2026.06.26
人間生きていると、「断ち切りたい」と感じる縁が生じてくるもの。
そんな、切りたくても切れない縁がある時に頼りたいのが、「縁切り」のご利益がある神社やお寺です。
関東にも縁切りの神社やお寺は数多くありますが、中でも「関東最強の縁切りパワースポット」と称されるのが、東京都板橋区にある「縁切榎(えんきりえのき)」。
その効果は絶大らしく、皇女和宮が嫁ぐときにはこの榎を通るルートを避けてわざと遠回りしたという逸話も。
最近では、タレントの壇蜜さんと漫画家・清野とおるさんのご夫婦が、結婚前にまずこの縁切榎で悪縁を切り、その後に東京大神宮で縁結びをしてから入籍したと話題になっています(漫画「壇蜜」より)。
そこで今回は、縁切榎の歴史やアクセス方法、実際に参拝してみた様子をレポートします。
縁切りを願う方、悪縁を切って良縁を結びたい方は、ぜひご参照ください!
縁切榎の歴史は、江戸時代にさかのぼります。
当時この地には、近藤登之助という旗本の屋敷がありました。
敷地には榎の木と槻の木(欅)が並んでいて、いつしか「えんのつき=縁がつきる」から「縁切り」と結びつき、人々の信仰を集めるようになりました。
ダジャレのようなエピソードから始まった縁切りでしたが、その効果が絶大と噂になり、男女の縁だけでなく、酒やタバコ、病気といったあらゆる「断ち切りたいもの」を願う参拝者がひっきりなしに訪れるようになります。
時には「榎の樹皮を削り取って、にくい相手に飲ませると相手は呪われる」という、恐ろしい儀式が行われていたという噂も…
時代を経て、現代榎の木は三代目になるそうですが、今でも多くの縁切りを願う方が参拝に訪れているようです。

縁切榎で特に有名なのが、前出の幕末の逸話です。
皇女和宮が第14代将軍・徳川家茂に嫁ぐ際、中山道にあったこの場所を、「縁起が悪い」と迂回したと伝えられています。
天皇家から将軍家への嫁入り行列がわざわざ遠回りするほど、その「縁切り」のご利益がいかにすごかったかが伝わるエピソードです。

今回参拝するのにあたり、ネットやSNSでクチコミを集めてみたところ、
『職場の人間関係に悩んでいた人が参拝すると、境内で突然風が吹き、数か月後に相手が病気で休職した。』
『しつこいストーカーとの縁切りを願ったら、別件で逮捕された。』
『なかなか退職できなかったブラック企業との縁切りを願ったら、会社が倒産した。』
『夫と縁切りしたく願ったら、愛人を作って離婚を言い渡されたのでスムーズに離婚した。もちろん両者から慰謝料をしっかりもらった。』
『苦手な上司と外回りの時に偶然を装って一緒に参拝したら、数か月後に上司が介護退職して縁が切れた。』
など、すごいエピソードがたくさん出てきました
…現代でも縁切りのご利益は絶大なようです。
※あくまで体験談・口コミとしてご紹介しています。
縁切榎へのアクセス
縁切榎は板橋区の住宅地の中にあり、電車でもバスでもアクセスのよい場所にあります。
〒173-0001
東京都板橋区本町18-9
電車の場合
都営三田線「板橋本町駅」1番出口より徒歩約5分。
都営三田線・東武東上線「板橋区役所前駅」からも徒歩13分ほど。
バスの場合
国際興業バス「仲宿」バス停すぐそば。
車の場合
専用の駐車場はありませんが、近くにコインパーキングが数か所あります。
現地に訪れたのは、桜が散って青葉が出てきた頃。
ただ、心地よい季節とは裏腹に、向かうのは数々の縁切りエピソードがあるスポット。
どんなにおどろおどろしい場所だろう…とドキドキしながら現地へ向かいました。

住宅地をぽてぽてと歩いていくと、小さな交差点の一角に、緑が茂った場所がありました。
おお、これが縁切榎! 第一印象は、思ったよりも明るい神社でした。
入口に石碑と、周囲を囲われた榎の木。細い参道の先に、小さな榎大六天神のお社が見えます。
インパクトがあるのは、参道にある自動販売機(後述します)。


決して広くない境内ですが、とにかく参拝者が多い!
それも、一気に行列するのではなく、ひとりお参りが終わったかと思えば、また次のひとりが来る。
絵馬を買って書いている間に、次のひとりがお参りをする。そして、そのひとりが手を合わせ終わると、また次の参拝者が現れる。
そんな感じで、常に人が途切れないのです。
そして、その全員が、かなり真剣な表情をしている…通常の神社とはまた違う、何とも言えない光景です。
年代は30~40代を中心に幅広い層が、また女性だけでなく男性の姿も多く見られました。まさに、老若男女問わずです。
今回、一組だけ男女で参拝をしている方々を見かけました。
話をしている雰囲気からは、互いの縁切りを願っている感じではありません。
「もしかして壇蜜さんと清野さんを見習っているのかな?」と邪推しました。この後、東京大神宮に向かわれるのでしょうか。

