2026.10.10
2026年10月3日(土)、京都市京セラ美術館で『禅とジブリ』京都展が開幕しました。会期は12月6日(日)まで。企画展を見て「もっと禅に触れてみたい!」と感じた方におすすめなのが、禅寺への参拝です。というのも、会場のある京都は名だたる禅寺が集まる古都でもあり、展覧会にあわせて市内の複数の寺院で関連企画が行われています。
今回はそんな数ある禅寺の中から、「南禅寺」「相国寺」「妙心寺」の3か寺を訪ねてきました。
実はこの3か寺では、ジブリ作品とコラボした限定の特別御朱印を授与していただける企画が開催されていたのです。大人気により特別御朱印をいただける「特別御朱印受付証付きチケット」は、初日の時点ですでに完売してしまった様子ではありますが、展覧会とあわせて巡る禅寺としては、どの寺院もおすすめです!
また、『禅とジブリ』京都展のチケット(半券可)を対象寺院の拝観時に提示すると、オリジナルの禅語のしおりをいただけます。(電子チケットの場合は、QRコードの提示)
そこで今回は、実際に歩いて感じた各寺院の見どころやアクセス情報をご紹介します。展覧会の前後のお出かけプランに、ぜひお役立てください!
『禅とジブリ』は、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、龍雲寺の細川晋輔住職、円覚寺の横田南嶺管長、福聚寺の玄侑宗久住職ら禅僧と語り合った対談をまとめた著書です。
鈴木プロデューサーの体験や、宮﨑駿監督・高畑勲監督との映画づくりの経験などを交えながら、ジブリの名作を禅の視点から読み解いていく、という内容で、今回の展覧会はこの1冊の書籍から生まれました。
禅とジブリは一見意外な組み合わせですが、ジブリ作品には、善悪をきれいに二分しない多義性や、答えを急がない余白があります。わからないことはわからないままに受け取る姿勢も、作品のあちこちに感じられます。これは、禅が大切にする「分けない」「決めつけない」「ありのまま観る」という考え方と響き合うそうです。
展覧会は、禅の知識がなくても楽しめる構成です。『君たちはどう生きるか』の世界を中心に、立体造形や名セリフ、場面写真を通して、ジブリ作品から自然と禅に触れることができます。
最初に訪れたのは、南禅寺です。『禅とジブリ』展が開催されている、京都市京セラ美術館から歩いて行けます。3か寺を巡る時間はない!という方は、こちら1か寺だけでもおすすめです。
琵琶湖疏水が流れる脇道をゆっくり歩くと、15分ほどで到着します。参道は塔頭や料亭、湯豆腐店や古民家カフェなどが並んでいて、こちらも趣深いです。
南禅寺は、京都市左京区にある臨済宗南禅寺派の大本山。正応4年(1291年)、亀山法皇の離宮を禅寺に改め、大明国師を開山に迎えて創建されました。創建当時の建物は応仁の乱の兵火で焼失し、現在の伽藍は桃山時代以降に再建されたものです。
境内には、高さ22mの三門、御所の殿舎を移築した国宝の大方丈、小堀遠州が作庭したと伝わる方丈庭園など、見どころがたくさん。狩野永徳や探幽ら狩野派の襖絵は、重要文化財に指定されています。
境内に入ると、まず目に入るのが堂々とした三門。京都を舞台にしたドラマでもおなじみで、「ザ・京都」といった雰囲気です。この三門は実際に登ることができ、京都の町並みや境内を一望することができます。階段が急なので、上り下りは気をつけてください。
再び参道に戻ると、こちらもザ・京都な雰囲気。どの角度を切り取っても、禅寺らしいかっこいい寺院だな~と感じました。
門から奥に進んでいくと法堂があり、そのさらに奥には方丈があります。御朱印は、この方丈の入口でいただきます。禅語のしおりは、方丈の入場券を購入する際、あわせていただきました。
方丈には、枯山水の美しい庭があります。本当に水が流れているように感じられて、縁側に座ってぼーっと眺めていたくなりました。そして私のイチオシが、茶席。少し薄暗い室内で、滝の音を聞きながらまったり過ごせます。水の音だけに耳を傾けて、ゆっくりとお茶を味わう。かなり贅沢な禅の時間を過ごすことができました。
南禅寺と言えば、忘れず訪れたいのが、「水路閣」です。赤レンガのアーチが連なる、サスペンスドラマなどでおなじみのスポット。琵琶湖疏水の水路橋だそうで、なんと現役で使われているそう。レトロなレンガと木々のコントラストは、お寺の中とは思えないほどかっこよくて、つい写真を撮りまくってしまいました。











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電車・バスの場合
