2026.10.02
愛知県豊川市にある豊川稲荷(妙嚴寺)で、72年ぶりとなる「御開帳」が開催されます。
御開帳とは、普段は厨子の奥深くに納められている「秘仏」を、特別に公開する行事のこと。
今回、豊川稲荷では秘仏・豐川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)を納めた厨子の扉が開かれ、本殿前には尊天さまとのご縁を結ぶ「御縁柱」が建立されます。
期間中は、尊天さまを神輿に乗せて境内を練り歩く「御開帳大祭」や、夜の境内をライトアップする「ヨルモウデ」、普段は御祈祷を受けた方しか入れない本殿内を拝観できる「本殿拝観」など、この期間ならではの催しが目白押しです。
72年ぶりという、またとない機会。
日程や御祈祷の受け方といった基本情報から、大祭・ヨルモウデ・本殿拝観それぞれの楽しみ方まで、詳しくご紹介します。

画像提供:宗教法人妙厳寺(PR TIMESプレスリリースより)
豊川稲荷は、愛知県豊川市にある寺院。正式名称を圓福山妙嚴寺といい、「稲荷」という名前がついていますが、神社ではなく曹洞宗のお寺です。
寺伝によると、鎌倉時代、順徳天皇の第三皇子であり、道元禅師の法を嗣いだ寒巖義尹禅師(かんがんぎいんぜんじ)が、宋から帰国する船上で、白い狐にまたがった霊神と出会ったと伝えられています。
禅師はその姿に深く感銘を受け、帰国後に自ら像を刻み、守護神としてお祀りしました。これが、後の豐川吒枳尼眞天です。
時代が下って嘉吉元年(1441年)、寒巖禅師から数えて六代目の法孫にあたる東海義易禅師が、この地に妙嚴寺を開創。御本尊として千手観世音菩薩を安置し、寒巖禅師伝来の豐川吒枳尼眞天を鎮守としてお祀りしました。
稲穂を荷い、白い狐に跨るそのお姿から、いつしか「豊川稲荷」の通称が広まり、今川義元・織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など、歴代の著名人からも篤い信仰を集めてきました。
なお、豊川稲荷についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
インドでは「ダーキニー」と呼ばれ、もとは屍肉を喰らう恐ろしい鬼女とされていました。しかし、大黒天(大日如来と同一視されることがある)に調伏されて仏教に取り込まれ、仏法を守る護法善神になったといわれています。
インドでは、赤い体に髑髏の首飾りをつけた恐ろしい姿で表されますが、やがて中国を経て日本へ伝わるなかで、稲穂を荷い、宝珠を手にし、白い狐にまたがる現在のような荼枳尼天(だきにてん)の姿へと変化していきました。
豊川稲荷でお祀りされている豐川吒枳尼眞天も、稲穂を荷い、宝珠をもち、白い狐に跨るお姿です。
御開帳とは、寺院で普段は厨子などに奥深く納められ、一般には拝観できない本尊や秘仏を、一定期間だけ公開する行事のこと。「開扉(かいひ)」や「啓龕(けいがん)」とも呼ばれます。
今回の豊川稲荷の御開帳では、秘仏・豐川吒枳尼眞天を納めた御厨子の扉が開かれます。
そして、本殿前には参拝者と尊天さまとのご縁を結ぶ「御縁柱」が建立され、尊天さまと御縁柱が、五色の「善の綱」によって結ばれます。
御縁柱に触れることで、尊天さまとご縁を結べるとされているのです。
ここで少しややこしいのが、御開帳期間中には「御縁柱への参拝」「本殿拝観」「御開帳特別祈祷」「御開帳大般若祈祷」など、いくつかの参拝方法があること。
「結局、どうお参りすればいいの?」という方のために、まずは簡単に整理しておきましょう。
まずは御縁柱に触れて尊天さまとのご縁を結ぶのが、今回の御開帳での基本の参拝。
そのうえで、「本殿の中も拝観したい」「御前立尊像へ内陣拝礼したい」「特別な大般若祈祷を受けたい」など、体験したい内容にあわせて参拝方法を選ぶとわかりやすいでしょう。
それぞれ何ができるのか、もう少し詳しくご紹介します。
今回の御開帳で、まずお参りしたいのが本殿前に建立される「御縁柱」です。
御縁柱は、五色の「善の綱」によって尊天さまと結ばれています。
御縁柱に触れることで、尊天さまとご縁を結べるとされています。
御祈祷や本殿拝観を受ける・受けないにかかわらず、まずはここで72年ぶりの御開帳ならではのお参りを。
そのうえで、さらに本殿の中を拝観したい方は「本殿拝観」、御前立尊像へ内陣拝礼したい方は「御開帳特別祈祷」へ進みます。

画像提供:宗教法人妙厳寺(PR TIMESプレスリリースより)
「御祈祷を受ける時間はないけれど、いつもより近くで尊天さまにお参りしたい」
そんな方にぜひ知っておいてほしいのが、御開帳期間限定の「本殿拝観」です。
普段は御祈祷を受けた方のみが入れる、本殿内の赤毛氈が敷かれた「祈祷施主殿」が、御開帳期間中は特別仕様となり、一般の参拝者も拝観できます。
内殿の中心には、善の綱でつながった銅製の尊像も祀られています。
本殿拝観料は大人500円・中学生以下200円。このほか法堂・万堂・襖絵などを巡れるセット券も用意されています。
ただし、ここで大切なのが「本殿拝観」と「御前立尊像への内陣拝礼」は別だということ。
御前立尊像への内陣拝礼を希望する場合は、次にご紹介する「御開帳特別祈祷」を受けます。

