成田山新勝寺とは?歴史・御護摩祈祷・見どころを徹底ガイド【初詣・観光におすすめ】

成田山新勝寺とは?歴史・御護摩祈祷・見どころを徹底ガイド【初詣・観光におすすめ】

2025.12.09

新しい年が近づくと、全国の神社・寺院が参拝者でにぎわいます。
その中でも常に上位に名を連ねるのが、千葉県成田市にある成田山新勝寺(なりたさんしんしょうじ)です。
平安時代に誕生して以来、千年以上にわたって人々の祈りを受け続けてきた日本有数の大寺院であり「成田のお不動さま」として、毎年1000万人を超える参拝者が全国から集まります。

 

朱色の伽藍が立ち並ぶ境内、1000年絶えることなく立ちのぼる護摩の炎、緑豊かな公園の風景。
どの季節に訪れても、いろんな魅力に心が静かに満たされる不思議な場所です。

 

今回は、初めて訪れる人にもわかりやすく、成田山新勝寺の歴史・御本尊・御護摩祈祷・見どころをまとめてご紹介します。

 

成田山新勝寺の歴史|千年以上続く「不動明王信仰」の中心地

 

平安時代創建。平将門の乱と深い関わり

成田山新勝寺が創建されたのは平安時代。
当時、東国で「平将門の乱」が起こり、その平定の祈願のため、僧寛朝大師(かんちょうだいし)が京都・神護寺に安置されていた弘法大師(空海)作と伝わる不動明王像を携えて関東に下向しました。

 

成田の地にてご尊像を奉安し、21日間にわたって護摩を焚いて乱の終息を祈願します。無事に祈祷は成功し乱は平定されましたが、京へ戻ろうとすると不動明王像が動かなかったと伝わっています。寛朝大師は朱雀天皇から「新勝寺」の寺号を賜り、この地に不動明王を祀りました。

 

これが成田山新勝寺の始まりとされています。

 

江戸時代に大ブーム。「成田詣」が全国的行事に

 

江戸時代になると参詣人口が爆発的に増えます。
特に歌舞伎役者・初代市川團十郎が不動明王を深く信仰し、歌舞伎の舞台に暫や鳴神に代表される荒事を取り入れ、人気を博しました。

 

中でも「成田山分身不動」という演目が大変な人気となり、舞台で「成田屋!」の掛け声が使われたこともあり、“成田山信仰”は全国に広まっていきました。
そこから庶民の旅行が盛んになると、「一生に一度は成田参り」と言われるほどの人気となりました。歴代の市川團十郎も成田不動への信仰を継承し、昔と変わらず今でもなお「成田屋」の屋号を名乗って歌舞伎の技を守り続けています。

 

成田山の御本尊|不動明王とはどんな存在?

 

成田山新勝寺の御本尊は先ほどから再三出てきている不動明王(ふどうみょうおう) です。
真言密教における最高仏・大日如来の化身であり、煩悩を断ち切り、人々を正しい道へ導くとされています。

「成田のお不動さま」と呼ばれ、私たちの心の迷い・煩悩を取り除き、全ての人を救うため、忿怒のお顔をされています。

 

右手に握る「利剣(りけん)」は”悟りの智慧”を表し、心のあらゆる迷いを断ち切ります。
左手に持つ「羂索(けんじゃく)」という縄は煩悩を縛って封じ、物事を正しい方へ導きます。
さらに、堅固な御心を表す磐石(ばんじゃく)という大きな岩に座り、あらゆる障害を焼き尽くす火焔を背負っています。

 

これらにより、不動明王は、「災難除け」「厄除け」「商売繁盛」「家内安全」「勝負運」「交通安全」など、現世利益が大きいことでも知られています。

 

成田山といえば「御護摩祈祷」|炎の祈りが続く大本堂

 

成田山新勝寺の最大の魅力といえば 御護摩祈祷(ごまきとう) です。
大本堂で僧侶の読経とともに護摩壇の炎が高く燃え上がり、参拝者の願い札が火に触れることで災いを祓い、願いを届けるとされています。

 

大規模な護摩祈祷を絶えることなく続けている寺院は全国的にも珍しく、初めて見る人は「圧倒された」という感想を持つことが多い儀式の一つです。
僧侶のリズミカルな読経、大太鼓の音、勢いよく立ち上る炎、本堂内に満ちる荘厳な雰囲気はまさに、成田山を象徴する体験です。

 

成田山の主要スポット|境内の見どころを順番に紹介

 

成田山新勝寺は非常に広く、境内は約22万平方メートルにおよびます。
初めて訪れる方にもわかりやすく、主要な見どころを順路に沿ってご紹介します。

 

総門|新勝寺の“入口を示す巨大な門”

 

参道を抜けた先にそびえるのが「総門」です。
平成に建てられた比較的新しい門ですが、高さ15mの総欅造り。

蟇股(かえるまた)という欄間(らんま)にあたる部分には十二支の木彫刻が施されていて、堂々とした姿と彫刻の緻密さは成田山の玄関口にぴったりです。

 

仁王門|金剛力士像が護る迫力ある門

 

総門の奥に位置する「仁王門」

両脇には阿吽の金剛力士像が立ち、悪を寄せ付けない力強い雰囲気があります。裏仏として、広目天、多聞天の二天が奉安されています。

楼上には、日本橋魚市場(現在の豊洲市場)の関係者が、海上安全と大漁を祈願して奉納した巨大な「魚がし」の文字が入る提灯が吊られています。これは、古くから漁業関係者や商売人が深く成田山を信仰してきた歴史を物語っており、今では写真スポットとしても人気となっています。

 

大本堂|御護摩祈祷が行われる中心伽藍

 

