とっておきの巡縁さんぽ in 尾道【後編】 ~浄土寺さんの“お守りづくり体験”と参拝が最高すぎた~

とっておきの巡縁さんぽ in 尾道【後編】 ~浄土寺さんの“お守りづくり体験”と参拝が最高すぎた~

2025.08.08

巡縁女子の尾道ツアー、後編

 

前編では、尾道の王道・千光寺を中心とした散策を楽しんだ巡縁女子一行。神社仏閣参拝をご紹介するサイトなのに、このままでは、ただの女子旅になってしまう!というピンチを迎えていますが…ご安心ください(?) 後編はガッツリとお寺のご紹介です。

伺ったのは、浄土寺さん。千光寺から少し東に進んだ場所にある知る人ぞ知る古刹なのですが、こちらでの経験がすばらしすぎて、「絶対行った方がいいよ!」と語りまくっております。

今回は、浄土寺さんの参拝と、定期的に開催されている“お守り作り体験”に参加させていただいたレポート、そして楽しすぎてテンションがあがって奥之院まで参拝してしまった話をご紹介します。

 

浄土寺とは?

浄土寺は、広島県尾道市にある、真言宗泉涌寺派の大本山。飛鳥時代、聖徳太子によって開かれたと伝わる古刹です。鎌倉時代、荒廃していた寺院を真言律宗系の僧侶が中興したものの、一度は焼失。その後、地元の有力者の手によって、現在の本堂や多宝塔、阿弥陀堂が復興されました。

この時に建立された本堂と多宝塔は、今では国宝に指定されています。

南北朝時代には、後醍醐天皇が祈祷を命じて因島の地頭職を寄進したり、九州に落ち延びる足利尊氏が戦勢挽回を祈願し戦いに勝利したことから利生塔を寄付したりと、瀬戸内の要地として栄えていきます。特に足利家との関係は深く、現在でも足利氏の家紋である二つ引門を寺紋として使い続けています。

室町時代には朝廷色が濃い寺院として繁栄しましたが、やがて戦国時代に移る頃には次第に衰退。関ヶ原の合戦後は江戸幕府の支配下に置かれ、寺領はすべて没収されてしまいました。そして、時代の落ち着きと共に、浄土寺は次第に地元の豪商をはじめとした庶民から信仰される寺院へと変化していきました。

現代でも、地元の人たちから篤く信仰される地域に根差したお寺となっています。

 

道中は、“ギリギリ”の道!

 

千光寺近くから浄土寺さんまでは、車で移動します。

ナビを設定して進むと、国道から少し小高い山の方へ向かっていきました。すると、1台前に、真っ赤なポルシェが。あの人も浄土寺さんに行くのかな?などと話していたのですが、そんな道中、次第に道幅がかなり細くなっていきます。

「本当にこの道行けるの?」と不安になりつつ。浄土寺さんの山門前にたどり着く頃には、まさに車幅ギリギリでした。前のポルシェがいたから何とか自分も行けると思いましたが、1台で行っていたら心が折れていたかもしれません…

そんなギリギリの道を進んだところで、何とか駐車場に到着。そして、先導してくれていたポルシェは何と、Uターン!道を間違えたのかもしれません…

しかも、途中で「ゴリっ」という恐ろしい音が…。感謝と同情を送りつつ、境内へと向かいました。

 

国宝、重文、名勝…文化財だらけのお寺へ

当日は、副住職である小林さんがご対応くださいました。

早速、中にお通しいただけたのですが、そこはまるで、別世界!畳敷のお部屋は福山藩の絵師だった方による襖絵に囲まれ、その中央にはレトロモダンなソファ。そして、縁側の先には、国が名勝に指定した枯山水のお庭が広がり、渡り廊下で本堂につながっています。語彙の少ない巡縁女子の口からは「うわぁ」「すごい…」という言葉しか出ませんでした。

まずは、本堂の中からご案内いただきます。

鎌倉時代末期に建てられた本堂。当然のように、国宝だそうです。お寺らしい、とても落ち着く内陣。その中には、驚くべきものがありました。御本尊である「十一面観音像」、残念ながら秘仏のため拝見することはできず。

しかし、その前にさりげなく置いてある、大きな太鼓。実はこれ、鎌倉時代のもので、日本最古の太鼓の可能性があるというものだそう!

小林副住職が叩いて下さった動画があるので、ぜひ見てみてください。日本最古の太鼓だと思うと、何か違って聞こえませんか?

