「イチから学ぶ日本の仏教」を受けてみた!〜天台宗〜

「イチから学ぶ日本の仏教」を受けてみた!〜天台宗〜

2025.07.11

こんにちは、巡縁運営です。

お寺神社さんに、品質のよい仏具・和装品をお手頃価格でお届けしている「福生(ふくせい)」でお仕事をするようになってそろそろ2年目、お坊さんやお寺さんとの関わりから、なんとなく業界の雰囲気がわかってきたところなのですが(お坊さんは仏道を選んだ普通の人で、いい意味で特別じゃないとか、坊主頭に皆慣れてきたとか)仏教についてちょっとわかると、もっと知りたくなってくるものです。

仏教伝道協会のセミナーがいいらしい!

大変仏教に詳しい当社の先輩に聞いてみたところ、先輩は以前仏教伝道協会のセミナーを一年受けたのだとか。

「仏教に親しむ入り口にちょうどいいよ!日本の各宗派の違いが、わかるようになったしビギナーにおすすめ!」

さらに「各宗派の有名で人気のあるお坊さんができてくるから、話が上手で2時間なんてあっという間に終わっちゃうよ!」とのこと。

 

まさに初心者の私にピッタリ!子供の頃からお坊さんの法話がなんとなく好きだったので、話の上手いお坊さんの話は聞いてみたい。

その話を聞いた時はまだ次年度の申し込みが始まっていなかったのですが、ふと思い出してネットで調べたところ、丁度よく申し込みが始まっていました。
(仏教伝道協会の名前が初め思い出せなかったことは内緒です・・・)

 


年間全8回、見知った宗派の名前が並びます。

 

著名な講師陣

「須磨寺」の小池陽人さんがいらっしゃる・・・

前に社長が法話グランプリを教えてくれた時にその初代優勝者である小池さんを「知り合いなんです」と自慢していたから覚えていました。(当社、法話グランプリ実行委員に入っております、明日会いたくなるお坊さんを宗派を超えて選ぶ大会です、はい、M-1パクってます。)

昨年の法話グランプリを見たけど、優勝した方はまるで漫才師のように話がうまくて面白すぎてびっくりしたものです。(自分の寺で得度した迷えるサラリーマンが、気がついたらインドに行ってインド仏教の最高指導者佐々井秀嶺さんの通訳として帰国してきた。それを遠くで見ていた自分。という話でした、とても面白かったです。ちなみに優勝されたのは、真言宗御室派福王寺 小谷剛璋住職です。)

小池さんも出るなら、先輩の話に違わす、このセミナーは絶対面白そう!さっそく申し込みました。

 

法話グランプリ
現在参加僧侶を募集中!
(笑い飯哲夫さん出ないかな・・・ダブル制覇してほしい!)

 

 

待ちに待った初回の参加!「天台宗」

当日、18:30からのセミナー(今年は全て仙台開催とのこと、オンラインで参加しました)を18時からと勘違いして家族に白い目で見られながら参加した第一回「天台宗」。

 

講師は、天台宗普賢寺住職小野常寛さん。

大学の時には留学していたり、従業員評価がめっちゃ高い「いい会社」のリンクアンドモチベーションに勤めていたりといわゆる「仕事ができる!」お坊さんと講師紹介でイメージしていたのですが、その通り、お話がサクサク話が進んでテンポがよく聞きやすい!

つまらない動画では1分も我慢できない私が気が逸れずに2時間参加できました。声も聞き取りやすいです。
(そうそう!お坊さんはみなさんいい声。これも業界に関わって知ったことの1つです。)

 

最澄さんのイメージとは・・・

さて、天台宗 日本の開祖は最澄さんですね。
これまで義務教育その他を受け持っていたイメージは本当に申し訳ないのですが、

「天才だったらしいけど、空海に負けた残念な感じの人」でした。(ごめんなさい・・・・!!)

 

総本山の比叡山についてもサイトでライターさんが「比叡山に行ってきた!」前後編コラムを書いくださり、ざっくり知っていたのですが、・・・なんとなく腹落ちしない、わからない(覚えているのは比叡山のなすびババアのことばかり・・・)しかし、講義を受けてまるでパズルのピースのようにこれまでのイメージがつながっていきました。

 

セミナーに参加して分かったこと!

