2026.04.19
京都には安井金毘羅をはじめとして「効果絶大」と言われる様々な縁切りスポットがありますが、中でも恐ろしい「呪い」の伝説にまつわる井戸が、今も京都の街なかに残されています。
その名も、「鉄輪の井」。能楽にも登場する「丑の刻参り」伝説が残るその井戸は、住宅地の小さな神社の境内にひっそりと鎮座していました。
今回は「ある縁を切りたい!」と思い、京都出張のタイミングでこっそりと参拝してきました。
果たして、縁切りのご利益はいただけるのか!?効果は現れるのか!参拝方法などを含めて、詳しくご紹介します。
「鉄輪の井」がある命婦稲荷神社は、寛文8年(1668年)、伏見の伏見稲荷大社から御分霊を勧請して創建された神社です。
古くから地域の守護神として、家庭円満や商売繁盛を願う人々に親しまれてきました。
悪縁を断ち、良縁へとつながるご縁をいただける場所として、現在では縁結びのご利益も期待されるディープなパワースポットとして親しまれています。
そして、「鉄輪の井」は命婦稲荷神社境内の井戸。能楽「鉄輪」の元となった伝説のクライマックスに登場する井戸が、この「鉄輪の井」だと伝わります。
舞台は平安時代。
ある夜、貴船神社の神職は「これから訪れる女性に、頭に火を灯した鉄輪(鍋などを火にかける時に使う、三本足の五徳)を載せ、怒りの心を持てば鬼になれると伝えよ」という神託を授かります。
そこへ、女性が現れます。この女性は夫に捨てられた嫉妬深い女性で、夫と後妻に復讐をするために「鬼になりたい」と願い、夜な夜な貴船神社へ参拝していました。
神職が御神託を伝えると、女性は初めは戸惑いますが、やがて決意を固めます。すると、とたんに髪は逆立ち、雷鳴とともに鬼女へと変貌し、雷雨の中、思い知らせてやると駆け出して行くのでした。
一方、夜な夜な悪夢にうなされていた夫は、陰陽師・安倍晴明を訪ねます。晴明は夫婦の命が今夜限りであることを予見し、身代わりの人形(形代)を用いた秘術を開始しました。すると、嵐の中、凄まじい姿の鬼女が現れます。
鬼女は後妻の形代を打ち据え、夫への恨みを叫んで襲いかかりますが、晴明の祈祷による神力に阻まれてしまったのでした。
「鉄輪の井」は、力尽きたこの女性が傍らで命を落とした場所とも、かつて住んでいた場所にあり、女性が身投げした井戸とも言われています。
その後、井戸の付近では不吉なことが続いたため、鬼女が被っていた鉄輪を土中に埋めて祀ったところ鎮まったと伝わります。
やがて、縁切りに効果があると有名になった祠ですが、井戸には「水を汲んで相手に飲ませると、悪縁が切れる」という伝説が生まれました。
物語と思われていたこの伝説ですが、昭和10年(1935年)、命婦稲荷社の再建の際に、土中から「鉄輪塚」と刻まれた石碑が発見されました。現在、その石碑は命婦稲荷と井戸のあいだに「鉄輪社」として、大切に祀られています。
命婦稲荷は、京都市下京区の住宅街の中にあります。少し分かりづらい場所にあるため、はじめて訪れる方は地図やナビを見ながら向かうのがおすすめです。

最寄りは地下鉄の五条駅です。
五条通り(国道1号線)を清水方面へ進み、堺町通りに入っていきます。万寿寺通と松原通のちょうど中間くらい、扉がついた路地を入っていきます。住宅地に石碑が立っているので見逃さないよう注意してください。
命婦稲荷には駐車場はありません。周辺のコインパーキングをご利用ください。
なお、鉄輪の井がある堺町通は、北から南に向かう一方通行です。
路地の扉を開けてお参りしても大丈夫なようですが、命婦稲荷や鉄輪の井は私有地内にあるので、住民の方への配慮を忘れず静かに参拝してください。
なお、縁切り神社のお参り方法は、こちらもご参照ください。
今にも雨が降りそうな、晩春のある日。
今回、筆者は地下鉄の五条駅から徒歩で向かいました。バッグの中には、ペットボトルの水を1本用意しています。
※後ほど必要になってくるので、参拝される方はぜひお持ちください。

