「東国三社巡り」でリフレッシュ!関東屈指のパワースポットと佐原で絶品ランチ
2024.09.30
先日、伊勢神宮で特別参拝をしてきた筆者たちですが、神社仏閣に詳しい方から「伊勢詣での締めくくりには東国三社参りだよ」と教わりました。江戸時代に伊勢詣でからの帰りに、関東に戻る人々は東国三社へ参拝するのが恒例で、「お伊勢参りの禊の三社参り」と言われていたそう。そして、現在でもこの東国三社は関東最強と言われる程のパワースポット!さらなるご利益をいただくためにも、ぜひ参拝しなければ!
というわけで、今回は茨城県と千葉県にある「鹿島神宮(かしまじんぐう)」「息栖神社(いきすじんじゃ)」「香取神宮(かとりじんぐう)」を参拝してきた関東三社巡りの様子をご紹介します。
東国三社とは?
「東国三社」とは、茨城県にある「鹿島神宮(かしまじんぐう)」と「息栖神社(いきすじんじゃ)」、千葉県にある「香取神宮(かとりじんぐう)」の3つの神社を総称したものです。その歴史は大変古く、それぞれに日本の平定に関わる三柱の神様が祀られています。その強いパワーとご利益から、江戸時代には「お伊勢参りの禊の三社参り」として伊勢神宮への参拝後に多くの人々が訪れており、現在でも関東最大のパワースポットと言われているほどです。
さらに特徴的なのは、三社の位置がほぼ二等辺三角形を形成していることです。三社がつくる「トライアングルゾーン」は、関東の特別なエネルギーが集まる聖地として篤い信仰を集めています。
東京から日帰りOK!気軽に参拝できる巡礼旅へ
東国三社はすべて東京からそれほど遠くない距離にあるため、日帰りで巡ることができます。
東京から車の場合
最も遠い鹿島神宮までは、車で約1時間半で到着します。
そこから息栖神社までは約20分、さらに香取神宮へも車で約20分の距離です。
各神社には駐車場が完備されているため、車での参拝が初めての方でも安心して巡ることができます♪
東京から電車・バスの場合
東京からバスの場合、鹿島神宮までは八重洲口から出ている「かしま号」を利用すると便利です。
鹿島神宮停留所まで約2時間で到着します。電車の場合、総武快速線またはエアポート成田を利用し、成田線と鹿島線を経由して鹿島神宮駅まで向かうことができます。駅から鹿島神宮までは徒歩約10分で、ここまでトータル約2時間半の移動時間です。
東京から電車・バスでも、鹿島神宮からの行程はタクシーがおすすめです!
息栖神社は電車の駅から離れた場所にあるため、鹿島神宮からの移動にはタクシーの利用がおすすめです。バスもありますが、最寄りのバス停である「鹿島セントラルホテル」からは徒歩約30分かかります。
鹿島神宮から息栖神社までは車で約20分、さらに香取神宮へはそこから約20分ほどで到着します。香取神宮から香取駅までは路線バスが運行しています。
今回の「三社参り」はドライブで!
今回は、筆者たちは都内から車で向かいました。途中、少し渋滞に巻き込まれたり、サービスエリアに立ち寄ったりしながらも、ちょうど1時間半で到着。まさにドライブ旅行にぴったりの距離感でした。
まずは鹿島神宮にお参り
鹿島神宮(かしまじんぐう)は茨城県鹿嶋市にある、全国にある鹿島神社の総本社。創建は大変古く、紀元前660年頃の神武天皇元年と言われています。その敷地は広大で、何と東京ドーム15個分にもなるとか!
御祭神の武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)は、神産みの際に伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が伊邪那美命(いざなみのみこと)の死因となった火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)の首を十握剣で切り落とした際に、剣から滴り落ちた血から生まれました。国譲りの際には天照大神(あまてらすおおみかみ)の使者となって、大国主命(おおくにぬしのみこと)に国譲りを承諾させます。
さらに、拒否した大国主命の子建御名方神(たけみなかたのかみ)との力比べに勝利したことで、日本が平定されました。この戦いは相撲の起源とされていて、現代でも武道や勝負の神として信仰されています。
入口からパワースポットの鳥居!