まずは、天台宗は最澄が開祖ではなく、中国で成立した宗派だということがわかりました。
天台大師と呼ばれた智顗(ちぎ)さんが、インドから伝わった仏教を整理することで確立させたのだとか。

 

智顗(ちぎ)さんは、天台山(最澄はここに遣唐使として留学し9ヶ月修行しました)で、法華経の注釈書を確立し宗教の基盤となる経典を確立。

そのほか当時インドから理念だけ渡ってきていた仏教に「止観」と呼ばれる修行方法を再構築、などなど数えきれない功績があるのだそうです。

 

ところが、中国は多くの思想がある国、また王朝の隆盛と没落を繰り返す中で仏教も弾圧されたり優遇されたり・・・・結果として中国の天台宗は歴史の彼方に消え、日本に渡った天台宗が現在まで脈々と繋がっていくこととなりました。

 

現在日本の天台宗信者は、令和5年版「宗教年鑑」によると約277万人、日本の仏教徒全体の約3%(277万 / 8390万)となります。

中国では現在、公の数字として天台宗の寺院・信者は確認されていないのだそうですよ。

 

ちなみに主要な各宗派の割合はこんな感じです。
(忘れちゃいけない黄檗宗!金峯山寺修験道など、日本の仏教宗派は他にもたくさんあります。)

このように宗派に多様性があり、共存していることも日本仏教の特徴なのだとか。さすが八百万の神々の国です。

  • 浄土真宗本願寺派 (西本願寺)  約775万人
  • 真宗大谷派 (東本願寺)     約728万人
  • 浄土宗            約602万人
  • 曹洞宗            約354万人
  • 日蓮宗            約277万人
  • 天台宗            約277万人
  • 高野山真言宗         約383万人
  • 臨済宗            約100万人未満

参考資料:令和5年版文化庁「宗教年鑑」

 

最澄の求めたもの

比叡山には「国宝殿」があります。
もちろん収蔵物には「国宝」もあるのですが、この名前の意味はそれではなくて、最澄が何を国宝と考えていたかということに由来しているのだそう。

山家学生式(大学受験で覚えたな〜〜〜!!!)
に最澄は「道を求める人」こそ国宝だと書いています。

 

一隅を照らすこれすなわち国宝なり

その人の行いがその場を明るく照らし、たくさんの灯が集まり、ひいては国を明るく照らしていく。だからこそ、「一隅を照らすこれすなわち国宝なり」

 

國寶とは何物なにものぞ。
寶とは道心どうしんなり。
道心有るの人を、名づけて國寶と爲す。
故に古人の言く、径寸十枚、是れ國寶に非あらず。
照千一隅、此れ則ち國寶なりと。
最澄 『山家学生式』※https://viveka.site/index.html参照 

一人でも多くの人が悟りが開けるようになり、幸せになれるようにしたい

最澄さんは、なんと20歳の頃に比叡山に籠った時から、一人でも多くの人に悟りが開けるようになり、幸せになれる国としたいしたいと願ったのだとか。

スケールが大きい。

最澄さん・・・・すっごくいい人じゃん。泣けちゃうよ・・・・。

 

三際中間。所修功徳。獨不受己身。普回施有識。悉皆令得無上菩提

(過去・未来・現在の)三際において修める功徳を、私独りで己が身に受けることなく、あまねく意識ある者すべてに廻らし施して、悉く皆が無上菩提を得られるようにする。

最澄 『願文』※https://viveka.site/index.html参照 

しかし、小野先生曰く、最澄の人生は多くの人に裏切られることもあった人生だったのだそう。弟子が空海のところに去ってしまうとか、空海と仲違いしてしまったとか・・・。有名ですね。

 

念願の戒壇の許し

当時、僧侶は国の認めた機関でしかなることはできませんでした。(最澄自身も東大寺で戒壇を受けています。)

しかし、多くの僧侶を輩出することで、また多くの人を救うことができると考えた最澄は、比叡山でも戒壇ができるよう何度も朝廷にお願いをしては見送られていたのだそう。

 

やっと入定の直前にやっと念願叶って比叡山での戒壇の許しが得られたのだそうです。

これにより、多くの宗派の宗祖を生み出した「日本仏教の母山」となる比叡山が完成したのです。

 

改めて、最澄さんとは・・・

 