 

阿弥陀堂がすごかった。

続いて、本堂から渡り廊下を進んだ先にある阿弥陀堂へ。

今回、特別に拝観させていただいたのですが、こちらが本当にすごかった!まず、開けた瞬間、打ち合わせもしていないのに、全員が同時に「わぁ…」と感嘆を漏らしました。突然、ふわっと何かが出てきたのを同時に感じたのです。あ、暑い日でしたが、冷気とかではないですよ。

以前訪れた延暦寺で体験したような、温かいものと同じ。濃密な仏様の風を受けたような感じで、とても満ち足りた気持ちになりました。

こちらの建物は南北朝時代に建てられたもので、国の重要文化財に指定されているそうです。また、本尊は県の重要文化財に指定されている阿弥陀如来像なのですが、この仏様がすごくいい!何ともいえない優しいお顔で、思わず座り込んで手を合わせてしまいました。

もう1つ印象的だったのが、天井と壁の間の欄間部分がだまし絵のようになっていて、見る角度によって違う模様が浮かび上がります。

堂守さんが案内して下さる特別拝観(800円)では堂内に入ることができます。ぜひ機会があったら参拝してみてください。すばらしい空間でした。

 

続いて、お守り作り体験へ

 

本堂や阿弥陀堂などに圧倒された状態で、いよいよお守り作り体験です。

まずは願い事を決めます。私と運営は、「心願成就」を、同行していたもう一人の巡縁メンバーは、「身体健康」を選びました。

願い事は、お守りの中に入れる木の板に、焼き印で押していきます。実はこの焼き印の過程で、珍事件がありました。運営が最初に焼き印を押したのですが、「心願成就」の「心」だけがどうしても焼き付かなかったのです!原因は焼き印が温まっていなかったからなのですが、「運営は心がない」というちょっとした伝説になりました…

そして、焼き印が温まったところで、再びの、じゅーっ。今度はきちんと、心も含めて焼き付きました。

続いて、お守りを入れるための袋を選びます。これがまた、すっごくかわいい!そして、選んだ柄が3人とも全員違う上、誰も女子女子していないと爆笑!この柄は定期的に入れ替わっていて、最近の浄土寺さん情報によると猫柄が登場したそうですよ。猫の町でもある尾道の思い出にぴったりですね。

お守りが完成したら、本当は本堂で御祈願を受けられるのですが、この日は残念ながらご祈願は受けられず。後日、郵送にてお届けいただけることになりました。

 

ラストは、自分でお抹茶を点てる体験

 

お守りも完成して大満喫したあと、最後は自分で点てるお抹茶をいただくという体験まで待っていました。竈で沸かしたお湯を入れていただき、しゃかしゃかと茶筅でお茶を点てる。そして、お菓子をいただいて、ズズズ、とお茶をいただく。ふと見上げた先には、重文の茶室を要する名勝の庭園が…あれ、最高すぎませんか?

ステキな空間で参拝し、素晴らしいものを拝見して、楽しくお守りを作って、美しいお庭を見ながらのお茶時間。これぞまさに、贅沢な非日常という体験ができました。

まだまだあった、浄土寺さんの体験。

 

すばらしい体験でした~で締める感じでしたが、浄土寺さんでは実はこれ以上に色々とありました。しかも、どちらも動物にまつわるもの。ぜひ、驚きを共感してください。

 

鳩なのに、お稲荷さんが願いを届ける!?

 

足利尊氏が船で京に攻め上る途中、白鳩が浄土寺に導いてくれたという伝説から、浄土寺さんには鳩のモチーフをしたおみくじやお守りがあります。

中でもキュートなのが、鳩の焼き物を境内に奉納してお願いを届けてもらうというもの。紙にお願い事を書いて、鳩の体内に納めて境内に奉納すると、鳩が良いご縁をつないでくれるそうです。

 

が、最近この鳩を巡って、ある珍事が起きているそう。

それは何と、狐!

実は浄土寺さんの境内では、納められた鳩たちがいつの間にか消えているという事件が起きていました。誰かのいたずらか!?と考えた浄土寺さん、防犯カメラをつけて犯人を特定しようとしました。すると、そこに映っていたのは、何と狐!狐がせっせと鳩を運んでいたのですっ!

もう、こんなことあります!?っていう珍事件ですよね。しかも、狐は裏山に帰っていくらしいのですが、そこには何と、お稲荷さんがっ!