早速参拝…という前に、まずは最初のパワースポットをチェック!参道の入口に立つ木製の鳥居、実は東日本大震災の後に建てられたもの。元々は石製の鳥居が立っていましたが、震災の時に倒壊してしまいました。しかし、あれだけ大きな地震だったにも関わらず、大きな被害はこの鳥居だけだったとのこと。
鹿島神宮は地震除けにもご利益がある神社。「鳥居が身代わりとなって神社を守った」と言われており、新たなパワースポットとして話題になっています。
日本三大楼門をくぐって高房社と拝殿を参拝
参道を進むと、朱色の立派な楼門が見えてきます。こちらは、阿蘇神社や筥崎宮と並び、日本三大楼門の一つとされています。さらに進むと、右手に拝殿が現れますが、その前に、左手にある小さなお社高房社を参拝しましょう。
ここに祀られている建葉槌神(たけはづちのかみ)は、国譲りの際に最後まで反対していた天香香背男(あまのかがせお)を説得した神とされ、最大の功労者に礼を尽くす意味で、先にご挨拶するのが習わしだそうです。
その後、拝殿に進みます。御祭神が祀られている本殿は、瑞垣(みずがき)の奥にあります。これらの社殿は、江戸幕府の二代将軍 徳川秀忠が奉納したものと伝えられています。
御祭神 武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)は、武運や勝負運だけでなく、新しいことに挑戦する勇気や、障害を取り除く力、さらに交渉力を高める御利益を授けてくださいます。また、御神宝である常陸帯(ひたちのおび)にちなみ、縁結びや安産の御利益もあるとのこと。二礼二拍手一礼でお参りをしました。
奥宮エリアは見どころがありすぎる!
拝殿で参拝を終えたら、続いて奥参道を進みます。樹叢に囲まれた自然豊かな参道、何と600種類もの木々が植えられているそうで、歩いているだけで心が洗われるようでした。
まもなく左手には、鹿園(ろくえん)が見えてきます。
鹿は鹿島神宮の神の使いとされていて、奈良時代には鹿が武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)の御分霊を乗せて奈良の春日大社(かすがたいしゃ)まで運んだそうです。現在奈良公園にいる鹿たちは、その末裔だとか!鹿にはエサをあげることができ、鹿せんべいを持っていくと、かわいい鹿たちがもふもふと寄ってきてくれて、とても癒されました♡
さらに先に進むと、右手に奥宮があります。御祭神である武甕槌大神の荒魂が祀られているそうで、こちらにも忘れずに参拝。
その先は道が左右に分かれていて、左手に進むと、毎日40万リットルもの水が湧き出ているという御手洗池(みたらしいけ)が。水底が見渡せるほどに澄み切っていて、とても神秘的でした。年はじめには、ここで200人もの人が禊をするそう!圧巻の光景でしょうね…!
近くにある売店では、御手洗池の湧き水を使ったお茶やお蕎麦がいただけるそうです。
最大のパワースポット『要石』へ
再び分かれ道まで戻り、今度は右手に進みます。この先にある要石(かなめいし)が、実は鹿島神宮(かしまじんぐう)最大のパワースポットとも言われています。
要石はかなり巨大で、地中にいる地震を引き起こす巨大な鯰の頭を押さえていると伝えられています。
その昔、あの水戸光圀がどれほど大きな石なのか掘り出そうと、七日七晩かけて掘らせたものの、いつまでたっても掘り出せず、さらにけが人が続出してしまったために諦めた、という逸話が残っています。
ところで、地震を引き起こす鯰を押さえている…と聞いて、何か思い当たることはありませんか?
そうです、新海誠監督の大ヒットアニメ映画『すずめの戸締まり』!実は、この映画の要石のモデルになったのが、この鹿島神宮の要石なのです。ちなみに、映画のダイジンに相方のサダイジンがいたように、鹿島神宮の要石にも相方がいます。登場をお楽しみに!
