坂東三十三観音霊場に行ってみた話②ドン万次郎とオーバーザレインボー

坂東三十三観音霊場に行ってみた話②ドン万次郎とオーバーザレインボー

2025.04.12

巡礼の旅、2回目も神奈川県。 

先日スタートした、坂東三十三観音霊場のレポート。他の記事よりも地味な内容なのですが、少なからず興味がある方がいらっしゃるご様子。 

 

 

初心者の方が霊場すべてを回りきるのはハードルが高いと思うのですが、正直、前回の1回目と今回の2回目のお寺に関しては、かなり行きやすいです。巡礼気分を味わってみたい方は、神奈川県の分だけ回ってみるのもおすすめですよ。 

さて、2回目となった今回の旅も、なかなかの珍道中でした。ぜひ一緒に旅をしている気分で、お付き合いください。 

 

2度目の巡礼は、いきなりの土砂降り。 

2回目の巡礼は、2021年2月。巡ったのは神奈川県の西部、鎌倉からやや離れたエリアにある4ヶ寺です。 

暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い時期だったのですが、加えてこの日はまさかの土砂降り!私も同行者もしっかり晴れ女なのでなかなか珍しい状況でしたが、レンタカーも予約していたし休暇も合わせたし致し方なし!と出発することにしました。 

 

第五番札所 飯泉山 勝福寺(しょうふくじ)  

土砂降りのハードな高速を進み、到着したのは小田原市。と言っても、かなり入口に位置するお寺なので、小田原厚木道路を使えば1時間ほどで到着します。進むにつれて雨は次第にゆるくなっていたものの、お寺に着いた頃もまだまだ雨。ただ、こちらはすぐ目の前に広い駐車場もあり、大変車で参拝しやすかったです。 

 

勝福寺について 

飯泉山 勝福寺(しょうふくじ)

勝福寺は、小田原市にある真言宗東寺派の寺院。奈良時代、下野国に左遷された弓削道鏡が、上皇から賜った鑑真ゆかりの十一面観音を安置したのが始まりと言われています。ご本尊はこの十一面観音。当初は補陀落山という名前で別の場所にありましたが、平安時代に現在の場所に遷座されました。 

鎌倉時代の仇討ちで有名な曽我兄弟が日参したり、二宮尊徳(金次郎)が旅僧の観音経を聞いて発心したりと、様々な言い伝えが残されています。 

 

咲きはじめの梅に春を感じる 

入口の仁王門からかなり歴史が感じられる寺院ですが、山門を入るとかなり広くて、スッキリとした雰囲気です。神奈川県の天然記念物に指定されている立派な大イチョウや、二宮金次郎が拝んでいる像など見どころも多いのですが、この時点でもまだまだ雨が降っていたので、わりと足早に参拝させていただきました。ただ、境内の梅の花がいくつか咲いていて、寒いながらも春は来ているのだな~とほっこりしました。 

御朱印所は、隣接する建物でいただけます。敷地が違うので、迷わないようにご注意くださいね。 

 

ここでいきなりのプチ事件がありました。駐車場から出る時、ゆるく走って来る軽トラのおじいちゃんが見えました。私が出た道路側が優先で、向こうは一時停止。しかし、嫌な予感がしたので、少しゆっくりと走ると、おじいちゃん、一時停止完全無視で、しかもスピードを上げて突っ込んできました!気を付けていてよかった~!!ちょうどお寺から出たところだったので、見事に仏様に守られた気持ちになりました。ちなみに、おじいちゃんには、幹線道路に出るまで、20~30kmで引っ張られて…(汗)ぜひ、免許返納を前向きに検討していただきたいですね…。 

 

 

 

第七番札所 金目山光明寺 

金目山光明寺 

勝福寺から車で20分ほど、次に向かったのは平塚市にある光明寺です。境内の裏手に駐車場があります。入り口は金目川側にあるのですが、この川沿いののどかな道を歩くのが結構好きだったりします。金目川は桜の名所でもあり、シーズンになるとお花見客が多く訪れるのだとか。 

この頃には幸い雨も弱まっていて、空も少し明るくなっていました。 

 