縁切榎の縁切り祈願は、お社に参拝した後、「絵馬」を奉納するスタイルです。
この絵馬が、また興味深い。
まず、境内の参道に設置された自動販売機で購入するというシステムです。そして、プライバシーを保護するシールがついています。
元々は近くにある「長寿庵」というお蕎麦屋さんで絵馬を販売していたそうですが、お店が開いていない時間でも購入できるようにと、自動販売機スタイルになったそう。
(参拝後に立ち寄ったお蕎麦屋さんで、他の参拝者の方と雑談されているのをダンボ耳で聞きました)。
絵馬を購入したら、隣に設置された台の上で願い事を書いていきます。
書き終えたら付属の個人情報保護シールを貼って、境内の絵馬掛けに奉納。一緒に入っているお守りは持ち帰ります。絵馬掛けにはびっしりと絵馬が並んでいて、参拝者の多さが伺えました。
なお、絵馬の価格はお守り付きで1,000円。硬貨は使用できないので、千円札のご用意をお忘れなく!

参拝後、せっかく来たのだから…と動画と写真を撮るべく、まずはカメラを出してみました。
が、ここでまさかの、電池切れサインが!前日に、間違いなく充電したのに!!
仕方なくスマホを使おうとすると、今度はカメラがブラックアウト!
個人の経験上ではありますが、「強い」神社ではたまにこういう現象が起きます。
慌てずに、いったん境内を出て、再度操作。
すると、スマホはすぐに復活しました。
ちょうど人が一瞬途切れたので、再びお社の前に行って「お写真撮らせてください」とお願い。
以後は何ごともなく写真と動画を撮ることができました。さすが縁切榎です…
境内を出ると、すぐそばにガチャガチャ形式「おみくじ」が設置されていました。
こちらは、神社と直接の関係はないものだそうです。
というのも、境内に「おみくじは関係ないのでガチャのゴミを捨てないで」というニュアンスの掲示板がたくさん貼られていて、カプセルを捨てられて本当に困っているのだろうな…というのがひしひしと伝わってきました。
1回100円とお手頃で、大吉から凶まで15種類の運勢が入っているそう。
そして、引いたおみくじを結ぶ場所は、境内ではなく、まさかの「板橋」!板橋区の地名の由来となっている橋に結ぶなんて、本当にいいの!?とドキドキ。

せっかくなので引いてみると、その結果がひどすぎた!
末吉だったのですが、中身は「この悪縁は、あなたに問題がある」という内容…でも、反省はせず、これからもワガママに生きよう!と誓い、ぎゅっと結んできました(笑)
「これからもワガママに生きる!」と言い切るRyoさんに、編集部は大爆笑でした(笑)
それは自分らしさを大切にしているからこそ!自由な発想で周りを巻き込み、たくさんの人を元気づけ楽しませてくれるのがRyoさんの魅力です。
なお、心配していた結ぶ場所ですが、板橋の近くに看板があって結べるようになっていました。
他にも町の中にいくつかのおみくじが用意されているそうで、そこを回ってみるのもおもしろそうです。

今回、かなり緊張して参拝していたため、参拝後少しふらふらしてしまいました。
ちょうどお昼を食べていなかったので、せっかくだから…と、近くにある長寿庵さんへ。
縁切榎の歴史を長年見守ってきたお店だそうですが、入口から店内まで、今は「壇蜜」をはじめとした清野さんの漫画がたくさん!ファンの方には嬉しい空間となっていました。
いただいたのは、季節限定の桜切り蕎麦。淡いピンク色のお蕎麦は香りが良く、細めでのど越しもよい。噂通り、とてもおいしかったです。
途中、縁切榎に参拝しに来た女性が、お店の方と絵馬の話をしていました。
前出の自動販売機になったエピソードや、「以前は店内で書いていただいていた」「今もここで書いていただいてもいいですよ」という声を聴きながら、まったりする時間が何とも心地よく
…もしかしたら、ここが真のパワースポット?などと思ってしまいました。
ぜひ縁切榎とセットで、訪れてみてください。

長寿庵
住所
東京都板橋区本町18-9
営業時間
月・火・水・金・土・日
11:00~20:00
定休日
木曜日
お蕎麦屋さんを出て、ふと縁切榎の方を見ると、また新しい参拝者が静かに手を合わせていました。
誰もがひとりで来て、ひとりで祈り、ひとりで帰っていく…きっとこの光景が江戸時代から続いてきたのだろうな、と思うと、何とも不思議な気持ちになりました。
今は辛いけれど、悪い縁を切って前を向いて進みたい!と願う方は、ぜひ榎を頼りに、板橋を訪れてみてください。

Ryo
趣味は寺社仏閣と国内旅行。旅行手配の手際のよさから、周囲の旅行プランナー役を担うことも。Bリーグ観戦、全国のスターバックス巡りも欠かせない。