真夏の伊勢詣!伊勢神宮で、「神宮特別参拝」をしてきました~内宮-朝熊岳金剛證寺編~
2024.09.06
後編となる今回は、いよいよ『内宮』の特別参拝と、最後に訪れた朝熊岳金剛證寺のレポートです。
前置きは短めに、早速続きをどうぞ!
※今回も「特別参拝」「正式参拝」「御垣内参拝」は、すべて「特別参拝」で統一させていただきます。
前回の記事はこちら
早朝の内宮へ
外宮を参拝し、一泊した翌朝。早朝5時半、ホテルのロビーには、再び黒ずくめの一行が勢ぞろいしていました。
特別参拝は、神宮の参拝時間内であればいつでもできるそうなので、せっかくなら早朝に行こうではないか!となりました。
ちなみに、内宮・外宮・別宮の参拝時間は、以下の通り。
当初は参拝がスタートする5時と言っていましたが、さすがに早すぎるよね…となって、5時半に。これが後々吉と出ます。
朝日の内宮は、清々しいという言葉がピッタリ
ホテルから内宮までは車で15分ほど。
いつもは大混雑の駐車場ですが、最も近いA1でさえもガラガラです。さすが早朝!連日の強烈な暑さも、朝はまだ涼しささえ感じます。
宇治橋を渡って、早速境内へ。
前日の外宮は左側通行でしたが、内宮は右側通行ですので、お間違いないように。運が良ければこのあたりで神鶏さんに会えますが、今回は残念ながらご縁がありませんでした。
ちなみに、なぜ鶏が神鶏と言われているかというと、天岩戸のくだりで、「岩戸にこもった天照大神に出てきてもらおう大作戦」で、最初に朝を知らせる長鳴鳥(鶏)が鳴いた、という話に由来しているそうです。
一の鳥居をくぐると、右手に五十鈴川の御手洗場が見えてきました。
手前に手水舎もありますが、せっかくなのでこちらで手口を清めるのがおすすめです。
この石畳は、徳川綱吉の生母・桂昌院が寄進したもの。
ちなみに五十鈴川は別名「御裳濯川」とも呼ばれていて、これは倭姫命がこの清流で裳を濯いだことに由来するそうです。川の水は本当にキレイで、朝日に照らされてチラチラと魚が光り、いつまでも眺めていたい気持ちに。しかし、先に進まねばなりません。目指すは、内宮の正宮です。
特別参拝を前に、まさかの足止め!
再び参道に戻って、玉砂利をふみふみ進みます。やがて、神楽殿の手前にある御神札・御守授与所に到着。この御朱印や授与所の並びに、特別参拝の申し込みができる「御造営資金受付」があります。
ところが、何と受付は6時頃からとのこと!
これは大誤算でした…6時まではまだ少し時間があったので、ダメ元で正宮まで行ってみよう、となりました。というのも、一行は「内宮」「外宮」双方に遷宮の為の寄付金を奉納し「特別参拝」をする心づもりでご寄附を用意していたのです。
正宮にも、外宮と同様、左側に小さな建物があり、特別参拝を受け付けてくださる神職さんがいらっしゃいました。
ここで、びっくりすることがありました。
何と、昨日いただいた特別参宮章を持っていれば、内宮も入ることができたようなのです!
つまり、「内宮」「外宮」どちらかに遷宮の為の寄付金を奉納すれば「特別参拝」することができます。
ちなみに、私も年パス(笑)を持っているので、「御造営資金受付」で手続きすることなく入れていただけるよう。しかし、メンバーの中に、外宮でいただいた特別参宮章を持ってきていない人が数人いたこと、やはり初めの目的通り、「内宮」にもきちんとご寄付をしてから中に入りたいことから、結局受付が開くのを待つことにしました。
この時点で、6時まではあと5分ほど。張り切って5時に来なくて本当に良かったね~と、ホッとしました。
無事に受付完了!
6時頃に御造営資金受付が開き、全員無事に受付が終了しました。
ついでと言っては何ですが、御朱印も同じお時間にいただけました。ちなみに、ご祈祷は8時からとのことなので、ご注意を!
