美味しい“修行”で仏教に親しむ。都内おすすめスポット3選も!都内のお寺で「精進料理」

美味しい“修行”で仏教に親しむ。都内おすすめスポット3選も!都内のお寺で「精進料理」

2024.10.17

私たちが毎日、何気なく食べている食事。当然のようにお肉やお魚が使われていますが、それは「命をいただく」という行為です。しかし、外食やスーパーに並んだ食材では、そんな気持ちをつい忘れてしまいますよね。

そこで体験したいのが、精進料理です。精進料理とは動物性の食材を使わない、仏教の戒律に従った食事のこと。最近ではベジタリアンやビーガンの人、健康志向の人たちからも、ヘルシーフードとして注目されています。

そんな精進料理を、東京都内の、しかもお寺の中でいただけると聞いて、巡縁女子たちを招集!おいしいごはんをいただきながら、仏教を身近に感じる体験をしてきました。

 

そもそも精進料理とは?

精進料理は、仏教の戒律に基づいて、肉や魚、さらに特定の植物を使わないで作る食事のこと。元々は中国の修行僧の食事だったものが、6世紀に仏教とともに伝えられました。その後、鎌倉時代に曹洞宗を興した道元が「食事を作ることも食べることも修行のうち」と説き、現在のように作る側も食べる側も修行の1つであるという精進料理の形が出来上がりました。

精進料理には、いくつかの決まりごとがある。

精進料理には、使ってはならない食材があったり、基本の形があったりと、いくつかのルールがあります。

 

使用できない食材は?

精進料理では、大きく分けて2つの食材を使わずに作るのがルール。

1つ目は、三厭と呼ばれる動物性の食材。肉や魚、卵などが該当します。仏教では殺生が禁じられているため、肉食が禁止されています。そのことから、精進料理ではこれらの食材を使うことができません。

2つ目は、五葷と呼ばれる植物。ネギやタマネギ、ニラやニンニクなどが該当します。これらの食材は臭いが強く、煩悩を刺激するために使用が禁じられているそうです。

 

一汁一菜または一汁三菜が基本。

精進料理の基本的な形は、一汁一菜または一汁三菜です。一汁一菜は、ごはんと汁物と、おかずが1品。一汁三菜はこれにおかずが2品加わって3品となります。

 

5つの色、5つの味を、5つの調理方法で。

精進料理には、五色、五味、五法という言葉があります。これは、5色(赤、青、白、黄、黒)の食材を使って、5つの味付け(甘い、酢っぱい、塩っぱい、渋い、辛い)にして、5つの調理法(生、焼く、蒸す、煮る、揚げる)で作る、というものです。これらがすべて備わってはじめて精進料理である、と言われています。

 

東京練馬で正統派精進料理が食べられる!圓照院内にある「泉竹」へ

都内にはいくつか精進料理が食べられるお寺がありますが、今回は私が勤めるお寺でご縁があった泉竹さんにお邪魔しました。

泉竹は明治4年に京都で創業した日本料理店。会席料理・茶懐石料理もいただける和食料亭ですが、精進料理を作る際は調理道具を一式変えているという程、徹底した姿勢を貫いているそう。元は世田谷で営業されていましたが、ご縁があり、練馬区にある圓照院という寺院内に移転されたとのことでした。

泉竹についての詳細情報はこちら!

圓照院の詳細情報はこちら!

 

古刹・臨済宗円満山広徳禅寺と、その塔頭「圓照院」とは

泉竹がある圓照院は、臨済宗の古刹・円満山広徳禅寺の塔頭(小院)です。広徳禅寺は戦国時代に北条氏に関係して創建した寺院で、江戸時代には地口に「びっくり下谷の広徳寺」と詠まれたほど有名な大寺院でした。大正時代の関東大震災により、広徳寺別院として練馬に遷座。現在の建物は1927年に再建されたものとのことです。

 

本当にお寺の中でいただく本格精進料理!

伺った当日は、残念ながら雨。駅から少し遠いので、今回は巡縁メンバーの1人が車を出してくれました。もし公共交通機関で行くなら、有楽町線の氷川台駅から徒歩15ほどだそうです。

玄関を入ると、お寺らしいとっても良い香りがお出迎えしてくれました。これだけで、テンションが上がります。禅寺らしい趣があるお庭を見つつ進むと、途中にまさかの本堂が!一礼してさらに進み、和室のゆったりした個室へ。畳のお部屋ですが椅子席だったので、ゆったりとお食事をいただけました。

ランチだけのオトクな裏技

泉竹の精進料理は、8800円からとちょっぴり敷居が高いのですが、実はお昼にだけ使える裏技があります。それは、昼懐石を精進料理にしていただく、というもの。それだと、5000  円から精進料理を体験することができます。今回は、昼懐石の「花」を精進仕様にしてくださいとお願いしました。

 

植物性の素材だけで作られた美味しい料理に舌鼓

静々と運ばれてきたお膳は、とにかく魅力的!3段の玉手箱に入ったかわいい見た目で、開いていくと美しく盛り付けられた精進料理たちが次々と出てきます。伺ったのが初夏だったのですが、旬のお野菜がたっぷり使われていて、目にも口にも美味しい♡お出汁がしっかりしているので、動物性のものを使っていなくても十分満足できます。何よりも、美しい庭園を見ながら、禅の空間でいただくお食事は、体だけでなく心にも栄養を与えてくれた気がしました。

 

都内の寺院内で精進料理がいただけるお店

都内には、泉竹さん以外にも、精進料理がいただけるお店があります。おすすめの精進料理がいただけるスポットを3軒ご紹介します。どちらも予約が必要なので、事前にご確認ください。

 

築地本願寺 紫水

銀座にほど近い、浄土真宗の寺院・築地本願寺。その境内にある日本料理店「紫水」(しすい)では、京都の西本願寺の「お斎膳」に、中国式の精進料理である「普茶料理」の要素を取り入れたという独特の精進料理がいただけます。

日本料理店「紫水」(しすい)の公式HPはこちら!

築地本願寺の詳細情報はこちら!

 

高尾山薬王院

行楽やハイキングでおなじみの高尾山。その山頂近くにある薬王院内でも、昼食に精進料理がいただけます。小皿にのったお料理がたくさん並んだ精進料理は、見た目も華やかでいただくのが楽しくなりそうです

高尾山薬王院の精進料理についてはこちら!

高尾山薬王院の詳細情報はこちら!

尼寺・三光院

小金井市にある三光院は、臨済宗の尼寺。こちらでいただけるのは、竹之御所流の精進料理です。竹之御所とは京都・嵯峨野にある皇女が門跡となる尼寺。質素でありながらも気品あるお料理を堪能してみてください。

三光院の竹之御所流精進料理についてはこちら!

三光院についての詳細情報はこちら!

 

まとめ

食べることは、生きる上で欠かせない行為。精進料理をいただくことで、今一度、「食べる」ということ、「命をいただく」ということを見つめなおしてみるのはいかがでしょうか。

ページトップ