今回の同行者は、かなり感じるタイプの方。特にパワースポットという話をしていなかったのですが、この要石に近づいた瞬間、「ピリピリする、すごいね~」とおっしゃっていました。昨今、大きな震災が多いですが、要石の御利益はもちろん地震の災難除け。しっかりとお参りしてきました。
導きの神に会いに、息栖神社へ
鹿島神宮(かしまじんぐう)を後にして、続いて向かったのは息栖神社(いきすじんじゃ)です。
息栖神社は、茨城県神栖市にある神社で、創建は応神天皇の時代(5世紀頃)と伝えられ、平安時代初期に現在の地に遷座されました。
御祭神の久那戸神(くなどのかみ)は、国譲りの際に武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)たちを導いた神様で、古来より導きの神・水上交通の守護神として信仰されてきました。
また、「くなど」=「来な処」は、来てはならない場所という意味を持ち、外から病や怨霊、敵や災いを防いでくれる魔除け・厄除けの御利益がいただける道祖神の原型の一柱と言われています。
その生まれについては古事記と日本書紀で異なり、古事記では黄泉の国から戻った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊をした時に脱ぎ捨てた褌から、日本書紀では伊邪那美命(いざなみのみこと)から逃げる際に黄泉平坂で投げた杖から生まれたとされています。
御神体はまさかの場所に!? 縁結びの御利益も!
息栖神社(いきすじんじゃ)の御神体は、実は意外な場所にいらっしゃいます。
車で行くとうっかり見逃してしまいそうなのですが、それは何と、一の鳥居のすぐ隣!川沿いに立つ立派な鳥居の左右には、忍潮井(おしおい)と呼ばれる2つの井戸があります。それぞれの井戸は男瓶(おがめ)と女瓶(めがめ)と呼ばれていて、何とこの2つの井戸こそが息栖神社の御神体なのだそうです。
『女瓶』の水を男性が、『男瓶』の水を女性が飲むと二人は結ばれるという言い伝えがあるそうです。
井戸の水が清んでいて、よく見えるほどにラッキーなのだとか。今なお湧き出る清水で、心も清められた気持ちになりました♪
コンパクトで趣のある境内へ
参道を進み、手水舎で手と口を清めたら、美しい神門を通って境内へ。先程の鹿島神宮(かしまじんぐう)や、この後訪れる香取神宮(かとりじんぐう)と比べると、息栖神社(いきすじんじゃ)はかなりこぢんまりとした神社です。
早速、社殿に参拝。御祭神の久那戸神(くなどのかみ)は、導き・厄除け・招福の御利益をくださいます。
また、相殿神として祀られている天乃鳥船神(あめのとりふねのかみ)は建御雷神(たけみかづちのかみ)たちが国譲りの交渉をする際に乗ってきた船の神だそうで、交通安全の御利益がいただけるとのこと。旅の安全もしっかりお願いしてきました。
境内は、社殿と御神木、歌碑や力石など、見どころはあるもののかなりコンパクト。あっという間に参拝が終わってしまいます。ですが、この神社、境内がとにかく清々しい!真っすぐと伸びた参道にふわりと風が吹き抜け、同行者も「めちゃくちゃ気がいいよね!」と大喜びでした。
手水舎のお水で、縁結びの御利益をいただこう。
御神体である男瓶(おがめ)と女瓶(めがめ)。お互いに水を飲み合うと縁結びの御利益がいただけるというお話でしたが、実は現在、井戸から直接水を飲むことはできません。しかし、境内の手水舎のお水が同じ清水であるとのことで、2人で飲むと縁結びの御利益がいただけるそうです。
ただし、生水なので、一度煮沸してから飲む方がよさそうです。持ち帰ったお水で、好きな人に美味しい飲み物を作ってあげるのもオススメですよ♡
県をまたいで、最後の香取神宮へ
息栖神社(いきすじんじゃ)を後にしたら、茨城県に別れを告げて、千葉県にある香取神宮(かとりじんぐう)へ向かいます。
香取神宮は千葉県香取市にある、香取神社の総本社です。創建は鹿島神宮(かしまじんぐう)とほぼ同時期である、紀元前660年頃と伝えられています。
