「神宮特別参拝」 ブラックフォーマルで真夏の伊勢詣! ~二見興玉神社-猿田彦神社-外宮編~

「神宮特別参拝」 ブラックフォーマルで真夏の伊勢詣! ~二見興玉神社-猿田彦神社-外宮編~

2024.08.26

先日、伊勢神宮に行ってみてはいかがですか?という記事を書いた筆者です。

↓その時の記事はこちらです。未チェックの方は、先に読んでみてくださいね。

 

色々と調べているうちに、伊勢神宮には「特別参拝」または「正式参拝」「御垣内参拝」などと呼ばれる特別な参拝があることを知りました。

何やら、びっくりするくらい神聖な参拝ができるそう。

それはぜひ体験したい!と、巡縁メンバーを誘って「真夏の伊勢詣」をしてきました。前後編に分けてお届けします。

 

 

服装や、申込方法やマナーといった細かい決まりも解説しますので、特別参拝について詳しく知りたい方はぜひチェックしてくださいね!

なお、「特別参拝」には「正式参拝」や「御垣内参拝」などの別名称もありますが、この記事では「特別参拝」で統一いたします。

 

神宮特別参拝とは

神宮の外宮・内宮の参拝は、正宮の白い布=御幌(みとばり)の外側から参拝をします。

一方、特別参拝は、一定の手続きをすることで御幌の内側で参拝ができるという特別な参拝です。

特別参拝を受けるには、参加するための資格を手にして

「参拝資格を証する参宮章」を得る必要があります。

 

 

また、服装に規定があったり、申し込み方法が特殊だったりと、さまざまな決まり事があるそう。

 

しかし、神宮の公式HPには参拝方法の案内がなく

(筆者が見つけられなかっただけかもしれませんが…)、

他の神社さんやお近くにあるビジネスホテルさんなどの情報が頼り!

(ちなみに、参照したどのサイトも、とても正確でした。ありがたかったです!) 

 

当日「やっぱりダメだった!」を防ぐために、入念な準備を行いました。 

 

 

参宮章は、伊勢神宮の活動を支える団体である「伊勢神宮崇敬会」に加入する、または、当日、神宮へ遷宮の為の一定額以上寄付金を奉納することでいたただくことができるようです。

 

参考サイト:岡山県神宮庁「神宮特別参拝」

↑ぜひご覧ください、どこまで入れるかイラストで確認できますよ!

 

 

服装のマナーがかなり厳しいらしい!

さまざまなサイトで指摘されていたのが特別参拝には厳格なドレスコードがある!という点です。

 

“参拝者の服装は礼服が望ましいが、敬意を失しない程度の平常服で男性は背広・ネクタイ、女性はこれに準じた服”

と定められています。なかなか難しいですよね…。

敬意を失しない程度の平常服とは?と、かなり迷いました。

インターネット内でも色々な話があって、

「女性でパンツスーツを着て行ったらあまり好ましい反応ではなかった」

「ダメ元で行ったけど、ブラウスとパンツだけでも入れてもらえた」などなど。

 

どうも、担当される神職さんによっても、対応がかなり異なるようです??

 

おそらくスカートのスーツや地味目のワンピース+ジャケットであれば大丈夫かと思うのですが、再度ドレスコードを見ると、こう書かれています。

“参拝者の服装は礼服が望ましい”

 

 

 

・・・・これを受けて、ブラックフォーマルを着用することにしました。

 

だって、神様側が望ましいと言っているのですから、望まれる服で伺おうではありませんか!

 

しかし、問題は服だけではありません。靴とバッグもどうするべきか。

礼服を推奨されているのですから、スニーカーにリュックやトートバッグというわけにはいきません。

靴に関しては「ヒールは絶対にやめた方がいい」という意見も多く、外宮・内宮ともに正宮までかなり歩くのも知っています。

悩んだ末、黒いコンフォートシューズを合わせ、バッグは旅行用とは別にフォーマルなものを持っていくことにしました。

 

 

申し込み方法を確認

特別参拝は、予約不要で行えます。

 

当日、式年遷宮奉賛金として窓口で2千円以上のご寄附をすると、

外宮・内宮を1回ずつ参拝ができる「参拝資格を証する参宮章」をいただくことができるようです。

さらに、1万円以上だと、1年間何回でも参拝OKのようす。

 

せっかくなので、筆者は1万円をご寄付することにしました。

今回は正式な順番ということで外宮から伺いましたが、受付自体は外宮からでも内宮からでも大丈夫。

 

なお、「伊勢神宮崇敬会」の会員の方は、会員制度として「参拝資格を証する参宮章」をいただくようです。

 

神社や仏閣でご祈祷やご寄附をする時は、熨斗袋を用意するのがマナー。

蝶結びの熨斗袋に、上側には「初穂料」、下側には自分のフルネームを書いてください。お金は正面に向けて入れます。

袱紗に包んで持参すると、なお良いですよ。

 

いよいよ出発、伊勢詣で!

