2026.10.11
「ただ見るのではなく、拝む」
りてん先生の願いから生まれた「発露の間」は、
今も参拝者の心の拠り所となっています。
でも先生には、もうひとつ、
胸の奥にずっと抱えていた心配事があったようで……

秘仏ご開帳中の蔵王勤行
そうですね。
文化庁の方からも
「まさに怪我の功名(怪我の功)ですね」と言われる出来事でした。
しかし、「怪我の功名」で済ませるにはあまりにも勿体なく、不遜なこと。
私はここでも「権現さま自らが動かれたのだ」と強く感じました。
ずっと秘仏として大切に守られてきたからこそ、
普段なかなか直視できなかったお身体の傷み。
「そろそろ傷んできているから治しておくれ!」
という権現さまの声が聞こえたような気がしてならないのです。
430年ぶりの修理、そして
「権現さまが動かれた」という、りてん先生の確信。
ご開帳は単なる公開行事を超えて、
権現さまご自身の意志によって動いているのかもしれません。
次のお話では、いよいよその「ご意志」が、
さらに大きな形で現れてきます!

田中 利典
京都府綾部市・林南院住職。金峯山寺長臈、種智院大学客員教授。1955年京都府生まれ。龍谷大学、叡山学院卒。修験道の歴史や祈り、受け継がれる文化を、誰もが親しみを持てる言葉で伝えている。
国宝・仁王門の大修理勧進のため、国宝・蔵王堂の秘仏ご本尊
「金剛蔵王大権現」が特別ご開帳されます。
※法要などにより、一時的に入堂が制限される場合があります。
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