再び正宮へ。
前日の外宮と同様にお祓いを受けて、ついに内宮の御垣内へと入っていきます。
内宮は、外宮よりも玉砂利が小さくて、少しだけ歩きやすくなっていました。それでも、全員ヨチヨチ、ペンギン歩きです。
いよいよ内宮の御垣内へ
内宮の御垣内は、外宮とはまた違った空気がありました。
朝早かったというのもあるかもしれませんが、清浄なのはもちろんですが、私はほんわりとあったかい感じがしました。
前日同様、日本の平和、世界の平和、そして参拝できたことへの感謝をお伝えしました。
本当に、無事に参拝できたことが本当にありがたいことで。
最近は災害も多くて、普通に暮らせていることがどれだけ尊いことかを、改めて確認できた旅でした。
と、締めそうになっていますが、参拝の旅はもう少し続きます。
受付に戻って神職さんにお礼を告げたら、もう少し内宮を参拝していきます。
荒祭宮と風日祈宮、そして瀧祭宮を参拝
正宮から再び参道に戻り、今度は荒祭宮へ。
こちらは、天照大神の荒魂がお祀りされているお社で、個人的なお願いをしても良いとされています。
何となく全員、緊張の糸が切れた感じで、和気あいあいと参拝。
続いて、風日祈宮橋を渡って風日祈宮へ。こちらには伊弉諾尊の御子神で、風を司る級長津彦命と級長戸辺命がいらっしゃいます。
元寇の時に、神風を起こして日本を救ってくれた神様とのことで、風雨の災いを防いでくださるそう。ちょうどここ数か月、深刻な問題になってきた風雨の災害。今後も無事でありますように、とお祈りしてきました。
最後に、瀧祭宮へ。
こちらは、五十鈴川を守護する水の神・瀧祭大神がお祀りされています。
実は、正宮よりも先に参拝しておくと、天照大神に願いをつないでくださるそうなのですが、御手洗場ではしゃぎすぎて失念しておりました…ご挨拶が遅くなったお詫びをしつつこちらを参拝して、内宮を後にしました。
参拝の最後は、朝熊岳金剛證寺へ
伊勢詣での締めくくりには、朝熊岳金剛證寺を参拝するのがルールとのこと。
江戸時代に流行した伊勢音頭では「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」などと歌われていたそう。
朝熊岳金剛證寺は伊勢神宮の鬼門に位置する場所にあり、福威智満虚空蔵大菩薩を御本尊としています。内宮からは伊勢志摩スカイラインを通って、グイグイと山を登って行きます。伊勢市を望む高台からの景色は、なかなかのもの。
内宮から15分ほどですが、楽しいドライブになりました。
そうして、無事に到着した朝熊岳金剛證寺は、山の中というのもあって、さわやかで心地のよい空気が吹き抜けていました。
朝熊岳金剛證寺にもパワースポットがいっぱい
立派な仁王門を抜けて本堂へ行く途中、右手に朱色の橋が見えてきました。
橋の先には大日如来の化身である天照大神を象った弘法大師作の雨宝童子像(複雑ですね…)が納められているそうです。
が、残念ながら連珠橋は通行禁止だったので、参拝は断念。こちらとお堂の間には蓮が植えられた池があって、此岸と彼岸を表しているそうです。
続いて、矢負地蔵尊というお堂がありました。こちらも、五代将軍綱吉の生母・桂昌院の寄進によるものだそうです。すごいですね、桂昌院さん。
ここには重軽地蔵があって、決められた作法に従って二度持ち上げて、二度目が軽ければ願いが叶うそうです。メンバー全員やってみましたが、軽くなったのはまさかの筆者だけでした!お願い、叶うといいな~。実際に叶ったら、またご報告しますね。
先に進むと、階段の先に本堂が見えてきました。本尊である虚空蔵大菩薩は、実はものすごいご利益がいただける仏様。中でも朝熊岳金剛證寺は日本三大虚空大菩薩の一位と言われているそう。無事に参拝できたことへの感謝と、これからもたくさん楽しい旅ができるようにとお願いしました。
あの世とつながる場所!?ちょっと怖い奥の院