Googleのナビに従って路地に入って進んでいくと、命婦稲荷は住宅地に突然現れました。
路地の入口にドアがあるという、とても京都らしい場所。
入っていいのかドキドキしながら、ガラガラと扉を開いて進んでいきます。

進路地の先、数軒の住宅の間に、「命婦稲荷」という扁額が見えてきます。
そこには小さなかわいいお稲荷さんがいらっしゃいました。

こちらは、とっても明るい印象。
一方、すぐそばにあるお目当ての「鉄輪の井」
…何とも言えないオーラが漂っています。天気が崩れそうな曇り空、そして事前に「鉄輪」の伝説を知っていたからでしょうか、すごい存在感をかんじます。

さっそく参拝です。
まずは、お稲荷さんにご挨拶をします。続いて、鉄輪の井の横にある鉄輪社にお参りします。
なるべく余計なことを考えず、一つだけお願いを伝えました。
さて、ここからが、鉄輪の井ならではの縁切りの作法です。
この井戸の水を飲ませた相手と縁が切れる、と言われていた「鉄輪の井」でしたが、残念ながらかなり前に水は枯れてしまったのだそうです。
しかし、安心してください!この井戸に持参した水を供えると、井戸の水と同じ効果が宿るとか。持参していたペットボトル1本を供えます。これで、このペットボトルの中身は、悪縁切りに効果のある「超強力縁切り水」になりました(はずっ)。

なお、井戸の側には、小さな手水鉢がありますが、飲用も持ち帰りも禁止です。おなか壊すといけないので、絶対に飲まないようご注意ください。
無事に参拝を終えたところで、みなさん気になりますよね・・・私が「誰に飲ませたのか!?」ということ。
期待外れでごめんなさい!? 結論、自分で飲みました。
というのも、筆者が縁を切りたかったのは、「意思の弱い自分」だったからです。
果たして、効果はいかに!?まだ数日ですが、心を入れ替え、放置しがちだったスポーツクラブへ定期的に通い続けているので効果があったのかもしれません!またどこかでの機会にご報告しますね。
今回伺った鉄輪の井は、住宅街の小径にそっと佇む、とても京都さを感じるディープなパワースポットでした。地域のお社で、しかもびっくりするくらい住宅の間にあるのに、誰でも参拝させてもらえるというのも魅力的です。
もし参拝する時には、くれぐれも住民の方への配慮をお忘れなく。「ひっそり」「こっそり」参拝してみてください。
今回、境内を撮影させていただいたのですが、後から写真を整理していると、不思議なことが起こりました。
まず、サーバーにアップする時、用意した専用のフォルダではなく、異なるフォルダに「勝手に」入ってしまいました。それも、複数の既存フォルダにバラバラに!ちょっとドキッとしました。
さらに、撮影していた鉄輪社の写真だけが、なぜかエラーで表示されない。1枚ではなく、撮っていた2枚が両方とも!…何とも不思議なことが起こるものです。
ただ、今のところ怖い思いなどはしていません。
むしろこの後に取材に向かった場所ではとてもいいことがたくさんあったので、良縁のご利益・効果を感じていました。頭をよぎるのは筆者が毎度、伏見稲荷さんで体験する不思議なあれこれ…命婦稲荷神社さんは、伏見稲荷からいらした。というところで、狐さんのいたずらだったのかもとよぎりました。筆者のお稲荷さまでの不思議な体験はどこまで続くのか、…こちらも、また機会があれば報告しますね。
伏見稲荷で起こる不思議なお話は、こちらもぜひご参照ください。

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