多分、鳩に込められた願いを、御使いの狐がお稲荷さんに届けてくれているのでしょうね…。

何ともびっくりなお話。当然、我々も狐が持って行く場所にコッソリお供えしておきました。

 

まるで映画のワンシーン!門から出ていく鳩たち

鳩もお供えして、さぁ帰ろうと言いつつ、名残り惜しくてまだ境内に居座る3人。

特に山門の先に海が見える景色が最高に絵になっていて、運営が喜んで動画を撮っていた時でした。突然、一羽の鳩が、バサバサと羽音を立てて向かってきたのです!山門の真ん中を通って出ていく姿。まるで映画のワンシーンのよう!

大はしゃぎをして、スマホの動画見返していた時でした。

 

バサバサバサバサ…

何と、境内にいたほとんどの鳩たちが、一気に山門を飛び出してきて、海の方へ出て行ったのです!

あまりのことに、言葉を失う一同。そして、何だかおもしろすぎて、大爆笑してしまいました。こんなこと、映画でもなかなかない!

本当に、浄土寺さんは動物まですごいのですね。

 

天空の鳥居!奥の院まで行ってみた。

 

まだまだ続く、浄土寺さんのお話。

尾道行きが決まった時、メンバーがSNSを駆使して、様々な情報を調べてくれていました。その1つが、浄土寺さんの奥の院にも「天空の鳥居」があるということ。天空の鳥居といえば香川県の高屋神社が有名ですが、尾道の「天空の鳥居」とは一体どんな感じなのか!テンションが上がった状態の3人で立ち寄ってみることにしました。

 

まさに修験の道…立ち入ったことを後悔する私。

 

標高178.8mの浄土寺山。下から登るのはちょっと…と思っていましたが、展望台があるので、近くまで車で行けるようです。実際に行ってみると車1台がやっと通れるほどの道でしたが、正直、ポルシェがギリギリ通っていった浄土寺さんの駐車場までの道のりの方がハードでした(笑)

 

奥の院までは比較的あっさり到着しましたが、時間も夕方だったからか、道中はちょっと怖い雰囲気でした。

奥の院はあっさり見つかりましたが、肝心の鳥居はどこにもありません。

GoogleMapの示す方向に行ってみようにも道がない…

唯一あるのは、修験に使われていたという下りの道のみ。山道で、すでに体力も残り少なく、テンションも下がってきたのであきらめたいと思った筆者だったのですが、「せっかく来たのだからやっぱり天空の鳥居に行こう!」という残りのメンバーたち。確かに、ここまで進んだのだから、行こう!と思ったことを、下り始めて数秒で後悔しました…うん、これ、登山だよね。

延々と続く下り坂。そして、例の文字が頭をよぎります。

「下ったら上がる…」

アップダウンです。山です、完全に。そう、よく考えたら、ここ、修験の道なんですよね。

 

驚きの不動岩と、ついに見つけた天空の鳥居!

 

息を弾ませながらどんどん下っていくと、山の八合目あたりにあるという不動岩に到着しました。その名の通り、不動明王が刻まれた岩です。

実際に見ると、「これ、堀ったの!?」とびっくりします。クオリティ高いですし、場所がまたすごい。

またこの不動岩の隣には麓から山頂まで続く3つの鎖岩があり、山伏に憧れている運営は「登ってみたいね!」と、目をキラキラさせながらテンション爆上がり。私は心の底から遠慮したいと思いました。

再び歩いていくと、先を進んでいた別のメンバーの「あったよー!」という声が。

おお~、ゴールは近い!

最後の力を振り絞って進みます。するとついに、天空の鳥居と対面!香川県の鳥居を想像していたので、鳥居の先に海が見えると思っていましたが、こちらは鳥居の先は、瀬戸内海に浮かぶ島の山でした。それでも、到着した時は本当に感動でした。

鳥居の先にはないですが、横には海がばっちり映ります。何より、鳥居から見る景色が、絶景。一連の時間が本当に幸せで満たされていて、何度も「来てよかったね」と言い合いました。

 

うん。さぁ、帰りです。下ったから、上るぞ!

というところで、本来は展望台にも行きたかったのですが、今後こそ力尽きてしまい断念しました。

 

まとめ

 

尾道参拝旅の後編をお届けしました。濃すぎる浄土寺さんでのあれこれ。実は宝物館にも寺宝が山盛りだそうで、ぜひ次回伺った時は拝見したいと思います。

浄土寺さんでは、仏教やお寺に親しんで欲しいという思いから、様々な体験や行事が開催されています。今回のお守り作りや、普段は非公開のお茶室「露滴庵」の公開、来年春には出張レストランなどのイベントも計画されているそうです。詳しくは浄土寺さんのHPやインスタをチェックしてみてください。

 

 

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