特別参拝の準備がバッチリできたところで、いよいよ伊勢詣スタートです。

 

東京からは、東海道新幹線で名古屋駅、そこから在来線で伊勢方面へ向かうのが一般的です。

 

今回は人数が多かったので、筆者たちは『のぞみ』で名古屋駅まで行き、そこからレンタカーで移動しました。

最初の目的地である二見までは、電車でも車でも2時間程で到着します。

 

 

最初は二見興玉神社を参拝しよう。

伊勢神宮の記事でもご紹介した通り、神宮に行く時は、最初に二見興玉神社に参拝して、禊(みそぎ)を行うのが伊勢詣での正式な順番とされています。

 

興玉神石から採取された「無垢塩草」を使った御祈祷、「無垢塩祓」をしていただくのがベストですが、

今回は時間があまりありませんでしたので、お守として授与されている「無垢塩草」をいただきました。

なお、二見興玉神社の駐車場は無料ですが、いつ行っても満員だったりします。

そこで今回は、立ち並ぶお土産店の駐車場に停めさせていただきました。

 

お土産を購入すると、「ゆっくり参拝してきてくださいね」と、とっても親切!

二見興玉神社周辺の道はあまり広くないので、別の駐車場を探し回さずに済んだのもありがたかったです。

 

 

せっかくなので、猿田彦神社にも参拝

内宮の近くには、二見興玉神社と同じ御祭神である猿田彦大神をお祀りする猿田彦神社があります。

「みちひらきの神様」ということで、旅の無事と、今後の巡縁のさらなる発展を願って、参拝してきました。

猿田彦神は、天孫降臨の際に、瓊瓊杵尊を先導した神様。そのため、道に迷っている時や何かを始める時に、良い方向へ導いてくれると言われています。

 

境内には妻神である天宇受売命をお祀りした佐瑠女神社があり、こちらは芸能の神様として多くの芸能人も参拝しているそうです。

 

なお、こちらで授与していただける「清砂」は、筆者が勤める寺院のお坊さんでも愛用している人が多く、地鎮祭の時には必ずこちらのお砂を持参するそう。

土地の四隅や出入口に撒くと、災いが入ってこないと言われています。

 

いざ、外宮参拝へ

猿田彦神社の参拝を終えたら、いよいよ外宮に向かいます。

 

さすがに旅行中ずっとブラックフォーマルというわけにはいかないので、

伊勢市駅近くにとったホテルにチェックインして、正装に着替えてから外宮に向かいました。

 

ちなみに、公共交通機関で来る場合、外宮はこの伊勢市駅が最寄り駅。

参道を真っすぐ進めば、徒歩5分程度で到着します。

 

・・・が、真夏に伺ったので、私たちは車で向かいました。

ビジネスホテルのロビーに集合した喪服の集団は、なかなかの光景だったと思います…

 

 

特別参拝の申し込み方法

駅前のホテルから、数分で外宮に到着。黒服の集団、外宮の鳥居をくぐってずんずんと進みます。

ちなみに、外宮の参道は、左側を歩く決まりがあります。

これは、昔の禊場であった宮川が左側にあったからだそう。

 

右側通行の内宮とは反対なるので注意してくださいね。

 

 

細かい玉砂利をしゃりしゃり踏みながら歩いていくと、まもなく右手に神楽殿が見えてきます。

神楽御饌祈祷受付や御朱印受所の窓口がある場所ですが、並んで「御造営資金受付」もあります。

ここで申込書を書いて初穂料を納めると、

参拝するために必要な書類「参拝資格を証する参宮章」を受け取ることができます。

 

2千円の人は、1回使い切りの参拝券。

 

筆者は1万円をお納めしたので、1年間いつでも参拝できるカードをいただきました。

 

そこで、同行者と思わず言ってしまったのが、

 

「年パスだね」

 

…はい、不敬です…。

 

 

窓口で初めてであることを告げると、とてもていねいに案内していただけました。

正宮の横に神職さんがいるので、その方にカードをお渡しします。

すると、その方が中まで案内してくださるそう。

 

再び、玉砂利をしゃりしゃりと踏み締め進みます。

真夏の参拝、真っ黒な喪服・・・・汗が止まりません。

 

ついに御垣内で参拝!