「仁王門」を抜けると成田山の中心となる建物で、御本尊の不動明王がお祀りされている大本堂が登場します。

不動明王のそばには、右に矜羯羅童子(こんがらどうじ)、左に制咤迦童子(せいたかどうじ)を従えています。
堂内では毎日御護摩祈祷が行われ、多くの参拝者が炎の祈りに魅了されます。

大本堂の荘厳な雰囲気は、成田山を訪れる最大の目的と言っても過言ではありません。
堂内には誰でも入ることができ、車椅子用エレベーターも備え付けられています。

 

三重塔|極彩色の彫刻が美しい重要文化財

 

江戸時代に建てられた「三重塔」は、極彩色の彫刻が特徴です。

総高は27mで、塔内には大日如来を中心に五智如来が奉安され、周囲には「十六羅漢」の彫刻がめぐらされ、密教的世界観や四神などが細かく刻まれており、芸術的価値も非常に高い建造物です。特に注目すべきは、各層の垂木が一枚板で作られた「一枚垂木(いちまいたるき)」という非常に珍しい構造です。これは、江戸期の高度な木工技術示す貴重な資料でもあります。

 

釈迦堂(旧本堂)|江戸期の姿を残す名建築

釈迦堂は、かつて新勝寺の本堂だった、江戸時代後期の特色を残した総欅づくりの建物です。かつて本堂だっただけあって、豪華で精緻な装飾が施されており、重厚で落ち着いた雰囲気があります。

現在は、厄除けお祓い祈祷所として使われています。

 

光明堂|縁結びで人気のスポット

光明堂は、釈迦堂の前の本堂であり、江戸時代中期の貴重な建物です。

大日如来、愛染明王、不動明王が奉安されていて、現在では良縁成就や恋愛成就の仏様として信仰を集めており、参拝者に人気のあるスポットです。

 

さらに後方には、不動明王の本地仏である大日如来が祀られた奥之院の祠があります。普段は閉ざされていますが、毎年7月の成田祇園会(ぎおんえ)の時期のみ特別に開扉され、秘仏の大日如来の拝観を希望する多くの参拝者で賑わいます。

 

 

平和大塔|成田山のランドマーク

真言密教の教えを象徴する、高さ58mの圧倒的な存在感を誇る塔です。
内部には御本尊不動明王や四大明王、大曼荼羅が配され、上階からは成田市街を見渡すことができます。
成田山のシンボルともいえるスポットです。

 

 

成田山公園|自然豊かな広大な庭園

大本堂の裏手には東京ドーム約3.5個分 (16万5000m²)にも及ぶ広大な「成田山公園」が広がっています。

公園は仏教の生きとし生けるものすべての生命を尊ぶという思想が組み入れられているとともに、池・梅林・紅葉など四季折々の自然を楽しめる広大な庭園で、散策にも最適な空間です。

また公園内各所には松尾芭蕉や高浜虚子など著名な文人たちの句碑があり、先人の足跡を感じることができます。
都会の喧騒を忘れ、静かに心を落ち着かせたい人におすすめです。

 

 

成田山書道美術館

 

成田山は宗教施設でありながら、日本の書道文化とも深く結びついています。全国規模の書道大会、書道教育への寄与などにより、「書道の聖地」と呼ばれることもあります。

「成田山書道美術館」では、江戸時代から現代の日本の書作品を中心に、天平時代から鎌倉時代までの古筆や古写経、 中国の多様な拓本類など6000点を超えるコレクションを収蔵しています。

 

成田山の節分|福だけを内に。

 

毎年2月に行われる節分会(せつぶんえ)では大相撲力士や歌舞伎役者をはじめ、数々の著名人が登場する豆まきが行われます。
毎年多くのメディアが報じるビッグイベントです。

立春前日に災厄をはらい、一年の幸福を祈るこの伝統行事では、「国土安穏・万民豊楽・五穀豊穣・転禍為福・疫病退散」の祈りを込めます。

 

言わない「鬼は外」。豆だけではない。

 

成田山の節分会では「鬼は外」とは言わずに「福は内!福は内!」と唱えます。これは不動明王の慈悲が大きく、そこにいる邪悪な鬼も屈服し改心してしまうからだそうです。

さらに、こちらの節分では豆だけでなく剣守(福御守)やからつき落花生もまかれます。千葉県の名産であるということで、落花生を。一年の平穏と幸せを祈る御守りとして不動明王の持つ剣を模した剣守、1年間の日数365体または366体の剣守が落花生とともにまかれるそうです。

 

また、参道では太鼓や奉納芸能が披露されるなど、地域と融合した文化が現在も受け継がれています。

 

 

初詣で人気の理由|ご利益・アクセスの良さ・祈りの迫力

 

成田山が初詣で人気を集める理由は、迫力ある御護摩祈祷、成田空港から近く、国内外からアクセスしやすい、参道の賑わい、歴史と文化の深さなど多岐にわたります。
特に御護摩祈祷の迫力は圧巻で、「新年の祈りの場として相応しい」と感じる人が多いことも人気の理由です。

ここで紹介したところ以外にも見どころはたくさんあります。
ぜひみなさんそれぞれの見どころスポットを探してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ|“炎と祈りの寺” 成田山新勝寺は何度でも訪れたい

 

成田山新勝寺は、歴史・文化・自然・祈りが調和した、日本でも貴重なスケールの寺院だと言えます。初詣の時期だけでなく、季節ごとにそれぞれ異なる魅力があり、イベントもあり、訪れるほどにその魅力と深さを感じられるはずです。

成田山を訪れるときは、御護摩祈祷の炎や三重塔の彫刻、境内の自然など、幾重にも積まれた千年の歴史その一つ一つをぜひ味わってみてください。

 

▷▷成田山新勝寺の公式HPはこちらです!




 

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