御祭神の経津主神(ふつぬしのかみ)は日本書紀にのみ登場する神で、古事記では建御雷神(たけみかづちのかみ)と同一神とされています。
武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)と同じく、十握剣から滴った血から生まれた、もしくはその血から生まれた神の孫神と言われています。国譲りの際には武甕槌神と共に高天原から降り立ち、日本を平定しました。その正体には諸説ありますが、「フツ」というのが刀で物を断ち切る音であることから、武甕槌神が持つ霊剣・布都御魂(ふつのみたま)の化身であるとされています。
レトロな参道商店街から参拝は始まる
車を止めて境内へは、レトロな雰囲気の参道商店街を通っていきます。小腹が空いていたので、入り口の『厄落しだんご』をぱくっといただきましたが、焼き立ては香ばしくてとっても美味しかったです♡。
鳥居をくぐって進むと、ゆるやかな上り坂に。木々に囲まれた参道には灯篭が並んでいて、とてもステキな雰囲気です。
少し息をはずませながら進むと、朱塗りの楼門が見えてきました。三社共通の朱塗りの楼門ですが、こちらもかなり立派です。手前に手水舎があるので、手と口を清めてから先に進みます。楼門をくぐると、ようやく社殿に到着。坂や階段のある道中は、運動不足の筆者にはちょっぴりハードな道のりでした。
社殿はここまでの朱塗りの鮮やかな建物たちとは一転して、シックで趣のある雰囲気です。早速、参拝。御祭神の経津主神(ふつぬしのかみ)は、勝負運・災難除けの他、仕事運や交通安全の御利益がいただけます。また、香取神宮は道開きの神とも言われており、「決意を固める場所」としても有名なのだとか。新しいことに挑戦する時は、ぜひ再度参拝したいですね。
最強パワースポット、再び!
拝殿で参拝を終えたら、先ほどとは違うルートで戻ります。境内の地図を参考にして、旧参道へ。
まずは奥宮を参拝します。こちらは、経津主大神(ふつぬしのおおかみ)の荒魂が祀られていて、香取神宮(かとりじんぐう)にある最強パワースポットの1つとされています。森の中にたたずむお社は、雰囲気バツグン!何となく心がソワソワしましたが、無事に参拝できたことのお礼を伝えました。
そして、少し道を戻ってから、細い路地を進むと…出会いました、再びの要石(かなめいし)!そう、鹿島神宮(かしまじんぐう)にあった要石の相棒で、鯰の尻尾を押さえているそうです。こちらも最強パワースポットで、何と東日本大震災の際も灯篭の一部こそ倒れたものの、人や家屋の被害はゼロだったとのこと!御利益がすごすぎるっ。
こちらにも、大きな災害が起きませんように…と、しっかりとお参りをしてきました。
観光もランチも佐原の街がオススメ
これにて、無事に東国三社巡りは終了!何とこの時点で、時間はまだお昼を少し過ぎた頃。まだまだ楽しめる時間ですので、佐原(さわら)の街へランチと観光に向かいました。
水の郷・佐原は千葉の小江戸とも呼ばれていて、川沿いに江戸の古い街並みが残っている情緒あふれる観光スポットです。ランチは、『ワーズワース』さんというオシャレな古民家のイタリアンでいただきました。ピザとパスタのランチでしたが、すっごく美味しかったですよ♡。
舟めぐり体験ができたり、伊能忠敬(いのうただたか)の生家があったりと見どころも多いですが、何よりかわいいお店や美味しいレストラン、映えスポットもたくさんあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
まとめ
関東から気軽に行ける、東国三社巡り。どの神社もすごく清々しくて、訪れると気持ちがピンっとするような気がしました。
三社に共通しているのは、「新しいことに挑戦する時に力を貸してくれる」ということ。何かに挑戦する時や、したいけど勇気がなくて困っている時に、訪れてみるのもオススメですよ!
筆者紹介
**Ryo**
寺院の事務職兼ライター・コラムニスト。
東京在住のアラフォー。
趣味は寺社仏閣巡りと国内旅行、読書とBリーグ観戦。スタバ好き。