本堂の参拝を終えたら、続いて奥の院へ向かいます。
伊勢神宮を紹介する記事でもさらりと触れていたのですが、このあたりの風習で、人が亡くなると奥の院に大きな卒塔婆を立てるという風習があるそう。
写真で見ていて「立派そうだな」とは思っていたのですが、実際にその場に行くと、まるで別世界への入り口のようでした。長く続く墓地の中、通路の両脇には巨大な卒塔婆の群れ。ここは、彼岸と此岸の境目?実際、あの世とつながっているなどとも言われているそうで…霊感のあるメンバーは「ゾクゾクしちゃうね」などと言っていました。
奥の院までたどり着くと、ほっと一息。こぢんまりとした本堂をお参りして、隣接する富士見亭竹屋という茶店に入ってみました。レトロな店内は、残念ながらお休みでしたが、窓の先には伊勢湾越しの渥美半島が見えています。富士見といわれているからには、きっと天気が良ければ富士山も見えるのでしょうね。
そして、この参拝をもって、お伊勢詣で完了!無事に参拝できたことに心から感謝でした♡
伊勢詣での楽しみ、おはらい町へ
伊勢詣での楽しみといえば、食べ歩き!朝熊岳金剛證寺から再び内宮方面に戻り、朝はまだ空いていなかったおはらい町を散策することに。
おはらい町は、内宮の宇治橋すぐ横から、五十鈴川に沿って並ぶ参道商店街。石畳の通りの左右には、江戸時代の街並みをイメージしたお店がずらりと並びます。
そんな魅力的なエリアにおいて、最初の目的地は、まさかのスターバックスでした!
実は筆者、めずらしいスタバを旅の目的地にするほどのスタバ好きでもあるのです。そして、スタバにはリージョナルランドマークストアという“日本の各地域の象徴となる場所に建築デザインされ、地域の文化を世界に発信する店舗”というのが存在しまして、伊勢神宮近くにも「伊勢 内宮前店」が!
古民家をリノベーションしたお店は、看板はもちろん屋根瓦にもセイレーンがデザインされていて、大興奮です。木材がふんだんに使われた温かみのある2F客席は、おはらい町を見下ろせる絶好のロケーションです。参拝後に思わぬまったりティータイム、まさに至福の時間でした。
その後、豆腐庵山中さんの豆腐ドーナツ、赤福さんの本店で赤福餅をいただき、充実した食べ歩きも終了。本当は豚捨さんのメンチカツや伊勢まる天さんの磯揚げなど食べたいものがたくさんあったのですが、朝食を食べ過ぎていたので、ギブアップでした…。次回はもっと胃袋を整えてから訪問したいです!
まとめ
あっという間の伊勢詣。
真夏の暑い中での参拝でしたが、何とか天気にも恵まれて(同行していた運営は、全員が認める雨女!)無事に終えることができました。実は名古屋にレンタカーを返す途中、もう1か所、神社に行ってきましたが、それはまた後日ご紹介したいと思います。
最後に、特別参拝の受け方について、おさらいです。
遷宮の為の寄付金奉納による「特別参拝」の受け方
① 服装は正装が望ましい。ブラックフォーマルだと間違いなし!
▷男女ともに上下同色のジャケットを着用していれば大丈夫そう。
② 申込は神楽殿横の「御造営資金受付」へ。初穂料と書いた熨斗袋に入れて持参する。
▷「御造営資金受付」の開始時間は、「内宮」「外宮」ともにどちらも6時頃のようなのでご注意を!
④ 「特別参宮章」で、「内宮」「外宮」双方の特別参拝が可能。
⑤ 御垣内には服装に準じた靴を履くこと
▷特に内宮はかなり歩くので、履きなれた靴か、正宮の近くまでスニーカーがおすすめです。
⑥ 正宮では個人的なお願いはせず、感謝の気持ちを持って参拝すること。
これを守れば、初めてでも失敗せずに「特別参拝」を受けることができるはずです。
なかなかできない、特別なお参り。まだの方は、ぜひ一度、体験してみてください。
筆者紹介
**Ryo**
寺院の事務職兼ライター・コラムニスト。
東京在住のアラフォー。
趣味は寺社仏閣巡りと国内旅行、読書とBリーグ観戦。スタバ好き。