【真言宗】イチから学ぶ日本の仏教~仏教伝道協会~

2025.07.27
日本の仏教に詳しくなりたい
日本の仏教に詳しくなりたい巡縁運営が受けてみた「公益財団法人仏教伝道協会」の『イチから学ぶ日本の仏教』。
今回は真言宗です。
ちなみに『イチから学ぶ日本の仏教』とは
日本仏教の宗派を1宗派ずつ取り上げて基本的な教えや、その宗派の祖の紹介を解説するセミナー。
ワンクール8回、今回は、天台宗・真言宗、浄土宗、浄土真宗、時宗、日蓮宗、臨済宗、曹洞宗のラインナップ、各宗派の人気僧侶が集まっておられます。
第一回「天台宗」セミナーでは、天台宗の「多様性を認める懐の深さ」と、日本仏教のその他の宗祖を生み出した「母なる山」比叡山延暦寺についてい知りました。
そして、セミナー前に抱いていた最澄さんへの残念なイメージを改め、「人の幸せを願い、人の無限の力を信じ切った『信念』の天才」であったと、尊敬の念を抱き、真面目に胸熱!!感動!!したワタクシなのでした。
詳しくはこちらご覧ください
▷▷「イチから学ぶ日本の仏教」を受けてみた!~天台宗~
『イチから学ぶ日本の仏教』真言宗
さて!今回は「真言宗」
私にこのセミナーを勧めてくれた会社の先輩は「端的に言えば、真言宗は「空海ファンクラブ」だよ♡」言っておられました。
(語弊あるかもしれませんが、ご了承くださいませ。端的にですから。)
そんな先輩の言葉も頷いてしまうほどに、初心者の私でも知っていました。空海さんはカリスマ的なスーパースターだということを。
空海さんはスーパースター?それともやなやつ?
日本全国には空海が法力にて吹き出させた水源とか、お椀を投げたら海を超えてどこまでか届いたとか、びっくりスーパーマン昔話が。皆さんもきっと目にしたことがあるのではないでしょうか。
「空」と「海」という、小学校2年生が読めるほどに親しみやすく、みんな大好き、元気になっちゃう大自然が名前になっていることからも時代を超えるスター感があります。ことわざにもなっているんだから、多くの人に認知され、愛されていたって頃ですよね。(弘法にも筆の誤り/弘法筆を選ばず)
そんなこんなで日本人として日本列島で生きていたなりに、なんとなく親しみを幼き頃から空海さんに持っていました。
でも、ずっと不思議だったんです、なぜそこまで愛されるのか。
そしてちょっとアレですよ。大人になるほどにですね、輝く成功者への嫉妬が・・・・!?
カリスマスーパースターって、なんかちょっと羨ましすぎて「眩しくて見れない」じゃないですか。「空」と「海」ってみんな大好きな存在を名前にしちゃう「厨二」感。も、うっすら感じたり感じなかったりで・・・・。
そんな「空海って厨二病でやな奴なんじゃないの?」疑惑を払拭するため、今回、須磨寺、小池陽人さんの教えに耳を澄ませました。
※ 今回、オンライン参加に申し込んだものの、当日参加できず、どうしたものかと思っておりましたら、事前申込者だけに期間限定で動画配信がありました。日程が合わず悩んでいる方、後から自分のタイミングで見れるので安心して申し込めますよ!
空海さんの一生
空海さんの生きた時代は、奈良から平安時代。讃岐国多度郡屏風が浦、現在の香川県で生まれたそうです。
幼い頃から神童「とうともの(尊いもの)」を呼ばれた空海は、7歳の時に崖から「僕が衆生を救えるものなら生かしたまえ」と身を投げたという逸話が残ります。
まさに神童
空海さんの生きた時代は、奈良から平安時代。讃岐国多度郡屏風が浦、現在の香川県で生まれたそうです。
幼い頃から神童「とうともの(尊いもの)」と呼ばれた空海は、7歳の時に崖から「僕が衆生を救えるものなら生かしたまえ」と身を投げたという逸話が残ります。
ちなみに、これ、前回の小野常寛先生がおすすめ図書の1つ、漫画「阿・吽」では、地元のえらいおじいちゃんを論破したら、ムカつかれて崖から突き落とされたけど、生きていた。でもおじいちゃんを責めずに、自分から飛んだと答えたという、生まれた時から悟ってるエピソードになっていました。
なんとなく現代人にはその方がしっくりきますよね。だって、なぜに仏や神をわざわざ試すようなことするのでしょう、7歳という無鉄砲な幼さゆえ?パワフル男子あるある、、なの、か!??
