2026.10.31
未年となる2027年、人気を集めそうなパワースポットが、羊にまつわる神社やお寺です。
京都・嵐山の「法輪寺」もそのひとつで、境内に羊の像があることで知られています。
「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれ、十三まいりのお寺としても知られる古刹。観光エリアからも少し離れているため、静かにお参りできるスポットとしても人気とのこと。また、紅葉の名所でもあり、京都らしい風景も楽しめるそうです。
そこで今回は、羊の像に会いに法輪寺へ参拝してきた様子をお届けします。
法輪寺は、京都市西京区にある真言宗五智教団の総本山。本尊は、日本三大虚空蔵のひとつに数えられる虚空蔵菩薩です。智恵を授ける仏として信仰され、「嵯峨の虚空蔵さん」の通称で知られています。
その起源は古く、古代からこの地にあった「葛野井宮」という三光明星尊をお祀りしたお社がルーツといわれています。奈良時代になると、元明天皇の勅願により行基が堂塔を建立。さらに平安時代になると、弘法大師の高弟である道昌が虚空蔵尊像を安置し、それから間もなく清和天皇が名を「法輪寺」と改めたそうです。
嵐山のシンボルである渡月橋からほど近い場所にありますが、この渡月橋は道昌が大堰川を修築した際に架けた橋が始まりとされています。そのため、江戸時代までは「法輪寺橋」と呼ばれていました。
京都では、数え年13歳になった子どもが大人の知恵を授かりに参拝する「十三まいり」の風習があり、法輪寺はその参拝先として広く知られています。また、縫い針を供養する「針供養」でも有名です。
境内には、立派な羊の像が安置されています。これは本尊である虚空蔵菩薩のお使いが「火羊」とされており、また化身でもあるとされているからだそう。
十二支の「未」が表す方角は南南西。五行説では基本的に「土」に属しますが、夏の終わりにあたり、火の気とも関わりがあるとされています。
また、本堂の前には、右に虎、左に牛の石像が安置されています。虚空蔵菩薩は丑年・寅年生まれの方の守り本尊とされており、こちらも干支にゆかりのある像です。
境内には、電気・電波を守護する鎮守の社「電電宮」がまつられています。
その昔、法輪寺で修行していた道昌が、百日間の求聞持法(ぐもんじほう)を修め、満願の日に井戸で水を汲んでいると、天空から明星(金星)が降りそそぎ、虚空蔵菩薩が現れたと伝えられています。そのことから「電電明神」を主神とする「明星社」が、鎮守社のひとつとして奉祀されたそうです。
その後、社は禁門の変で焼失しましたが、1956年に電気・電波関係業界の発展を祈願して「電電宮」として新たに奉祀。現在では電気やテレビ関連、IT企業に勤める人々から信仰されており、電気関係事業の発展と無事故安全を祈願する「電電宮大祭」も開催されています。
法輪寺は京都の人気観光地・嵐山エリアにあり、渡月橋から徒歩5分ほどの場所にあります。
京都駅から約10km。
山門下に駐車場あり(普通車約20台・料金1,000円)。
※交通状況や駐車料金などは変更される場合があります。参拝前に最新情報をご確認ください。



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京都を訪れたのは、台風が近づいているという雨の日。時折、土砂降りになるような空模様でしたが、嵐山はいつも通り多くの人であふれていました。
ところが、法輪寺の境内に入ると、様子は一変します。雨音だけが響く、とても静かな空間。渡月橋からすぐの場所なのに、少し入っただけで静寂の京都を味わえて、何だかとても得した気分です。
山門前の駐車場に車を停めて、早速参拝へ。その山門が、とても立派で、びっくり。さすがは真言宗五智教団の総本山です。門の先には、そこそこ長い石段が続きます。立派な青紅葉が広がり、雨に濡れた緑と階段が映える、まさに古都・京都という雰囲気です。
石段のすぐ隣には、電電塔という石灯籠のようなものがありました。塔をはさんで左右には、なぜかヘルツとエジソンのレリーフがあります。下調べをせずに訪れたため、「なぜお寺にこの二人が?」と不思議に思いつつ、石段を登っていきます。すると、途中には、電波の神様をまつる社もありました。あとでゆっくり解説を見よう、と思いつつ、まずは本堂へお参りすることにします。