・地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩10分
※「ねじりまんぽ」と呼ばれる隧道を抜けると境内への近道だそうです。
・市バス「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」から徒歩約10分
車の場合
・京都駅より約6.5km
※中門と南禅会館近くに駐車場あり(有料)
南禅寺を後にして、京都御苑方面へ向かいます。同志社大学のキャンパスが広がるエリアに、2か寺目となる相国寺があります。実は私、ずっと読み方を間違えて「そうこくじ」と呼んでいました。正しくは「しょうこくじ」です。お恥ずかしい……
相国寺は、京都市上京区にある臨済宗相国寺派の大本山。足利義満が永徳2年(1382年)に禅寺の創建を発願し、翌年に「萬年山相國承天禅寺」と寺号が定められ、夢窓疎石を開祖としました。
応仁・文明の乱や度重なる火災で焼失と復興を繰り返し、現在の法堂は豊臣秀頼の寄進で江戸時代初期に再建されたもの。現存する法堂では日本最古のものとして、国の重要文化財に指定されています。
京都五山の第2位に数えられる名刹で、金閣寺(鹿苑寺)や銀閣寺(慈照寺)が山外塔頭にあたることでも知られています。
ナビの地図を頼りに進むと、同志社大学の構内(正しくは大学と女子大学の間)を突っ切るような道に入るよう案内されます。今出川御門という交差点ですが、その奥を見ると、確かに相国寺の門が見えました。
ネットで調べたところ、駐車場は「なし」という情報が多数ありました。しかし、参道の奥の方にPの文字が見えたため、一度車を停めて警備員さんに尋ねると、参拝であればどうぞとご案内いただけました!
なんとなく罪悪感を覚えつつ、参道を徐行で進みます。この参道から、すでにかっこいい!まさに、「禅寺」という雰囲気に、圧倒されました。
※駐車場については相国寺公式サイト内でも案内が異なるため、最新情報をご確認ください。
見どころは、日本最古の法堂建築。現存する法堂のなかで最も古く、天井には狩野光信筆の「蟠龍図」が描かれています。ダイナミックな天井絵に、居合わせた外国人観光客の方が「Oh,God!」と言っていて、たしかにっ!と思いました。まさに、神業。仏前ですが。
この龍は、決まった場所で手を打つと音が共鳴する「鳴き龍」として知られています。ポイントには足形が書かれていて、実際にそこに立って手を打ってみると、パンっという手の音がほわわわわ~と室内に広がり、本当に龍が共鳴しているようでした。
限定の御朱印は、法堂見学の受付でいただけました。禅語のしおりは、公式案内では開山堂入口でいただけます。
しおりをいただいたら、お庭を見学です。方丈の前庭は、「無」の境地を表しているそうです。余計なものをそぎ落とした景色は、いかにも禅らしくてステキでした。








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電車・バスの場合
・地下鉄烏丸線「今出川駅」下車、徒歩8分
車の場合
・京都駅より約5.5km
※今回は駐車できましたが、毎回利用できるとは限らないとのこと。入る前に警備員さんへ一声かけてみてください。
※駐車場については相国寺公式サイト内でも案内が異なるため、最新情報をご確認ください。
最後は、妙心寺です。再び恐る恐る参道を走って大通りに出たら、一路嵐山方面へ車を走らせます。途中、なぜか一方通行の狭い路地をカーナビに案内されるというトラブルはあったものの(とくに最短ルートになっていたわけでもないのですが……)なんとか無事に到着。お寺のすぐ隣に駐車場があったので停車したところ、入口には「関係者専用」の文字が……停めていいのか、こちらでも警備さんに伺ったところ、「参拝でしたら大丈夫ですよ」とのお言葉をいただきました。ホッ。
妙心寺は、京都市右京区花園にある臨済宗妙心寺派の大本山。建武4年(1337年)、花園法皇が離宮を禅寺に改め、関山慧玄を開山に迎えて創建されました。現在は全国に3,400か寺余りの末寺を持ち、臨済宗最大の派の本山となっています。
南北に長い広大な境内には、三門、仏殿、法堂などの七堂伽藍が一直線に並び、周囲には46もの塔頭が立ち並びます。
法堂の天井には、狩野探幽が描いた「雲龍図」があり、八方にらみの龍として知られています。また、日本最古の紀年銘(製造年)をもつ国宝の梵鐘も、見どころのひとつです。
タイトルにも書きましたが、もう一度言わせてください。
妙心寺、とにかく広い!そしてでかい!!
