2026.01.18
前回からお届けしている、京都の日本海側にある元伊勢籠神社と眞名井神社に参拝してみたレポート。後編は、眞名井神社です。
現在では奥宮となっている場所ですが、実は籠神社よりも歴史が古く、より神秘的でスピリチュアルな歴史を持っている場所なのだとか。
古代ロマンあふれる眞名井神社について、詳しくご紹介します。

眞名井神社は、籠神社の奥宮とされる神社。元は「眞名井原」と呼ばれる聖地で、籠神社が建立される以前の縄文~弥生時代の祭祀場(神様を祀る場所)だったとされています。本殿の裏手には古代から信仰の対象とされた巨石の「磐座(いわくら)」が今も大切に残されています。
御祭神は、豊受大神(とようけのおおかみ)。
神代の昔、籠神社の御祭神である彦火明命(ひこほあかりのみこと)が若狭湾の沖にある冠島(かんむりじま)に降り立ち、現在、眞名井神社がある地に匏宮(よさのみや)として豊受大神をお祀りしたのがはじまりと伝えられています。
崇神天皇の時代になると、宮中で祀られていた天照大神が鎮座する地を探す旅に出ます。
道中でこの地を気に入り、吉佐宮(よさのみや)として4年間、豊受大神と共に祀られることとなりました。この二柱の神様が共に暮らしたのは、歴史上初めてのこと。まさに「元伊勢」と呼ばれる所以です。なお、全国に天照大神が住まわれたという「元伊勢」がありますが、天照大神と豊受大神が一緒に住まわれたのは、ここ宮津市の籠神社だけなのです。
やがて、二柱の神がそれぞれ伊勢へ遷座されると、吉佐宮は籠神社として現在の地に遷され、元々吉佐宮があった地は「眞名井神社」となり現在に至ります。
伊勢神宮の外宮に祀られている神様としておなじみの、豊受大神。
古事記では、伊邪那美命(いざなみのみこと)の子である和久産巣日神(わくむすび)の子として登場します。
“ウケ”とは食べ物のことを表し、食物や穀物を司る神様と言われています。そのため、衣食住や産業の守護神と言われており、無病息災や家内安全、商売繁盛や生活安定の御利益を授けてくださいます。
伊勢神宮外宮の社伝によると、伊勢神宮に遷座された天照大神が雄略天皇の夢枕に現れ、「一人では安らかに食事ができないので、眞名井にいる豊受大神を呼んで欲しい」とご神託があったため、豊受大神は眞名井神社から伊勢神宮の外宮へ遷座されました。
眞名井神社は、籠神社の裏手にある山側に鎮座しています。
この神社と同じく、最寄り駅は京都丹後鉄道の「天橋立駅」になります。徒歩だと片道1時間ほど。各交通機関を使うと、以下のようになります。
◎バスの場合:天橋立駅から路線バスに乗車、「神社前」のバス停から徒歩約10分
◎レンタサイクル:駅から天橋立の松並木を通って、約25分
◎観光船:乗船場「天橋立桟橋(駅から徒歩約5分)」から乗船し、「一の宮桟橋」で下船後、徒歩約15分。
与謝天橋立ICを下りて、国道176号・178号を経由して約20分。
籠神社の駐車場に停めたままでも歩けますが、眞名井神社のすぐ近くにも無料の駐車場がありますので、足腰に不安があったり、徒歩に自信がない方は車での移動がおすすめです(後述します)
籠神社の参拝を終え、いよいよ奥宮へ。 筆者はわりと下調べをするタイプなので、「地図上では籠神社と眞名井神社は少し離れているな」と確認済みでした。
しかし、駐車場に戻ると、そこには大きく「眞名井神社」と書かれた、いかにも「すぐそこ」な雰囲気の看板が。「あれ、意外と近いのかも?」と思い、車を停めたまま歩き出したのですが……

歩き出して数分。…正直、わりと、遠い…(汗)
しかも、ゆるやかな坂道。この日は秋だったにも関わらず長い残暑の影響でかなり蒸し暑く、すぐに汗だくに。

しかも、道中には2025年に話題となった「熊注意」の看板!しかし、そこそこ参拝者が多かったので、これだけ人がいれば大丈夫かな、と思いながら進みました。
途中、看板や鳥居があるので迷うことはありません。が、足腰に不安があったり、徒歩に自信がない方は、「すぐそこ」と思わず「しっかり歩くぞ」という心構えで行くのが正解と感じました。



不安を感じながらも歩き続けること10分弱。無事に到着したて眞名井神社でしたが、その清浄さにびっくりしました。空気がピリッと張り詰めていて、まさに「聖域」。
山に囲まれているせいか、涼しい風が吹き抜け、とても心地よい空気が流れています。道中にかいた汗がスッと引き、心のモヤモヤまで消えていくようでした。
拝殿の裏には、縄文時代から続く祭祀場であった「磐座(いわくら)」を拝むことができます。ここが、とにかくすごい。 垣根越しにしか見ることができないのですが、放たれるエネルギーが違います。
途中、隣にいた若い女性が、突然吸い寄せられるように熱心に手を合わせ始めて驚いたのですが、その気持ちもわかるほど。写真では決して伝わらない、古代の祈りの空気を感じる事ができました。
眞名井神社は、狛犬ではなく狛龍が入り口を守っています。眞名井神社は「眞名井の龍」が守護していると言われており、古くから龍神信仰の場でもあったそう。狛龍が持っているのは、それぞれ「潮満珠(しおみつたま)」と「潮乾珠(しおひるたま)」という宝玉。開運を象徴する龍神の姿も、必見です。

眞名井神社の入口には、御霊水がいただけるスポットがあります。
この水は海部家(籠神社宮司家)の3代目・天村雲命が、神様が使っていた「天の眞名井の水」を黄金の鉢に入れて持ち帰ったと伝わる、すごいお水です。

かつては高千穂の井戸にあり、後にこの地へ。さらに伊勢神宮の井戸へと遷されたそうですが、今もこの地でコンコンと湧き出る「天の眞名井の水」をいただくことができます。 容器を持参すれば持ち帰りもOK。ただし、貴重なお水ですので、節度ある量をいただくよう、マナーに注意してくださいね。
「元伊勢」である籠神社と眞名井神社。2社を巡ってから伊勢神宮へ行くと、また違った感謝の気持ちが湧いてきそうだな、と感じました。
なかなか気軽には行けない場所ですが、伊勢神宮のふるさとである2社。ぜひ一度、神聖な空気を感じに、足を運んでみてください。