大学進学と仏門への道
そんなやんちゃ!?エピソードを地元に残す空海さん、19歳の頃に、当時、日本で1つしかなかった「大学」に入学するというエリートコースを進みます。将来の官僚、日本の中枢で活躍を約束された地位でした。師は、母方の叔父さん阿刀大足、彼のもとで皇族の伊予親王と共に中国の古典や儒教を学んだのだと言われます。
が、しかし。がしかし、空海は、突如、大学をドロップアウトし、仏門に入ります。
この頃は日本国内、蝦夷征討が行われた時代、理想的に国を治める学問を学びながら、それとかけ離れた現状に失望したのではないか・・と小池先生はおっしゃられていました。
親からすれば「(はっ)・・・真魚っっ・・・」って間違いなく絶句もんです。
山での修行
約束された官僚へのレールを外れた空海さん、というか、この時点ではお名前は真魚(まお)さんですね。空海さんの幼名は真魚(まお)なのだそうです。瑞々しいお名前ですよね、現代の感覚で言えば、瀬戸内海に生きる人たちの海への感謝と尊敬の念を感じますが、奈良時代ではどういった感覚なのでしょうか。どちらにせよ、ご両親の愛を感じるお名前です。
ドラ◯もんもびっくり!「虚空蔵求聞持法」
ここで注目!!
「虚空蔵求聞持法」(こくうぞうぐもんじほう)・・・知識を司る、虚空蔵菩薩のご真言を、100日間、100万回唱えると言う修行を真魚(まお)さんは、室戸岬で納めたのだそう。
そして、その暁に、洞窟で修行をしていた真魚(まお)の口に、明けの明星が飛び込むという神秘体験を感得しました、空と海が目の苗に広がる光景とそこから自分の身に入ってくる金星。この経験から「空海」と自らを名付けたのだそうです。
俺まじで空と海、かっこいいと思うから、空と海、名前にするわ!という厨二的な発想ではなく、初めての仏道による神秘体験の感動をそのまま名前されたのでした。すごく失礼な勘違いごめんなさい。
で、この「虚空蔵求聞持法」(こくうぞうぐもんじほう)
を無事に納めると無限の「記憶力」が手に入るのだそうです。
そ、そんな、怠惰な学生が喜びそうな!ドラえもん暗記パン的な!現実にとっても役立つ修行があるなんて・・・!やりたい・・・!(無理)
って、実は知ってました。
ワタクシ森見登美彦先生が好きなのですが、その中の「四畳半神話大系」の中で、退学寸前の京大生がマンダリンをかき鳴らす怪人先輩に「虚空蔵求聞持法」で無限の記憶力が手に入ると唆され、室戸岬を目指すも、ちょっと遠すぎるからと鞍馬山に入り観光している自分に焦ってハイキングロードを外れたら一晩の恐怖体験が・・・という一節がありまして。
そんな馬鹿みたいなものあるもんかと大笑いで読んでいたのですが、今回セミナーでまたお会いしましたね!「虚空蔵求聞持法」さん!と別腹の驚きがありました。
森見先生の博学に驚きつつ、そんな、小説のネタにもなっちゃえるように面白い修行を空海さんが行なっていたなんて。実際、その後の空海さんは「無限の記憶力」があってこそのご活躍をされていきます。
実際に今も「虚空蔵求聞持法」を納めている方々がいるそうなので、ぜひ!体験記を伺ってみたいものです。
こののち、「三教指帰」を執筆されます。
「三教指帰」覚えていますか?きっと高校で習っていますね。ワタクシもその時はなんのこっちゃと思ったけど、空海の一生の流れで言われたらその凄さがわかりました、まじですげぇ。