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石段を上がり切ると、すぐ右手に羊の像がありました。思っていた以上に大きく、存在感があります。かなりリアルなタイプの像で、思わず何枚も写真を撮ってしまいました。
この羊の像は、虚空蔵菩薩の使いであり化身とされていて、触れると智恵を授かるといわれているそう。ただ、しっかり柵で囲まれているので、触るのは少しはばかられました。
頭が良くなればよかったのですが、当面は現状維持のまま過ごすことにします。
羊の像に加えて、こちらには別の動物もいます。本来狛犬がいるはずの位置にいるのは、何と右手に虎、左手に牛!なぜ虎と牛が?後から調べて知りましたが、前述の通り、本尊の虚空蔵菩薩が丑年・寅年生まれの方の守り本尊だから、とのこと。
丑年の方、寅年の方、もちろん未年の方も、ちょっと嬉しくなるお寺ですね。




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本堂もとても立派な佇まいで、雨の中でも風格を感じました。お参りの前に線香をあげたのですが、その方法が少し変わっていました。中央に火種があり、そこに線香をブスッと差し込むと、やがて火がつく仕組みです。
手をかざしてみたものの、ほんのりあたたかいくらい。これで本当に火がつくのかな?と思いつつも、信じて線香をブスッと刺します。数秒後に取り出してみると……本当に煙が!昔からの方法なのでしょうが、かえって新しさを感じました。
本堂の左側には、大きな多宝塔があります。多宝塔とは、方形の下層に円形の上層を重ねた二重の塔で、昭和17年(1942年)に建立されたものだそう。残念ながら中に入ることはできませんでした。


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参拝後は、御朱印をいただきました。通常の御朱印に加えて、9月限定なのか、重陽の節句に合わせた菊人形柄の切り絵御朱印もありました。とても上品な雰囲気で、こちらをいただくことに。
ふと見ると、茱萸袋(ぐみぶくろ)という授与品が頒布されています。これは平安時代から続く風習に関するもので、9月9日の重陽の節句にスパイシーな強い香りを持つ呉茱萸(ゴシュユ)を袋に入れ、菊の花を添えて身につけたり、高い所に登ったりすると災難や邪気が祓える、というものだとか。
さすが京都、平安時代から続く風習が、現代にもまだまだ残っているって、ステキですよね。



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最後に、石段の途中にある電電宮にも戻り、参拝をしました。全国的にも珍しい、電波の神様とのこと。巡縁も電波に乗せて皆様にお届けしているものなので、無事故でステキな情報をお届けできるようにとお祈りしてきました。
参拝を終えると、後ろには傘を持った一人の男性が待っていました。会釈しあってすれ違うと、階段から若い男性が一人で登ってきているのが見えました。
ここで気づいたのが、境内の参拝者の顔ぶれです。この方々を含めて、数人の参拝者とすれ違いましたが、全員が男性の一人参拝でした。もちろん巡礼などは男性一人も少なくないですが、京都のお寺でこういう風景はかなり珍しい。やはり、電波の神様がいるから、電気・通信業界で働くエンジニアの方が多いのでしょうか。確かに皆さん、どことなく理系な雰囲気です(笑)。
奉納者の名前も、IT関連や電気関係の企業ばかりで、とても興味深かったです。




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無事に参拝を終えたあたりから雨が強くなってきたため、慌てて車に戻りました。
しばらく走っていて気づきました……授与していただこうと思っていた変わったお守りと、噂のおみくじを忘れた!!!!
まず、変わったお守りは、実際に使えて、悪いものから電子機器を守ってくれるというもの……その名も「マイクロSD御守」!その名の通り、本当に使えるマイクロSD型のお守りなんですっ。法輪寺のご本尊である虚空蔵菩薩が入ったお守り……欲しかった!
さらに、おみくじは「電電みくじ」といって、剣とボールの形をしたものに同時に触れると、微弱な電波が流れて数字が浮かび上がるというかなり変わったもの。こちらは恋みくじで、一人でも二人でも楽しめる、とのことです。
どちらも欲しかったので、本当に残念!しかし、これはまた参拝に来いということだと、前向きにとらえることにしました。今度はぜひ、未年に行ってみたいです。
2027年に向けて、羊の像に会いに訪れた嵐山の法輪寺。雨の日でも相変わらず嵐山は人であふれていましたが、境内はとても静かで、古都らしい境内をゆっくり参拝することができました。
渡月橋から徒歩5分ほどと、嵐山観光とあわせて立ち寄りやすい場所にあります。2027年の初詣に、羊の像に会いに行く参拝先としてもおすすめのお寺でした。

Dera
「巡縁」では関西方面を担当。寺社仏閣巡りと御朱印集めが趣味。クラフトビールに目がない。