なぜ最澄はままならない辛い思いをしても、人を信じ続けることができたのでしょうか。

そんな疑問を先生に尋ねたところ、「だからこそ、なのだと個人的には思っていますよ」とのことでした。

 

多くの人の「違い」を認め、その考え方を尊重することができる宗教「天台宗」

そもそも平安時代、奈良仏教があった中でまた新たに天台宗(あと密教もちょっとだけ9ヶ月の中で習っていたらしい)を広めるのかと問われた時、一つの教えだけでは全ての人が救えない、救う方法はたくさんあって良いと答えた最澄。

 

一目の羅、鳥を得ることあたわず。一両の宗、何ぞ普く汲むに足らん
『天台法華宗年分縁起』

 

このように世界の宗教がそれぞれの存在を認めあい調和・協力して世界平和に寄与することができる教えが、天台宗に受け継がれてきました。

比叡山は、法然、日蓮、親鸞、道元といった多くの宗派の始祖を生み出しました。

(比叡山、天台宗は「日本仏教の母」と呼ばれています。)

天台宗では唯一のご本尊を作らず、たくさんの仏様を本尊とします。

経典は法華経を基としつつ多くの経典を読誦しています。

だからこそ、のちの始祖たちが、自分の考えにあった教えを選びそれを宗派として広げていく懐の深さがあったのでしょう。

 

最澄は、まさに天台宗の在り方そのもののように、多くの人の「違い」を認め、その考え方を尊重することができる方でした。

自分と他者の違いを受け入れ、そこから学び、共に生きる姿勢は、現代社会における多様性や共存の大切さを教えてくれます。
まさに、いま求められる「国際的な視野を持つ人物」だったのではないでしょうか。

(・・・いや、マジでクールだな。奈良の天才と言われたのがわかるわ。)

 

不滅の灯

もう1つ、感動したのが「不滅の灯火」について。

これは最澄が比叡山に入山した際に創建した一乗止観院(いちじょうしかんいん)を基とした、比叡山最大の仏堂「根本中堂」に灯されている灯りのことです。

最澄が788年に薬師如来像に灯明を供えたのが始まりとされ、これまで約1200年の間、消えることなく灯されている灯りです。
(実際には比叡山焼き討ちの際に一度消えているのですが、立石寺に分けられていた灯しから復活させたそうです)

菜種油が切れないようにしっかりと日々守られているこの灯は「油断大敵」の語源にもなったとか。

最澄が20歳のころ、「多くの人を幸せにしたい」と願って一乗止観院に灯したその灯は、1200年を超えて受け継がれてきました。その間に仏教は日本中に広まり、仏教を基盤とした多くの文化も花開いていきました。

江戸時代、庶民の識字率が世界トップレベルだったとも言われていますが、それは寺院が各地に根づき、人々に知恵と学びの場を提供してきたからこそでしょう。

1200年前から、きっと人びとは知恵を得て、生活がより豊かになり、「自分で考え、選ぶ」ことができる社会が少しずつ築かれてきたのだと思います。

その始まりに、一人の天才のまっすぐな願いがあったのだと思うと…胸熱です。

 

そこであたらめて、最澄さんのイメージ。

「人の無限の力を信じ切った『信念』の天才」

 

まとめ

天台宗は、まさに現代にも通じる「多様性を認める懐の深さ」をもった宗派でした。

小野常寛さんが出家された際に抱いた「国際平和に貢献する僧侶になりたい」という願いも、天台宗の教えにしっかりと根ざしているのだと感じます。
違いを受け入れ、共に生きる――そんな天台宗の教えが、今を生きる私たちにも大切な視点を与えてくれる気がしました。

天台宗普賢寺住職小野常寛さん、深い学びの場をありがとうございました!
おすすめされていた本、どれか1つ読んでみたいと思います・・・!漫画が手始めには良さそうです・・・!
(おすすめ本の中に1つにおかざきまりさん「阿・吽」がありました。)

次回は空海が始祖の「真言宗」!講師は真言宗須磨寺派大本山須磨寺寺務長小池陽人さん

バッチリ参加してまいりました、次回更新もお楽しみに!

 

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これからも引き続き、手探りではありますが、
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ちょっと幸せな時間を
そして、お寺神社さまと楽しく、正しく、お付き合いできる日本文化が続くようにお手伝いできればと思います。
引き続き、巡縁をどうぞよろしくお願いいたします^^!!

 

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