これは、道教・儒教と仏教の教えを比べ、仏教がいかに素晴らしいか、を、なんと戯曲風に書かれたものだそう。そう、この「三教指帰」をかけた空海は道教・儒教と仏教を他者に教えられるほどに納めていた、ということなんです。そりゃすごいや、当時の日本の誇りですね。
大学受験に出るほどに、すごい。
そんな空海さんですが、この後、しばらく足跡が追えなくなります。これは「空白の7年」と呼ばれています。
空白の7年とは
空海は当時、勝手に得度した「私度僧」でした。
当時の僧侶はいわば国の組織の一部、公務員だったので、得度も国に管理されていました。公的な身分はなく、いわばニートです。
ご家族もさぞや心配されたでしょう、今からでも遅くはない、大学に戻そうと探し回ったこともあったかもしれません。
性薫我を勧めて還源を思いとす。経路未だ知らず。
岐に臨んで幾たびか泣く。
これはこの空白の7年を振り返った空海さんの言葉だと言われています。
「仏道に進む、悟りに向かう自分の役目はわかっている。しかし、その方法がわからない。人生の分かれ道に立って、何度涙したことだろうか」
・・・スーパースター空海さんも、そんな人間らしい苦しみに苛まれていただなんて。
両親を心配させる空海さん
絶対、お母さんやお父さんに泣きつかれたに違いありません。
お願いだから家に帰ってきて、
親戚の叔父さんが都にいい席を用意してくれたそうだから、今なら間に合うから、一緒にこの山から帰ろう。
そして、それを冷たい表情で、断り、一蹴し、
泣きながら帰っていく両親の背を振り切った空海さんも涙していたに違いありません。
人生には正解がない、誰しも暗闇の中、雲の中を家族や信念を頼りに、手探りに少しずつ進んでいくもの・・・ぐっと親近感です。
暗中模索されていた、空海さん、何をしていたかと言いますと、
おそらく「サンスクリット語」「中国語」をマスターしていた、そして日本にあるお経全て読破し暗記していた。間違いない。
なぜなら、これがのちの中国渡航でわかる。(小池先生)とのこと。
そして、山での修行もされていたのだそうです。
空海さんはその100年前に生きておられた修験道の始祖「役小角」を崇敬してらした、間違いない!(小池先生)、吉野から始まる大峯山の奥駆には、空海の扁額が残るそうです。
駆け足でその後の空海さん
だいぶ長くなってしまいました。
これ以降の空海さんの活躍は多少端折ることにいたします。
・遣唐使船に乗る空海さん
・荒波に流され流され、漂流し、やっと辿り着いたけど、国書(正式な日本の外交官一行ですという証明書)がなかったため、中国に入れないご一行
・空海さんが人肌脱いで書いた中国の官吏に向けた文書が素晴らしすぎて認められたけどその官吏に引き留められそうになる空海さん、でも無事、入国。
・密教の本場(青龍寺)にたどり着く空海さん
・が、しかし、いきなり本山(青龍寺)に入らず、密教を学ぶための基礎作りに別の寺で梵字を習う空海さん
・いざ行かん!青龍寺
中国密教の1番偉い人(恵果阿闍梨)が会った途端に、
「遅かったじゃないか、ずっと君を待っていた」と大感激。
なんやかんやあってすぐに、密教の奥義
「金剛界曼荼羅」「胎蔵界曼荼羅」を伝授してもらえちゃう。
(これも、すでにサンスクリット語、中国語、梵字をマスターしていたから!)
