2026.10.25
2027年の干支は「未」!新しい干支の年を迎えるにあたり、「干支にちなんだ神社にお参りしてみたい」「羊に関係する御朱印を集めたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、全国に「羊神社」という名前の神社は、わずか2社しかないといわれています。その2社が、愛知県名古屋市と群馬県安中市に鎮座する「羊神社」です。
今回は、そのうちの1社、群馬県安中市にある羊神社を訪れてきました!
境内では、狛犬ならぬかわいらしい「狛羊」がお出迎え。さらに、御朱印は少し車で移動した場所にある「咲前神社」でいただけるとのこと。せっかくなので参拝してみたところ、この咲前神社がとても面白い神社でした。
というわけで今回は、「羊神社」と、羊神社の御朱印がいただける「咲前神社」の魅力をご紹介します!
「羊神社(ひつじじんじゃ)」は、群馬県安中市に鎮座する、全国に2社しかないといわれる「羊」の名がつく珍しい神社です。
創建は江戸時代の延宝年間(1673〜1681年)。この地に移り住んだ多胡一族が、新田を開拓するとともに、祖神である多胡羊太夫藤原宗勝公(たごひつじだゆうふじわらのむねかつこう)を祀ったことが始まりとされています。
御祭神は、天児屋根命(あめのこやねのみこと)と、多胡羊太夫藤原宗勝公の二柱。
境内には、狛犬ならぬ「狛羊(こまひつじ)」の石像や、羊が描かれた絵馬など、羊にちなんだものがあちこちに見られます。
2027年の未年に、ぜひ訪れてみたい神社です。
羊神社では、「羊太夫(ひつじだゆう)」という人物が御祭神として祀られています。いったいどのような人物なのでしょうか。
羊太夫は、「多胡羊太夫藤原宗勝公(たごひつじだゆうふじわらのむねかつこう)」という名で伝わる、奈良時代の豪族とされる伝説上の人物です。
実は、群馬県高崎市には、奈良時代の和銅4年(711年)に建立された「多胡碑(たごひ)」という石碑があり、そこには「羊」という文字が刻まれています。
この多胡碑は、古代の貴重な石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」のひとつ。2017年には、ユネスコ「世界の記憶」に登録されました。
碑文に登場する「羊」と、伝説の羊太夫が同一人物なのかは、はっきりしていません。しかし、羊太夫の物語は古くからこの地域に伝わり、現在も地域の人々に親しまれています。
ちょこっと歴史メモ|ユネスコ「世界の記憶」とは?
ユネスコ「世界の記憶」は、歴史的に重要な文書や記録を守り、後世に伝えるための国際的な事業です。建造物や自然などを対象とする「世界遺産」とは異なり、古い石碑の碑文や写本などの記録も対象となります。「上野三碑」は、約1300年前の東国の歴史を伝える貴重な記録として、2017年に登録されました。






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未の年・未の日・未の刻に生まれたため、「羊太夫」と呼ばれた藤原宗勝公。
かわいいお名前ですが、その実、身長約2mもあった大男だったそう。
また、羊太夫には、両脇の下に鳶(とび)の羽が生えた不思議な従者がおり、その力で都まで一日で往復していたといわれています。
ところが、羊太夫がいたずら心から従者の羽を抜いてしまい、不思議な力が失われてしまったのだとか。
都へ通えなくなった羊太夫は、やがて謀反を疑われ、官軍に攻められることに。最後には金色の蝶となって飛び去ったという、なんとも不思議な伝説が残されています。
こうした数々の伝説とともに、羊太夫は地域の人々から信仰を集め、現在も羊神社に祀られています。
羊神社には常駐の神職がいないため、御朱印やお守りは、車で約5分の場所にある「咲前神社(さきさきじんじゃ)」でいただけます。
咲前神社は、群馬県安中市鷺宮に鎮座する、約1500年の歴史をもつと伝わる神社です。
由緒によれば、安閑天皇元年、初めての申の日に「雷斧石(らいふせき)」と呼ばれる3つの神石が現れ、そのことを朝廷に奏上したのが始まりとされています。
また、隣接する富岡市に鎮座する上野国一之宮「貫前神社(ぬきさきじんじゃ)」の前身とされ、いわば「前宮」にあたる存在です。
境内にはお蚕の神様も祀られており、世界遺産「富岡製糸場」に代表される、養蚕が盛んだったこの地域ならではの信仰が今も息づいています。
2031年(令和13年)には、御鎮座1500年という大きな節目を迎えます。これに向けて、社殿の「令和の大修理」や記念大祭も計画されています。


