2026.10.16
蔵王権現さまの忿怒の表情の奥に宿る「恕のこころ」。
その言葉は、今も広がり続けています。
そしていよいよ今年、りてん先生が長年見守り続けてきた権現さまと吉野・大峯が、大きな節目を迎えました!

吉野大峯特別展のポスター
本当にすごかったですね。
私が行ったときなんて、博物館の裏手まで大行列ができていて、びっくりしました。
そうかもしれないですね。
ですが……
今回の「吉野大峯特別展」には、実は私、一ミリも関わっていないのです!

奈良国立博物館での慶讃大護摩供
史上初めての試みだったわけですよね。
実は私も、テレビのその特集を見て、吉野大峯特別展に足を運びました。
これを逃すと、女性の私はもう二度と会えないかもしれない仏様ですもんね。
そうですね。
そうした多くの方々の尽力により実現した展覧会。
会場で、大峯山寺の権現さまの前で一心に手を合わせるたくさんの女性たちの姿を目にしたとき、「あぁ、大峯も大きく変わる時代が来たのだ」と確信しました。
まさに「山上の権現さま自らが動かれた」と感じた瞬間です。
そうですね。
金峯山寺も現内局にかわり、
「蔵王一仏~万民安楽とも祈り」運動が実践されるに及んで、秘仏ご開帳を定期的に行ってきた金峯山寺の権現さまだけでなく、いよいよ、山上本堂の権現さまもまた、大きく動き出されたのです。
蔵王権現秘仏ご開帳も新しいフェーズに入ったと感じました。
権現さまは明治の神仏分離・修験道廃止という法難によって、その信仰を禁止され、全国にあったあらゆる権現さまの、そのほとんどが隠されることになりました。
それがようやく、
150年の時を超えて、世に大きく出られることになったのだと、私は知っています。
役行者のミッションが、権現さまを動かし、権現信仰の復興を果たされる時代の幕開けを告げておられます。
そのことをお伝えして、本稿、秘仏ご本尊降臨秘話の最後といたします。
命がけの決断から始まった定期ご開帳は、
奇蹟の電話、発露の間、430年ぶりの修理、そして史上初の試みへ……
すべては権現さまのご意志のもと、
ひとつの大きな流れとしてつながっていました。
この連載を読んで吉野の蔵王権現さまに会いに行くと、また違った目線で、あの青黒く輝くお姿が心に迫ってくるかもしれません。
ぜひ「発露の間」で、
しばし手を合わせてみてください。

田中 利典
京都府綾部市・林南院住職。金峯山寺長臈、種智院大学客員教授。1955年京都府生まれ。龍谷大学、叡山学院卒。修験道の歴史や祈り、受け継がれる文化を、誰もが親しみを持てる言葉で伝えている。
国宝・仁王門の大修理勧進のため、国宝・蔵王堂の秘仏ご本尊
「金剛蔵王大権現」が特別ご開帳されます。
※法要などにより、一時的に入堂が制限される場合があります。
⛰️ 修行体験をしてみたい方はこちら
金峯山寺では、修験道の世界にふれられる体験修行を公式ホームページで紹介しています。5月から10月の毎月一回、一般の方を対象に大峯修行体験が開催されており、女性が参加できるコースも設けられています。大峯山での修行に興味のある方は、ぜひご覧ください。