境内には46もの塔頭が立ち並ぶ、とのことですが、本当に、ずら~っとお寺が並んでいて、先が見えません。まるで、ひとつの町を歩いている気分になります。
一部は工事中でしたが、人も少ないので、ザ・京都な写真を撮りたい方は結構おすすめです。
受付で拝観料を納めると同時に、最後の御朱印としおりもいただきました。これで3か寺、コンプリートです!
そのまま法堂へ進むと、すぐに天井の龍に目がいきました。音声案内が流れているのを聞きながら、鑑賞します。堂内には椅子が用意されていて、禅寺の祈りの場を少しだけ垣間見ることができます。天井に描かれた狩野探幽の「雲龍図」は、「八方にらみの龍」と呼ばれている通り、どこから見ても本当に目が合います。また、音声案内で知ったのですが、見上げる場所によって龍が登っているようにも降りてくるようにも見えて、不思議な感覚でした。
なお、法堂の中には、徒然草にも登場する国宝の鐘も見えます。見逃さないように注意してくださいね。
法堂で少しまったりした後、受付の方に「あまり時間がないのですが、境内で見ておいた方がいい所はありますか?」とお伺いしました。すると、「塔頭の退蔵院さんは行かれましたか?」とのこと。まだだと伝えると、「お花は少ないかもしれないですが、参られた方がよろしいですよ」と教えていただきました。何でも、庭園がすばらしいお寺さんとのこと。
入口に近い場所にあるのですが、このお寺が本当にステキだったので、改めて別の記事で紹介させていただきます。
最後に、明智光秀の追善で建てられた浴室、通称「明智風呂」を見学しようと思ったのですが、今は公開されていないとのことでした。残念。






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電車・バスの場合
・JR「花園駅」から南総門まで徒歩約5分
・嵐電「妙心寺駅」から北総門まで徒歩約3分
・各路線バス「妙心寺前」下車、南総門まで徒歩4分
車の場合
・京都駅より約8.5km
※境内東側に駐車場あり(参拝者は無料)
『禅とジブリ』展で禅の世界にふれたあとに、実際に禅寺を訪ねてみると、近寄りがたかった禅の世界がなんとなく身近に感じられた気がしました。
今回巡った3か寺は、いずれも禅寺らしい佇まいでありながらも、それぞれに違った魅力があり、どこも見どころが満載でした。
「特別御朱印受付証付きチケット」は完売してしまいましたが、『禅とジブリ』京都展のチケット(半券可)を対象寺院の拝観時に提示すると、禅語しおりをいただけます。電子チケットの場合は、QRコードの提示でOKとのことでした。
秋の京都で、ぜひ『禅とジブリ』展と禅寺めぐりを楽しんでみてください。


Ryo
趣味は寺社仏閣と国内旅行。旅行手配の手際のよさから、周囲の旅行プランナー役を担うことも。Bリーグ観戦、全国のスターバックス巡りも欠かせない。日本仏教検定1級。