光明寺について 

光明寺は、平塚市にある天台宗の寺院。飛鳥時代に海女が海から得た観音像を安置したのが始まりと言われています。ご本尊は聖観世音菩薩で、別名金目観音とも呼ばれています。 

鎌倉時代には源頼朝により寺領を寄進されたり、江戸時代には江戸幕府の帰依を得て伽藍が復興されたりと、関東の武家に篤く信仰されました。また、頼朝が実朝を身ごもった政子の無事の出産を願ったことから、安産祈願のお寺としても知られています。 

 

巨大わらじとはだしの仁王さん 

こちらのお寺には、到着した瞬間から結構びっくりするものがあります。それは、仁王門にかけられた、かなり巨大なわらじ!そして、よく見ると、山門の金剛力士像は、はだしだったりします。仁王さんにわらじを奉納することで、足をはじめとした体を守ってもらおうという信仰だったそう。それが、次第に大きなわらじを奉納するようになったそうで、健康への欲望がすごすぎる!我々もこれから先の参拝に備え、健脚のご利益をお願いしておきました。 

本堂の横には、聖徳太子像が安置されています。なぜに聖徳太子?と思っていると、ご本尊の胎内に納められた観音像が、聖徳太子作と伝えられているからだそう。それが海を流れてきて、神奈川の沖で海女さんに拾われるとか、何とも不思議なエピソードですね…。 

 

 

 

第八番札所 星谷寺 

妙法山 星谷寺(星の谷観音)

続いては、光明寺から横浜方面へ車で40分ほどの星谷寺。ここまで2つのお寺がのどかな場所にあるのに対して、こちらの星谷寺は国道からも近い住宅地の中にあり、かなり雰囲気が変わります。お寺自体もとても現代的でキレイに整備されていて、都会のお寺!という感じでした。交差点の中に入口があり、入ると広い駐車場も用意してくださっています 

 

星谷寺について 

星谷寺は、座間市にある真言宗大覚寺派の寺院。天平時代、行基によって、寺の北東の山の頂にあった観音堂の別当として建立されました。その後、観音堂が鎌倉時代に焼失したことから、現在の場所に遷座されたそうです。ご本尊は聖観世音菩薩で、別名星の谷観音とも呼ばれています。 

 

ミステリー!星谷寺の七不思議とは!? 

こちらの星谷寺には、何と七つの不思議があります。突然のミステリー展開ですが、怖い物ではないのでご安心を。 

  1. 撞木が1つの梵鐘。普通は2つあるらしく、日本三奇鐘の1つだそうです。 
  2. 咲き分け散り椿。1本の椿から5通りの花が咲き、花弁が1枚ずつ分かれて落ちるのだとか。 
  3. 観音草。これは、坂上田村麻呂が東北遠征時に奇病にかかった時に境内の草で治ったというもので、別名・田村草と呼ばれているそうです(田村草!ネーミングにつっこみ入れたいですよねww) 
  4. もみじの老木。幹が乳房のようになっていたそうですが、残念ながら現在は枯れてしまったそう。 
  5. 不断桜。開花期以外にも年中どこかの枝に花をつけています。 
  6. くすの木の化石。揺すると水の音がするそうです。 
  7. 星の井戸。昼でも星が見えます。 

現代まで残っているものとそうでないものがありますが、とくに⑦の井戸は結構キレイなので、ぜひ不思議体験をしてみてください。 

なお、こちらのお寺さんは、御朱印をいただく際の料金などは自動券売機で支払うシステム。こちらもちょっとおもしろい体験でした。 

 

第六番札所 飯上山 長谷寺 

飯上山 長谷寺 

星谷寺で不思議体験をした後は、この日最後のお寺となる長谷寺へ。前回訪れたのは「はせでら」ですが、こちらは「ちょうこくじ」と読みます。同じ神奈川県ではありますが、あちらがにぎやかな観光地であるのに対して、こちらは静かな山奥。座間市からお隣の厚木市にスライド移動するだけですが、30分ほどかかりました。周辺は人気のハイキングコースにもなっているので、駐車場もしっかりと整備されています。 

 

