2025.12.08
今年も残すところあと少しとなりました。
初詣にも多くの参拝者が訪れる川崎大師(かわさきだいし)をご紹介します。
今回はじめて足を運んだので、写真と一緒にその魅力をたっぷりとお伝えしていきます。
大本堂の荘厳な姿、参道に響くトントンという飴切りの音、門前から漂う線香の香り。
境内だけでなく、駅から続く参道や仲見世まで含めて楽しめるのも、川崎大師の大きな魅力です。
「厄除けのお大師さま」として名高い川崎大師。
900年近く受け継がれてきた信仰や境内に残るさまざまな歴史に思いを寄せながら、ゆっくりと歩いてみましょう。
編集部メモ
巡縁しらべでは、2025年全国初詣ランキング 第3位の川崎大師さんです!
川崎大師平間寺(へいけんじ)は、神奈川県川崎市にある真言宗智山派の大本山。
「厄除けのお大師さま」として、全国から篤い信仰を集めています。
開創は大治3年(1128)。
その始まりには、平間兼乗(ひらまかねのり)という人物の物語が伝えられています。
川崎大師の縁起によれば、平間兼乗は無実の罪によって生国を追われ、現在の川崎付近で漁をしながら暮らしていました。
42歳の厄年を迎えたある夜、夢枕に高僧が現れ、そのお告げに従って海に網を入れると、海中から弘法大師自刻と伝えられる御尊像を引き揚げたといいます。
兼乗が御尊像をお祀りし、日々供養を続けたところ厄が除かれ、無実の罪も晴れて生国へ戻ることができたと伝えられています。
その後、諸国を巡っていた尊賢上人(そんけんしょうにん)とともに一寺を建立。
これが現在の川崎大師平間寺の始まりとされています。
以来、厄除けの信仰を集め、江戸時代には第11代将軍・徳川家斉も厄除け祈願のため参拝。
そのことをきっかけのひとつとして、江戸庶民の間にも「厄除けのお大師さま」として広く知られるようになりました。

さらに明治時代になると、川崎大師への参詣と鉄道の歴史が深く結びついていきます。
現在の京急電鉄の前身である大師電気鉄道は、明治32年(1899)1月21日、川崎大師の縁日に合わせて六郷橋-大師間で営業を開始しました。
これは営業用電車として関東で初めて、日本で3番目の開業でした。
川崎大師への参詣は、鉄道による寺社参詣が広がっていく近代の歴史とも深く関わっています。
現在も正月には全国から多くの参拝者が訪れる、全国屈指の初詣寺院として知られています。
編集部メモ
川崎大師は2027年に開創900年を迎えます。2027年5月1日~10日には「開創900年大祭」が予定されています。参拝予定の方は最新情報を公式サイトでご確認ください。
川崎大師のご本尊は、厄除弘法大師(やくよけこうぼうだいし)。
弘法大師空海は、平安時代初期に真言密教を日本に伝え、真言宗を開いた僧です。
川崎大師では、平間兼乗の厄除けにまつわる開創縁起とともに、古くから厄除けの信仰が受け継がれてきました。
現在も毎日、御本尊・厄除弘法大師のご宝前で、厄除けをはじめ家内安全・商売繁昌など諸願成就を祈る護摩祈祷が行われています。
ここからは、実際に川崎大師を歩きながら、写真とともに見どころをご紹介していきます。
境内だけでなく、参道や仲見世にもさまざまな魅力があります。
時間に余裕を持って、ゆっくり巡ってみてください。

京急川崎駅から京急大師線に乗り、川崎大師駅で下車。
ここから川崎大師までは徒歩で向かうことができます。

表参道から仲見世商店街へ。
名物の久寿餅(くずもち)や飴を売る店が軒を連ね、活気ある雰囲気を楽しめます。
特に、トントンとリズミカルに響く飴切りの音は、川崎大師の仲見世を代表する風景のひとつ。
参拝前から、門前町ならではの空気を楽しむことができます。
仲見世を抜けると姿を現すのが、大山門です。
昭和52年(1977)に建立され、四方には持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王像が奉安されています。

大山門は、堂塔伽藍を囲む「浄域結界」の総門。
ここをくぐると、いよいよ川崎大師の中心となる境内へと入っていきます。
境内に入ってまず目を奪われるのが、大きな大本堂です。

現在の大本堂は、昭和39年(1964)5月に落慶しました。
堂内には御本尊・厄除弘法大師を中心に、不動明王、愛染明王などの諸仏が奉安されています。
大本堂では毎日お護摩が修行され、厄除けをはじめとするさまざまな祈願が行われています。

手水舎で手を清めたら、献香所へ。
線香をお供えし、煙と香りに包まれながら大本堂へ向かいます。

大本堂では、
「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」
とお唱えして、静かに手を合わせてお参りします。

神社のように拍手はせず、合掌してお参りしましょう。
また、大本堂では毎日護摩祈祷が行われています。
厄除けなどのお護摩祈祷を希望する場合は、受付所で申し込むことができます。

