2026.02.22
ストレスの多い現代において、最近写経が注目されています。
写経には集中力を高めるだけでなく、リラックス効果やストレス軽減、さらには認知症の予防にも効果があるそうです。
心身にうれしい効果があるものですが、元来は仏縁を深めたり、故人の供養や自分の願い事を込めて書いたりと、修行の一環として行われていたもの。
さらに、御朱印は本来、写経を納めた証拠としていただいたものであるため、巡礼の際に1枚ずつ納めるとよりご利益がいただけると言われています。
薄くお手本が印刷された用紙に筆ペンで記入すれば、気軽に取り組める写経。初めての方もぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
今回はそんな写経について、その歴史や手順、自宅で行う方法やおすすめの写経ができるお寺などを詳しくご紹介します。
写経は、仏教の経典を書き写す仏教の修行の一つ。
お経を書き写すこと自体に功徳があるとされ、個人の願い事だけでなく、他者のために供養や祈りを込めることもできます。
般若心経には、二六二文字の中に生きるための知恵「空」についての教えが凝縮されています。
一文字一文字に向き合ってていねいに筆を運ぶことで、心が静まり、自分の内側と向き合うことができます。
古来、仏の教えは口伝で受け継がれてきましたが、紀元前1世紀頃になると「経典」として文字で記録されるようになりました。
印刷技術がなかった時代、人々はこの経典を書き写して仏の教えを伝えるようになります。
これが写経のはじまりです。
仏教が中国に伝わった4世紀頃から、写経はより盛んになりました。
さらに書道と結びつくことで「美しい書体で写経する」ことも重要視されることとなり、国単位で多くの経典が保存されるようになります。
やがて、写経することで功徳を積むという目的が強まり、個人の願いや故人への供養などで写経を行う人が増えていきました。
日本には、飛鳥時代~奈良時代の仏教伝来とともに、写経文化が伝わったと言われています。
聖徳太子も熱心な写経者として知られており、奈良時代には写経所が設けられて国家事業としての写経も行われました。
平安時代には貴族や僧侶を中心に行われていましたが、やがて鎌倉時代になると武家や庶民も行うように。
写経はより身近に行える修行として、人々に広がっていきました。
元は修行として行われていた写経でしたが、
現代では以下のような効果があると言われており、日常に取り入れている人も増えてきました。
・リラックス効果がある
・集中力が向上する
・ストレスが軽減する
・自己と向き合える
さらに脳研究の権威である東北大学の川島隆太教授と学研の調査によると、
「写経は認知症の改善や防止策として、脳を活性化するのに最も効果が高い」という結果も出たそう。※毎日新聞 平成18年4月8日
美しい文字の練習にもなるので、大人の趣味として写経に取り組むのもおすすめです。
お寺のイベントとして行うイメージが強い写経ですが、
道具さえ用意すれば、自宅でも行うことができます。実際に写経するための準備や手順について、詳しくご紹介します。
道具を用意します。
初心者さんは薄くお手本が印刷されているものがおすすめです。
※写経用紙のリンクを。
筆で行うのが本格的ですが、まずは筆ペンから気軽に始めてみてください。
※ここは写経用筆ペンのリンク。
あった方がやりやすいですが、なくても大丈夫です。
手口を清め、身支度を整えてから、姿勢を正します。
心を落ち着けます。写経する前に坐禅や瞑想を行ったり、お香を焚いたりするのもおすすめです。
※木香炉と田中線香、すすめてみよう!
始める前に、お経の文字をじっくり見てみましょう。

経題の前は、1~2行空けます。
巻頭にある経名を書きます。
一行17文字ずつ書くのが唐時代からの書式です。
写経には古来より「1字3礼」という作法があり、1文字につき3回礼拝をしながら書き写す人もいました。
現代は難しいと思われますので、1字3礼の精神を持って書き写していきます。
本文の終わりとして記入します。後は1行、空行を設けます。前の空行は決まりではありませんが、お手本に従ってください。
写経の目的を書きます。
例:為○○家先祖代々供養・(戒名)菩提供養(〇〇には名字を入れる)
奉祈願 ○○ 心願成就(〇〇には名前を入れる)
願い事は、四文字熟語を用います。
例:家内安全 身体健全 心願成就 諸災消除 病気平癒 学業増進 世界平和など
写経した日の日時と、写経した人の名前を記入し、最後に「謹書」または「敬書」と記入して結びます。
自宅でもできる写経ですが、やっぱりお寺で体験してみたいもの。
最近は写経ができるお寺さんも増えてきました。
インターネットで「地域+写経」と検索すれば、希望するエリアで写経ができるお寺さんの情報もたくさんでてくるはずです。
ここでは、筆者がおすすめする写経が体験できるお寺を5つご紹介します。
日本ではじめて「写経」という言葉が出てくるのは、日本書紀の飛鳥時代のこと。
天武天皇が写経生を集めて一切経を写経した、というのが日本の始まりとされています。

この写経を行ったのが、明日香村にある川原寺さん。
現在も弘福寺と名前は変わったものの、同じ場所で写経道場が開かれています。
般若心経だけでなく、十句観音経や宝号写経もあり、初めての方はもちろんお子さんでも写経を気軽に体験できます。
都心のど真ん中に位置し、芸能人も足しげく通うという豊川稲荷の別院。

稲荷といえば神社のようですが、曹洞宗のお寺です。
写経会は月2回開催されていますが、1回は写経に向き合う書き納め、もう1回は読誦や椅子座禅・法話など禅宗ならではの体験がセットなっています。
鎌倉の山中にある、臨済宗建長寺派の大本山・建長寺。
美しく掃き清められた様を「建長寺」と呼んだという話がある程、いつ訪れてもゴミ一つ落ちていない清々しいお寺です。

木々に囲まれたお堂の中、時折鳥のさえずりが聞こえる中で行う写経は、まさに至極の時間です。
天台宗の総本山・延暦寺。

「日本仏教の母」と呼ばれる同山では、いくつかの場所で写経が体験できるようです。
筆者のおすすめは、横川での写経。

お堂内の心地よい空間で書き上げる写経は、旅の最高の時間になります。
予約なしでも体験できる上、時間の都合によって書き写すお経の種類が選べるのもありがたいです。
大阪御堂筋の中心、ハイブランドが立ち並ぶ都会のど真ん中にあるスタイリッシュな寺院・三津寺。

四つ星ホテルに包まれるような美しいデザインのお寺には、連日多くの外国人が参拝に訪れます。
月2回開催される写経は、通常の般若心経に加えて、仏様のお姿を写す絵写経も体験できます。
一見難しく見える写経ですが、始めてみると心が落ち着き、日ごろため込んだマイナスのものが落ちていくような気持ちになります。
そして、書き終わった時の達成感は格別なもの。自宅でも、寺院でも、ぜひ一度体験してみてくださいね。
書きやすいお手本入りの写経用紙に、お坊さんも愛用する写経が書きやすい筆ペン、そして最後にご紹介した三津寺さんが監修してくださった巡縁オリジナルの写経のしおりが、かわいいパッケージにまとめられています!
これから写経を始める方、すでにやったことがあるけれど追加で買ってみたいという方はぜひお求めください。

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