長谷寺について 

長谷寺は、厚木市にある高野山真言宗の寺院。開創には諸説あり、奈良時代に行基によって開かれたとも、平安時代に空海によって開かれたとも言われています。本尊は十一面観音菩薩で、飯山観音とも呼ばれています。桜、紫陽花、紅葉と、四季を通した色とりどりの植物が楽しめるスポットで、かながわの景勝50選とかながわの花の名所100選に選ばれています。桜が有名な寺院とあって、桜をモチーフにしたキュートな御朱印帳が大人気です。ただ、本当に山の中なので、次期によっては雪が降ります。ぜひ気候のいい時に訪れてみてください。 

 

雨上がりに、虹かかる! 

長谷寺に到着する頃には、朝から降り続いていた雨はすっかり上がっていました。ハイキングコースになっていることもあり、本堂までは結構な階段を上がっていきます。息が切れて、立ち止まってふと振り返った時でした。 

「あ、虹だ!」 

昼と夕方の間のような時間、絵に描いたような美しい虹がかかっていました。同行していた友人がつぶやきました。 

「何か、もう大丈夫かも」 

コロナや大切な人との別れで落ち込んでいた同行者の言葉。まだまだ始まったばかりの参拝ですが、スタートした意味があったなぁと、ちょっと泣きそうになりました。 

 

 

 

おまけ話:良い意味での大事件!見つけたお店「丼万次郎」が最高すぎた 

私と同行者は、自他共に認める、大の食いしん坊。とにかくおいしいものに対する嗅覚とアンテナがすさまじい2人組です。そんな2人の旅の楽しみといえば、巡礼中に立ち寄る美味しいレストラン。さて、今回はどこに行こうかな?と、予定を立てていた時のことでした。勝福寺の近くにある、とある文字に目を奪われたのです。その名も… 

 

丼、万次郎 

 

「ドン万次郎!?」「ちょ、もう、腹筋痛いwww」もう、名前がツボで、ツボで。絶対ここ行こう!行くしかないよね!!と大盛り上がりでした。 

そして当日、きちんと立ち寄った、丼万次郎さん。大人気店らしく、駐車場はほぼ満車でした。そして、名前もおもしろいのですが、店内もかなりのおもしろさ。何と、お料理が、ベルトコンベアーで運ばれて来るのですっ。しかも、そのボリュームがおかしい!さらに、そのお味も絶品!!! 

あまりの美味しさとコスパの良さに感動した私たちは、後日、この丼万次郎にご飯を食べに行こうツアーを実施したほど(正確には、大雄山に紫陽花を見に行こうツアーでしたが)。本当に美味しくて、リーズナブルで、おすすめのお店です。お近くにいらした際は、ぜひ行ってみてください。 

▷「丼万次郎 」さんのInstagramはこちら!

 

■お金のデータ■ 

今回の巡礼で使ったお金の記録です。 

 

  1. 勝福寺 御朱印500円 
  2. 光明寺 御朱印500円 
  3. 星谷寺 御朱印500円 
  4. 長谷寺 御朱印500円 

小計 2,000 

 

昼食:丼万次郎 2,772円(1人1,386円) 

 

交通(※2人で行ったので半分こしました) 

レンタカー:3,735円 

ガソリン代:1,876円 

高速道路(都内から):4,800円 

小計 1,3683円→1人6,841円 

 

1人あたり、10,222円でした。なお、毎度のお知らせですが2021年時点での金額なので、増減がある可能性があります。あくまで、参考程度にとどめてくださいね。 

 

まとめ。 

朝は雨でアンラッキーなスタートでしたが、ランチや虹など、結果としてはすばらしい巡礼の旅となりました。実は予算とレポートには入っていないのですが、帰りにお気に入りの温泉にも入った、大満足ツアーでした(ちなみに立ち寄ったのは、ドラマにめっちゃ出る玉川館さん。すばらしい美肌の湯でお気に入りの温泉でしたが、現在は日帰り入浴はやっていないようです…)。 

次回は、茨城栃木方面に向かいます。初っ端から珍道中が待ち受けているので、ぜひお楽しみに~! 

 

Deraさん自己紹介

 

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