正宮に到着。

 

鳥居をくぐると左手に小さな建物があり、そこに若い神職さんが座っていらっしゃいました。

カードを見せると、受付をしてくれます。

参拝券には、外宮の部分にハンコを押してくれました。

 

ここで服装のチェックがありダメな時はダメらしいのですが、

悩みに悩んだブラックフォーマル、やはり問題なし!無事お通しいただけました。

この旅で一番ホッとした瞬間かもしれません。

 

受付が終わると、続いて建物横のスペースに案内され、そこでお祓いを受けました。

器とその蓋をすり合わせるような独特のお祓いでした、何か言われがあるのでしょうか、とても興味深かったです。

 

そして、ついに御垣内へ!

緊張の瞬間、身も引き締まる思いで…と言いたかったのですが…噂には聞いていましたが、

この御垣内、とにかく歩きにくいのです!

 

先ほどまでの玉砂利がマッチ箱程度だとしたら、今度は250mlペットボトル並の大きな石がゴロゴロしています。

ものすごく慎重に進まなければ、確実に足をねんざするレベルです…。

 

コンフォートシューズも大正解でした!

もしヒールを履いていたら、さらなるハードモードです。。ある意味、精神集中して進むことができました。

 

御垣内には、側面から入っていきます。

 

 

 

一歩入った瞬間、空気が変わったのがわかりました。

 

とにかく「すごい」です。

 

 

 

としか、言いようがない。

 

 

二礼二拍手一礼。

 

いつもたくさんの神社で行っていることですが、ここでは重みが違う気がします。

 

 

正宮では、決して自分のことを願わないこと。

それが、ルールです。

 

「日本が平和でありますように、世界に平和が訪れますように、そして無事に参拝できたことに心から感謝します」

そんなことをお伝えしました。

 

暑さとは違う、あたたかい空気がふわりと抜けていったのは、気のせいではなかったと思います。

 

 

3つの別宮も参拝。

特別参拝を終えた一行。

感動しすぎて、テンションが爆上がりでした。

 

メンバー数人は、涙ぐむ程。本当に、これはぜひ経験していただきたいです。

 

感動冷めやらぬまま、続いて境内にある3つの別宮へ向かいます。

 

豊受大御神の荒御魂を祀る「多賀宮」、水防の神である土乃御祖神を祀る「土宮」、雨風を司る級長津彦命・級長戸辺命を祀る「風宮」。

こちらであれば、個人的な願い事を行ってもOKです。

「多賀宮」だけ、階段を上った先にあります。

すでに暑さにやられ、2段階の玉砂利に足元がやられているメンバーたちには、結構ハードでしたが、本当に貴重ですばらしい参拝になりました。 

 

まとめとおまけ

外宮は、内宮ほどの広さはないのですが、

それでもまだまだ見るべきところはたくさんありました。

 

ハートの岩も探し忘れていましたし、宮川の名残である勾玉池を眺めてゆったり過ごしてみるのも魅力的です。

 

また、筆者は行かなかったのですが、同行メンバーの数名は、境内図に載っていない度会国御神社と大津神社にも参拝していました。

こちらは、外宮の神主家であった度会氏の祖神と、五十鈴川河口の守護神をそれぞれお祀りしているとのこと。

 

 

ただ、真夏にブラックフォーマルでは、境内をゆっくり散策…というわけにはいきませんでした…こちらは、次回以降にまた訪れたいと思います。

 

何せ、私、年パスを持っていますので!

 

 

というところで、次回は後編、内宮の特別参拝に続きます。

 

 

 

おまけの話☆旅のお食事とお土産

今回の旅で伺ったお店をご紹介します。

どのお店もオススメなので、旅の参考にしていただければ幸いです♡

 

ランチ:家庭料理 扇屋さん

 

二見駅のすぐそばにある、古民家レストラン。

 

地元の食材を利用した洋食が楽しめます。

おすすめは、松阪牛を使った松阪牛ハンバーグ。オリジナルブレンドの扇屋コーヒーもおいしかったです。

 

 

ディナー:船元直送店 居酒屋 満船屋 別邸 HANAREさん

 

伊勢市駅の目の前にある海鮮の居酒屋さん。

 

本店は元気な居酒屋さんという感じでしたが、こちらは個室なので落ち着いてお酒や食事を楽しめました。

地元伊勢志摩の食材を中心に、新鮮な魚や貝、松阪牛も楽しめます。

 

地酒も豊富で、何よりお手頃価格なのが嬉しいお店でした。

 

 

お土産:ブランカさんの「シェル・レーヌ」

貝殻の形をしたマドレーヌで、G7伊勢志摩サミットのお菓子としても提供されたという、伊勢志摩エリアの銘菓。

天然パールシェルカルシウム入りで、サクサクの触感と程よい甘さが絶品のお菓子です。

 

 

筆者紹介 

 **Ryoko**

寺院の事務職兼ライター・コラムニスト。
東京在住のアラフォー。
趣味は寺社仏閣巡りと国内旅行、読書とBリーグ観戦。スタバ好き。

 

 

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