大山門をくぐって左手に、ひときわ美しくそびえ立っているのが八角五重塔です。

昭和59年(1984)、弘法大師1150年御遠忌と吉例大開帳を記念して建立されました。
八角形は円に近い形であることから、川崎大師では「包容力」「完全性」を象徴するものとして説明されています。
特徴的な八角形の塔は、境内でもひときわ目を引く存在です。
内部は、3月21日から12月21日までの第1日曜日と、毎月21日のご縁日などに拝観することができます。
※行事等により変更される場合があるため、拝観予定の方は公式情報をご確認ください。
境内の奥へ進むと、鮮やかな朱色のやすらぎ橋が現れます。

川崎大師では、古くから朱色には災難を除き、幸福を招く意味があるとされています。
欄干には梵字が刻まれており、
発心 → 修行 → 菩提 → 涅槃
という、悟りへ向かう段階を表しています。

橋を渡った先には、降魔成道釈迦如来像(ごうまじょうどうしゃかにょらいぞう)や薬師殿があります。

境内の奥には、白い外観が印象的な薬師殿があります。

薬師殿には、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)や十二神将などが奉安されています。
堂内には「なで薬師」もあり、身体健全や病気平癒を願い、自分の身体の気になる部分と同じところを撫でて祈願します。

また、こちらでは川崎大師オリジナルの写仏「彩色仏画」を体験できることも。
実際の仏像の写真を参考にしながら、色鉛筆を使って仏画に彩色していきます。
建物の前には広々とした芝生もあり、大本堂周辺とはまた違った開放的な雰囲気です。
こちらは、お遍路を修行する弘法大師の姿を表した遍路大師御尊像です。

遍路大師の足元には献水をする場所があり、健康や健脚を願って水をお供えします。
毎年9月には、遍路大師に報恩感謝を捧げる年祭も執り行われています。
広い境内には、このほかにも経蔵、日本百観音霊場お砂踏み参拝所、力石など、さまざまな見どころがあります。

さらに境内を歩いていると、さまざまな碑や像にも出会います。
松尾芭蕉や正岡子規に関わる句碑、第五十五代横綱・北の湖敏満の像など、一つひとつ見ていくと、川崎大師が積み重ねてきた歴史の広がりを感じることができます。
四季折々の花や緑も楽しみながら、ゆっくりと歩いてみてください。

まだまだ紹介しきれない場所があります。
境内だけでなく仲見世までじっくり巡るなら、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。
川崎大師では、大本堂、不動堂、薬師殿、自動車交通安全祈祷殿などで、それぞれのお堂の御朱印をいただくことができます。
まずは大本堂へお参り。

境内には不動明王を祀る不動堂や、先ほど紹介した薬師殿もあります。

さらに境内から少し離れた場所には、自動車交通安全祈祷殿があります。
こちらでも参拝にあわせて御朱印をいただくことができます。

御朱印をいただく際には、それぞれのお堂へお参りしてから受けるのがおすすめです。
各お堂の歴史や祀られている仏様を知りながら境内を巡ると、参拝の楽しみもさらに広がります。
参拝の後には、仲見世商店街を楽しみましょう。

川崎大師名物の久寿餅や飴など、気になるものがずらり。
いっぱい歩いた後に味わう甘いものも、参拝の楽しみのひとつです。
お参りをするのもよし。
仲見世で食べ歩きを楽しむのもよし。
お土産を探しながら歩くのもよし。

駅から川崎大師へ向かう道のりそのものを、ぜひ楽しんでみてください。

最後に番外編として、川崎大師のかわいいキャラクターもご紹介します。
その名は「ひらまくん」。

川崎大師の開創に深く関わる平間兼乗の子どもの頃をモチーフにした公式キャラクターです。
デザインを手がけたのは、奈良県の「せんとくん」などでも知られる彫刻家・籔内佐斗司さん。
境内を歩いていると、あちらこちらでその姿に出会います。
一番初めに紹介した大本堂の写真にも、堂々と写っています。
ひらまくんがデザインされた御朱印帳などもありますので、参拝の際にはぜひ探してみてください。

川崎大師駅には、もうひとり気になるキャラクターがいます。
京急電鉄のマスコットキャラクター「けいきゅん」です。

駅周辺には、京急電鉄の前身である大師電気鉄道の歴史を伝える「京浜急行発祥の地」の記念碑があります。
明治32年(1899)、川崎大師の縁日に合わせて六郷橋-大師間を走り始めた大師電気鉄道。
現在の京急電鉄の歴史は、川崎大師への参詣と深く結びついたところから始まりました。
お寺の歴史だけでなく、鉄道の歴史まで感じられるのも川崎大師周辺のおもしろいところ。
駅を降りたらすぐに参道へ向かいたくなりますが、少し周りを見渡して「けいきゅん」も探してみてください。
「厄除けのお大師さま」として、900年近くにわたって信仰を集めてきた川崎大師。
その始まりには平間兼乗の厄除けにまつわる縁起があり、現在も大本堂では毎日、護摩祈祷が行われています。
一方で、境内を歩いてみると魅力は厄除けだけではありません。
大本堂や八角五重塔、薬師殿などの諸堂を巡り、仲見世では久寿餅や飴を楽しみ、駅まで戻れば川崎大師への参詣とともに発展した鉄道の歴史にも触れることができます。
そして2027年、川崎大師は開創900年という大きな節目を迎えます。
初詣はもちろん、季節を変えてゆっくり境内と門前町を巡ってみるのもおすすめです。
ぜひ、長い歴史の中で受け継がれてきた川崎大師の信仰と、今も変わらない仲見世の活気を体感してみてください。

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