・密教の本場で、本物の密教を伝授してもらった空海さん。(正当な使い手。ケンシロウだな。)入滅された恵果阿闍梨が夢枕にたち、
「君に伝授したのは多くの衆生を救うため。早く日本に帰って、その力を衆生のために生かしなさい」と諭される。
天皇に20年頑張ってきてね!20年経たないと帰ってきちゃダメよ!と言われてたけど、これをきっかけに3年で帰国。
・天皇の命令に背いた罪で京都に入れない空海さん
・空海さんの持って帰ってきた密教の秘宝目録を確認した最澄さんが、こんな素晴らしい方はいない、と天皇に進言(したに違いない)無事、都に入り成果を報告。
空海無双!
と、ここから快進撃です。(順不同)
・高野山を作る
・京都の東寺を天皇からもらう
・綜藝種智院を創設
・東大寺の別当になる(偉い人)
人間味あふれる空海さん
高野山が創設されたのちには、当時女人禁制であった高野山の麓まで来てくれたお母さんに、山を降りて週9回も会いに行ったと言った逸話も残ります。
ね・・・
お母さん、どんなに嬉しかったことでしょうね。
あんなに心配したバカ息子が、こんなに立派になって帰ってきて・・・そして自分を思って高い山、聖地からわざわざ自分に会いに何度も会いにきてくれた。もう、これぞ母は人生に悔いはありません、あなたのような優しい子供に出会えて本当によかった。というひとときだったことでしょう。
また、高野山の創設責任者を任された
空海の甥、智泉が若くして亡くなったときにはこのような一文を残しています。(亡弟子智泉が為の達嚫の文)
哀しいかな 哀しいかな
哀れが中の哀れなり
悲しいかな 悲しいかな
悲しみが中の悲しみなり
哀しいかな 哀しいかな また哀しい哉かな
悲しいかな 悲しいかな 重ねて悲しい哉かな
そうだよね、悲しいよね。。
仏門は人々は輪廻転生し、また会えるなんていうけれど、中国で空海に密教を伝えた恵果阿闍梨は、生まれ変わって日本で空海の弟子になるから日本に帰っておくれと言ったと言うけれど。
そして、恵果阿闍梨に密教を教えた師である、不空三蔵が空海の生まれ変わりだと言われているそうです。
でもね!それがわかっていたとしてもやっぱり、今の時代を一緒に生きた人がいなくなり、呼吸しなくなって心臓が止まって冷たくなるのは悲しい。
そしてそれが悲しいとわかる人だからこそ、衆生の悲しみに寄り添え、救う手立てを人生を賭けて取り組み実現できたのでしょう。
空海さんは、835年に高野山の奥之院に入定され、今も、私たちの悲しみの多い人生のために祈りを捧げてくださっています。
空海さんってどんな人?
セミナーを受ける前に「空海って厨二病でやな奴なんじゃないの?」と不敬にも思っていたワタクシ。
小池先生のセミナーを通し、空海さんは素晴らしい能力や信念を持っていたけれど、どこまでも人間らしく愛や悲しみに共感し、理解する。他者の苦しみを真に理解し仏教で1つの答えを提示した偉大な指導者。だと捉え直しました。
もちろん、私が習ったのは「初心者向け!」なので、
今後も書物セミナー動画などで引き続き考察を続けたいと思いますが、おそらく、大筋、人物像として間違っていないのではないでしょうか。(少なくとも当初の厨二病よりは!)
や~~、高野山に行ってみたくなりました。
『イチから学ぶ日本の仏教』。めちゃくちゃ面白いですよ!
※ なお、こちらのコラムは小池先生のセミナーを受けた個人の感想と解釈です。小池先生のお考えとは異なる可能性が大きいため、差し引いてお読みくださいませ。本セミナーは真言宗の教えは「空海」さんの一生を追うことで透けて見えてくるとのことで主に、空海さんの一生についてのセミナーでした。密教の教えは、教えを受ける人がその段階に達していないと理解できない、間違った理解になってしまうとても難しいものなのだそうです。
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巡縁にも真言宗の2大聖地である「東寺」についてのコラムがあります!ぜひご覧ください!
▷▷穴場時間に「ザ・京都」を堪能!東寺の朝のおつとめ「生身供」に参加して、空海さんに会ってきた
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