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羊神社は、群馬県安中市の住宅地に鎮座しています。世界遺産「富岡製糸場」からも車で約15分と、周辺観光とあわせて訪れやすい場所です。
上信越自動車道「富岡IC」から約20分、「松井田妙義IC」から約20分。
世界遺産「富岡製糸場」からは、車で約15分です。
境内には無料の駐車スペースがありますが、駐車できる台数は限られています。
また、住宅地の中にあり、途中には道幅の狭い場所もあるため、運転には十分ご注意ください。
JR信越本線「磯部駅」から徒歩約30分、またはタクシーで約7分です。
とある雨の日。ふと「来年の干支に関する神社に行ってみたい」と思い立って、羊神社を訪れました。
都内からは関越道を通って行きます。練馬インターから約1時間半。のどかな住宅地を走っていくと、案内の看板が出てきました。
富岡ICからナビの案内に従って、20分ほど。看板がいくつかあって、道が合っていることを確認できます。
ここまでは意外とわかりやすく、道に迷う心配はなさそうだと安心していたのですが、次の瞬間、突然ナビが「次を左方向です」と、細い路地に入るよう指示。
え、ここ本当に神社に続く道? と一瞬焦りましたが、思い切って路地方向へ。
すると入口には、「権現様羊神社表参道」の石碑が!
良かった、合ってる~と、進んでいったのですが、この道が結構狭い!
車が軽自動車で本当によかったと、心から思いました。
そのまま狭い道を進んでいくと、住宅の合間に、こぢんまりとした神社が姿を現しました。
駐車スペースは2台分ほどに見えました。想像していたよりも小さく、まさに「住宅地に溶け込んだ神社」という雰囲気です。
事前情報がなければ、うっかり通り過ぎてしまいそうなたたずまいでした。
境内に足を踏み入れると、狛犬の代わりに出迎えてくれたのは、まんまるとした羊の像。
角がくるんとカーブした、なんともいえない愛嬌のある表情に、思わず頬が緩みました。
看板にもしっかり羊のイラストがあしらわれていて、細部まで「羊」で統一されている徹底ぶり。
この光景を見られただけで、来てよかったと思わせてくれる神社でした。
ただ、参拝を終えて気づいたのが、こちらでは御朱印がいただけないということ。
社務所には誰もおらず、案内を見ると、御朱印は少し離れた「咲前神社」でいただけるとのこと。
せっかくなので、そのまま咲前神社へ向かうことにしました。










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羊神社から咲前神社までは、車で約5分。
神社の横には、無料の駐車場がありました。
同じく住宅地にある神社ですが、こちらはさっぱりと整えられた、広々とした境内でした。
さっそく、参拝。小雨でしたが、境内にはテントと椅子も用意されていて、とても整備されている雰囲気です。
大きくはないですが、とてもきれいな社殿です。
御祭神は健経津主命、大己貴命、保食命の三柱。
何でも、経津主大神が健御名方神を追ってきたとき、上野国と信濃国の国境にある荒船山に出陣した際、一時滞在した場所であると伝わっているそう。
そう考えると、本当に歴史ある神社ですね。
三柱の神様から、開運厄除や身体健全、家運隆昌、五穀豊穣などの御利益がいただけるほか、養蚕守護や子育て・安産の御利益もいただけるそうです。
社殿の左右には、石の上に白い小石が積まれた「根子石」というものが2つもありました。
かつては小石を願掛けとして載せて拝み、持ち帰って神棚や蚕室に置いて、ネズミ除けを祈願していたそうです。
実は、ネズミは蚕や繭を食べてしまうため、養蚕農家にとっては大敵。「根子石」という名前も、ネズミを捕る「猫」に通じるといわれています。
現在では白い石を1つ奉納すると、願いが叶うといわれているとのこと。
石は社殿の右手で、取材時には1個100円で授与していただけました。
せっかくなので、私も1つ奉納してお願い事をしてきました。
社殿右手奥には、いくつかの摂社・末社が祀られています。
その中の1社には、なんと大きな蛇の姿が!
その姿があまりにリアルな造形で、思わずビクッとしてしまいました。
実はこちら、養蚕の神様を祀る「絹笠神社」。
咲前神社には、蚕の大敵であるネズミを退治してくれる白い蛇「長虫様」の伝承が残されています。
ほかにも、素焼きの桃を割って厄を払う「厄割桃」も用意されています。
ここですべて済ませられる、近所の方にとってはとてもありがたい神社さんですね。
最後に社務所で、羊神社の御朱印をいただくことにしました。
すると、羊のモチーフが使われた素敵なデザインの授与品の数々が。
さらに、2027年の未年に合わせて、羊のお守りも用意されるとのこと。
頒布は2026年12月末からの予定と伺いましたが、今回は残念ながら間に合いませんでした。
このお守り、根付の先に小さな羊のぬいぐるみが付いた、なんとも可愛らしいデザイン!
もふもふの羊がたまらなく可愛くて、一目惚れしてしまいました。
これはまた年末に訪れる理由ができました。





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全国でも非常に珍しい、羊にゆかりのある「羊神社」。実際に訪れてみると、こぢんまりとしたステキな神社でした。
羊の狛犬や看板などもあり、まさに未年にぴったりの神社。2027年には多くの人が訪れそうです。
そして、御朱印をいただきに向かった咲前神社は、蚕の神様への石の奉納や、リアルな蛇の摂社、厄割桃など、見どころがたっぷり。
羊神社とはまったく違う魅力を持った神社で、セットで参拝することで、よりいっそう楽しめる組み合わせだと感じました。
2027年の未年に向けて、羊のぬいぐるみが付いた根付タイプのお守りは、取材時のお話では2026年12月末から頒布予定とのこと。
もふもふの羊のお守りもぜひ手に入れたいので、年末にもう一度訪れたいです。
干支にちなんだ参拝先を探している方、羊にゆかりのある御朱印を集めたい方は、ぜひ「羊神社」と「咲前神社」をセットで訪れてみてください。


Ryo
趣味は寺社仏閣と国内旅行。旅行手配の手際のよさから、周囲の旅行プランナー役を担うことも。Bリーグ観戦、全国のスターバックス巡りも欠かせない。日本仏教検定1級。