慣が異なるため、事前によく話し合うことが大切です。
2人目以降も男の子だった場合、五月人形は2体必要なの?
五月人形は前記の通り、生まれた子の厄除けや身代わりの意味があります。そのため、兄弟だとしても、1人1体用意するのがおすすめです。
また、父親や親族・先祖代々からのおさがりも、あまり好ましくありません。五月人形はその子の厄や災いを引き受けてくれるもの。そのため、おさがりをもらってしまうと、その厄災まで子どもに受け継いでしまうという考えもあります。代々受け継いでいる人形がある場合は、生まれた子どものために新しく買った五月人形と並べて飾りましょう。
最近はマンションなどで、複数の五月人形を飾るのが難しい人も多いかもしれませんが、小さくても良いのでその子だけの人形を用意して、並べてあげるのがおすすめです。
最近はインテリアに馴染みやすい、陶器やガラス、 木製の兜飾りもあるようです。
4月生まれの男の子の「初節句」はいつになる?
4月に生まれたばかりの赤ちゃんは、5月の時点ではまだ生後1ヵ月。本来ならその年の5月5日が初節句ですが、赤ちゃんやお母さんの体調を考慮して、翌年に初節句をする人も多いようです。また、最近ではお宮参りと合わせて初節句のお祝いをする人も。
迷った時は、誕生から21日を目安にして、それ以内の場合は初節句を翌年にしてください。
初節句のお祝いの意味
初節句とはその名の通り、子どもが生まれてはじめて迎える節句のことです。女の子は3月3日の上巳の節句、男の子は5月5日の端午の節句に行われるのが一般的で、子どもの誕生を祝い、無病息災を祈る行事です。
初節句ってなに?
節句とは、一年の節目となる日のことで、中国から伝わった五節句に由来します。
古来中国では、奇数は縁起の良い数字とされていました。しかし、その奇数が重なると不吉な日となってしまうため、元旦である1月1日を除いた奇数が重なる日を五節句として、厄払いをする日と制定しました。
五節句はそれぞれ、人日(元旦を除くため1月7日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)と呼ばれていて、このうち上巳の3月3日は女の子の、端午の5月5日を男の子の節句とし、生まれた子が迎える初めての節句を「初節句」として健やかな成長を願うようになりました。
初節句でお参りするおすすめの神社・お寺
初節句には、赤ちゃんが生まれた土地の「産土神社」に参拝するのがおすすめ。
しかし、生まれた場所と住んでいる場所が離れている、大きな神社にお願いしたいなど、どの神社・お寺に参拝するか困っている方も多いかもしれません。そこで、初節句の参拝におすすめの神社・お寺を関東・関西に分けてご紹介します。
関東の地域別おすすめ神社3選 !
◎鬼子母神堂(きしもじんどう)
鬼子母神堂は通称「雑司ヶ谷鬼子母神」と呼ばれる、東京都豊島区にある寺院。室町時代から祀られていて、現在は法明寺の飛び地境内になっています。
鬼子母神は元々インドの悪鬼で、人の子を捕らえて食べる訶梨帝母(かりていも)という夜叉でした。
そこで釈迦が末の子を隠すと、訶梨帝母は半狂乱になって世界を探し回ります。すると釈迦は、子どもを失う悲しみを諭し、訶梨帝母は鬼子母神として子を守る神様になりました。子どもの無病息災・招福利益のご利益がいただけるのはもちろん、子育てを見守ってくれる仏様なので、初節句はもちろん子育てで悩んだ時の参拝にもおすすめです。
◎早馬神社(はやまじんじゃ)
早馬神社は、宮城県気仙沼市にある鎌倉時代創建の神社。
鎌倉時代の武将・梶原景実(梶原景時の兄)によって建立され、鎌倉の歴史書「吾妻鏡」には北条政子の安産祈願を行ったところ無事に源頼家が生まれたという記述があり、古くから安産や子育ての神様として親しまれてきました。
また、「はやま」という名前から万事が早くうまくいく、早く勝利を得られると、受験や仕事、家庭生活など、子どもの成長や育児に必要な御利益がすべていただけると言われています。
◎金時神社(きんときじんじゃ)
金時神社は、神奈川県箱根町にある江戸時代創建の神社。
仙石原諏訪神社の敷地にあり、御祭神は金太郎のモデルになった平安時代の武将・坂田公時です。
坂田公時は、源頼光の家来として酒呑童子などの妖怪退治にも同行したと言われる勇猛果敢な武将です。また、金太郎は健康で心の優しい子どものシンボルとなっており、五月人形として飾られることも。そんな坂田公時を祀る神社でいただけるご利益は、もちろん子育てや健康です。
端午の節句である5月5日には子どもの無病息災を願う例祭が開催され、湯立獅子舞が奉納されます。
関西の地域別おすすめ神社3選
◎少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)
少彦名神社は、大阪市にある江戸時代に創建された神社。
薬種中買仲間の団体組織が薬の安全と薬業の繁栄を願うために、京都の五條天神社から少彦名命の分霊を勧進したことを起源とします。
別名「神農さん」とも呼ばれる健康や医薬の神様で、子どもはもちろん、家族全員の無病息災や家内安全のご利益がいただけます。
毎年5月5日の9時からは、子どもの健やかな成長を願う「端午祭」も開催されます。
◎護王神社(ごおうじんじゃ)
護王神社は、京都市にある由緒ある神社。
元は護王善神社として神護寺境内に祀られていましたが、明治時代に分離して現在の場所に遷座されました。
主祭神は奈良時代の貴族・和気清麻呂と、姉の和気広虫姫命。
和気広虫姫命は戦争で親を失った多くの子どもを助けたことから、今も子どもの守り神として崇められています。
◎水天宮(すいてんぐう)
水天宮は、福岡県久留米市にある水天宮の総本宮。
平安時代末期、壇ノ浦の戦いで生き延びた按察使局伊勢が安徳天皇と平家の霊を慰めるために建てた祠がはじまりです。
代々、水と子どもの守り神と言われていて、5月5日は、年間を通して最も重要な御祭である「例大祭」も開催されます。
東京日本橋をはじめとした全国の水天宮も同様のご利益がいただけるので、初節句の参拝にもおすすめです。
初節句の作法
初節句は赤ちゃんが生まれて初めて迎える、一生に一度の大切な日。節句飾りをして、神社仏閣に参拝した後、親族を呼んでお祝いをするのが一般的なスタイルです。
赤ちゃんの衣装に特に決まりはありませんが、男の子には陣羽織、女の子には着物を着せることが多いようです。
お祝いの料理によく使われるのは、男の子の場合は出世魚である鰤(ぶり)や、勝利を連想させる鰹(カツオ)。女の子は縁起ものがたくさん入ったちらし寿司や、良縁に恵まれることを願うハマグリを使った料理が人気です。
節句飾りは、元々は母方の両親が購入することが多かったですが、最近では父方が購入することも。
いずれも各家庭のやり方に合わせて、赤ちゃんの誕生を祝い、健やかな成長を願う一日にしてくださいね。
まとめ
一度は途絶えかけた端午の節句ですが、今でも子どもの日として、昔からの習慣が根付いている日です。それは、いつの時代も変わらない、子どもの幸せや健康を願う親・家族の気持ちの表れかもしれません。
ゴールデンウイークという休暇の1日ではありますが、ぜひ子どもたちの健やかな成長とお母さんへの感謝、そしてご家族全員の幸せを願う日にしてみてください。