画像提供:宗教法人妙厳寺(PR TIMESプレスリリースより)
巡縁編集部も「これは受けたい!」と思っているのが、御開帳期間中の特別御祈祷です。
通常、御前立尊像への内陣拝礼は1人3万円以上の御祈祷を受けた方が対象ですが、御開帳期間中は、1人5,000円以上の御祈祷で内陣拝礼ができます。
これはかなり貴重!
御祈祷後には本殿の内陣へ入り、御前立尊像へ直接拝礼することができます。
御開帳特別祈祷は1人5,000円から。祈祷料は5,000円・10,000円・30,000円・50,000円以上の区分があり、板札や記念品など内容が異なります。
つまり、「せっかくの72年ぶりの御開帳。御前立尊像へ内陣拝礼したい!」という方はこちらです。
さらに、特別な御祈祷を体験したい方には「御開帳大般若祈祷」があります。
豊川稲荷といえば、『大般若波羅蜜多経』六百巻を転読する、力強くダイナミックな御祈祷も大きな特徴。
御開帳期間中は、11月1日・7日・11日・14日の12:00〜13:00に行われます。
こちらは1人20,000円、1日150名限定。公式サイトでは現在『予約満員』と案内されています。
今回の御開帳は、2026年11月1日(日)〜11月23日(月・祝)に開催されます。
さらに御開帳に先立ち、10月24日から関連する法要・行事が始まります。
御開帳期間中は、法要だけでなく、この時期ならではのイベントも開催されます。
開催期間:10月31日(土)〜11月23日(月・祝)
時間:10:00〜16:00
墨絵師・西元祐貴氏による展示。御開帳記念企画として制作されている「豊川 新鳥獣戯画」の第二弾「乙巻」は、11月3日に完成予定です。

画像提供:宗教法人妙厳寺(PR TIMESプレスリリースより)
開催期間:11月1日(日)〜23日(月・祝)
境内には約30店の屋台が並ぶ予定。参拝とあわせて、にぎやかな境内の雰囲気も楽しめます。
11月3日(火・祝)17:00〜
豊川進雄神社による「綱火」が奉納されます。
綱火は、麻綱に仕掛けられた噴出煙火を走らせる、豊川に伝わる伝統的な神事です。
開催予定:11月1日〜3日・期間中の毎週金・土・日
時間:17:00〜21:00
境内ライトアップ:無料
夜の豊川稲荷を光と音で彩る「ヨルモウデ」。
ライトアップされた境内を歩けば、昼間とはまったく違った豊川稲荷の表情に出会えます。
さらに同日には、庭園・通天廊のライトアップや、西元祐貴美術館のナイトミュージアムも開催予定です。
庭園・通天廊ライトアップ:17:00〜20:00・有料
ナイトミュージアム:17:00〜20:00・有料
11月21日(土)16:00〜21:00
御開帳大祭初日の夜には「白狐祭」も開催予定です。
昼間の御開帳大祭から、そのまま夜の白狐祭まで楽しむのもよさそうですね。
72年ぶりの御開帳に足を運ぶなら、御開帳だけでなく、この期間ならではの催しもあわせて楽しみたいところ。
昼間は御縁柱にお参りし、本殿拝観や御祈祷へ。
開催日が合えば、墨絵ミュージアムや境内屋台などを楽しみ、夕方からは「ヨルモウデ」へ向かうのもよさそうです。
御開帳期間中の金・土・日と11月1日〜3日は、17:00〜21:00に夜の豊川稲荷を楽しめる「ヨルモウデ」が開催予定。境内ライトアップは入場無料です。
かつては有料イベントとして開催されたヨルモウデですが、今回は境内ライトアップを無料で楽しめるのもうれしいポイント。
さらに、有料の庭園・通天廊ライトアップや、西元祐貴美術館のナイトミュージアムも同時開催されます。
昼は72年ぶりの御開帳、夜はヨルモウデ。
せっかく豊川まで足を運ぶなら、1日かけて特別な豊川稲荷を満喫してみてはいかがでしょうか。

画像提供:宗教法人妙厳寺(PR TIMESプレスリリースより)
2026年11月1日から23日まで開催される、72年ぶりの豊川稲荷御開帳。
初めて訪れる方は、まず本殿前の御縁柱へ。御縁柱に触れることで、尊天さまとのご縁を結べるとされています。
そのうえで、本殿内を拝観したいなら「本殿拝観」、御前立尊像へ内陣拝礼したいなら「御開帳特別祈祷」、日時限定の特別な御祈祷を体験したいなら「御開帳大般若祈祷」と、目的にあわせて参拝方法を選んでみてください。
なかでも、御開帳期間中は5,000円以上の御祈祷で御前立尊像への内陣拝礼ができるという、またとない機会です。
72年という時を経て迎える、特別な御開帳。
御開帳大祭やヨルモウデなど、期間中ならではの催しも予定されています。気になる行事の日程もチェックしながら、ぜひ豊川稲荷へ足を運んでみてください。
※掲載内容は2026年9月時点の情報です。行事内容・開催時間などは変更となる場合があります。参拝前に公式サイトで最新情報をご確認ください。


Dera
「巡縁」では関西方面を担当。寺社仏閣巡りと御朱印集めが趣味。クラフトビールに目がない。