2026.10.15
430年ぶりの修理を経て、
権現さまご自身が動かれているという確信を深めていった、りてん先生。
実は定期ご開帳には、当初「10年限定」という約束があったそうなのですが……

解体修理中の仁王門(写真は解体前)
その理由はふたつあります。
ひとつは、10年後に私自身がその役職にはいないとわかっていたから。
私は2001年に総長に就任した際、
当時の五條順教管長猊下から
「りてんくん、20年くらいは勤めるつもりで受けてくれ」
と託され、そのつもりでお受けしました。
しかし、肝心の順教猊下が2009年にご遷化(せんげ)され、
その後もお寺を揺るがす出来事が相次ぎました。
そしてひと段落した2015年ごろには、私自身の教学部長時代から続いた22年間の単身赴任に終止符を打ち、
総長職退任の決断をする時期を迎えていたのです。
そしてもうひとつの、決定的な理由。
それは、定期ご開帳を続けるうちに、
地元の方々や近鉄電車をはじめとする関係各位の熱量が一気に高まり、
「これは絶対に継続していくべきだ!」という温かい空気が出来上がっていったことです。
そうです。
私の狙い通り、ご開帳はお寺の中だけの行事を超えて、
地域全体を巻き込む大きな波となっていきました。
「あぁ、これこそが世に出て人々を救いたいという、権現さまご自身のご意志なのだ」
と深く悟った瞬間でした。
「10年限定」のはずが、
権現さまのご意志のもと、地域ぐるみの大きなうねりとなっていった定期ご開帳。
次はそんな権現さまのおこころを象徴する、
ある「一文字」のお話です。

田中 利典
京都府綾部市・林南院住職。金峯山寺長臈、種智院大学客員教授。1955年京都府生まれ。龍谷大学、叡山学院卒。修験道の歴史や祈り、受け継がれる文化を、誰もが親しみを持てる言葉で伝えている。
国宝・仁王門の大修理勧進のため、国宝・蔵王堂の秘仏ご本尊
「金剛蔵王大権現」が特別ご開帳されます。
※法要などにより、一時的に入堂が制限される場合があります。
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